無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
教室マルトリートメント
購入オプションとあわせ買い
“教室"マルトリートメント:教室で行われる子どもの心を傷つけるような不適切な指導を示す造語
「教室マルトリートメント」。本書のタイトルであるこの言葉は、筆者である川上康則先生(東京都立矢口特別支援学校)の造語です。教室内で行われる指導のうち、体罰やハラスメントのような違法行為として認識されたものではないけれども、日常的によく見かけがちで、子どもたちの心を知らず知らずのうちに傷つけているような「適切でない指導」を取り上げています。
例えば、事情を踏まえない頭ごなしの叱責、子どもたちを萎縮させるほどの威圧的・高圧的な指導などは分かりやすい例です。しかし、本書ではもう少し掘り下げて、褒めるべき時に褒めないとか、「子どもにナメられるから」という理由で笑顔を見せないといったことについても、教室内を重い空気感で包んでしまう指導として取り上げたいと思います。
「マルトリートメント」という概念は、海外ではチャイルド・マルトリートメント( child maltreatment )という表現で広く知られています。mal(マル=悪い)+treatment(トリートメント=扱い)で、マルトリートメント。「不適切な養育」「避けたい関わり方」「行われるべきでない指導」などの意味で使われます。
日本の児童虐待防止法で定められた内容(身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待)よりも広い概念で語られ、子どもの将来を案じてよかれと思って行う「しつけ」や、大人が過去に受けてきたからという理由で行われる指導であったとしても、子どもの育ちにマイナスであれば許されていません。マルトリートメントは、子どもの心にトラウマ(心的外傷)をつくるとされ、脳の一部の萎縮や肥大などの変形につながることも、小児神経科医の友田明美氏の研究によって報告されています。
マルトリートメントは、基本的に親子関係の養育において扱われる概念です。
しかし、不適切な関わり方や本来であれば行われるべきでない指導といった視点から見てみると、教育関係者こそ、常に気を付けておくべき概念なのではないか――。本書では、そのような問題意識のもと、密室空間である「教室」で、「指導」の名の下に子どもたちを傷つけるような関わりが、知らず知らずのうちに行われていることがないか、検討していきます。
本書では、違法行為の一歩手前のレベルの「行き過ぎた指導」から、これまでは当たり前に行われていた指導だけれども、改めて考えると子どもの心を傷つける要素をもつ指導まで、幅広く「教室マルトリートメント」として整理していくことを試みます。
そして、教室マルトリートメントに陥らないための予防としての子どもたちとの信頼関係づくりの方法や子ども理解のために知っておきたい発達に関する知識を押さえていきます。さらに、自分が「教室マルトリートメントをしてしまっているかもしれない」という場合に、今すぐに実践したい立て直しから、常に行いたい教師としての自己検証のやり方まで、その改善方法を具体的に提案していきます。
[目次]
序章 「違法ではないが、適切ではない指導」が学校を支配する 1
第1章 はりつめる教室
マルトリートメント(maltreatment)とは 1/「静かでおとなしいクラス」で、何が起きている? 20/処分の対象となっている「体罰」と「わいせつ行為」 23/特別支援学校における教室マルトリートメント 28/パニックやフラッシュバックを誘発する教師の毒語 32/教室で行われる「ネグレクト」 39/「社会的参照」と「忖度」の大きな違い 49/あらためて「教室マルトリートメント」を定義すれば 52
第2章 教師が子どもを傷つける
トラウマを考える三つのエピソード 57/罰や脅しはエスカレートする 60/恐怖、失敗、悲しい出来事は、記憶に残りやすい 65/罰や脅しによって植え付けられた感情の影響 68/デリケートな脳、日常的に起こり得るマルトリートメント 72/「熱心な無理解者」 75/「教室マルトリートメント」が子どもの育ちに及ぼす影響の仮説 77/トラウマとフラッシュバック 84/フラッシュバックに至る「因縁果」の法則 87/不穏・興奮状態への具体的な対応 90/成人後も苦しむことに 96/「逃れられなさ」の構造 98
第3章 圧は連鎖する
教室に吹かせている教師自身の「風」を感じ取る 103/「風」が続くと「圧」になる 104/圧の急激な降下がもたらす「ダブルバインド」と強い圧の連鎖 108/柔軟さと寛容さをもち合わせた教師でいるために 109/学校は予定調和の場ではない 112/教師はこうしてこじらせていく 113/こじらせ教師が醸し出す、独特の雰囲気 116/こじらせ教師化を予防する他者の視線 118/コミュニケーションとマルトリートメントの因果関係――保育現場の事例から 120/家父長制の雰囲気が強い職員室でのストレス 122/放課後の職員室のコミュニケーションをどう変えるか 124/教師間のパワーハラスメント 127/教師のストレスの源流 130/学校は「ジェンガ」で「交通整理員」不在の組織 134/過度な要求×自己裁量の少なさ×教師間のサポートの無さ 136
第4章 教室マルトリートメントを防ぐ
教室マルトリートメントの根源は何か 139/「成功モデル」の追求を見直す 140/確実に変えられることから着手する 144/子どもの育ちは「促成栽培」ではない 146/プロクルステスのベッド 148/教師もまた「型に押しはめられている」 151/「認知バイアス」が能力を超えた過度な期待と要求を課す 154/そもそも「足並み」はそろわない 160/子ども理解とは、知識の伝授ではなく「体質改善」 161/ボディイメージ 163/「無理解」と「誤解」はマルトリートメントにつながりやすい 166/学習性無力感 168/子どもの「安全基地」でいること 171/ラポール(信頼関係)を築くこと 174/「子どものもがきの代弁者」になる 176
第5章 教室マルトリートメントを改善する
もしも「教室マルトリートメント」に陥っているのでは? と感じたら 183/プラン1 自身の「教師モデル」を振り返る 184/プラン2 教師としての「成長ステージ」を知る 188/プラン3 校内にいる「当面の師」と「当面の反面教師」から学ぶ 194/プラン4 自身の「子ども観」を振り返る・見直す・覆す 197/プラン5 授業内でのファシリテーション力を高める 204/プラン6 安心して「分からない」が言える学級・教室をつくる 212/プラン7 子どもを褒める回数を増やす 220/プラン10 子どもの心に傷を残す「毒語」を使わない 224/プラン9 職員室内の良質なコミュニケーションを増やす 230/プラン10 自ら学ぼうとする「学び手体質」をキープする 232
第6章 安全基地としての学校
教師が「笑顔」で「常にそこにいてくれる」という安心感 239/人の意欲の根っこには「愛情」が欠かせない 242/教師の「安全基地」はどこにある 243/「やりがい搾取」の原因は、学校に向けられた「欲しがり過ぎ」 246/そして、「♯バトン」まで渡された 248/「SOS」が出せない 251/現状に憤りつつも漂いながら、子どものための「防波堤」たれ 254/空白に耐える力―ネガティブ・ケイパビリティ 257
巻末対談 教師の傷を癒やし、教室マルトリートメントを断つ 友田明美×川上康則 261
終章 教室の空気を換えていきたいあなたへ
引用・参考文献
- 本の長さ308ページ
- 言語日本語
- 出版社東洋館出版社
- 発売日2022/4/28
- 寸法13 x 2.2 x 18.9 cm
- ISBN-104491042624
- ISBN-13978-4491042626
よく一緒に購入されている商品

人気の商品とあなたへのおすすめ
出版社より
本書では、違法行為の一歩手前のレベルの「行き過ぎた指導」から、これまでは当たり前に行われていた指導だけれども、改めて考えると子どもの心を傷つける要素をもつ指導まで、幅広く「教室マルトリートメント」として整理していくことを試みます。
商品の説明
著者について
公認心理師、臨床発達心理士、特別支援教育士スーパーバイザー。NHK Eテレ『ストレッチマンV』『ストレッチマン・ゴールド』番組委員。立教大学卒業、筑波大学大学院修了。肢体不自由、知的障害、自閉症、ADHDやLDなどの障害のある子に対する教育実践を積むとともに、地域の学校現場や保護者などからの「ちょっと気になる子」への相談支援にも携わる。著書に、『こんなときどうする? ストーリーでわかる特別支援教育の実践』(学研プラス)、『通常の学級の特別支援教育 ライブ講義 発達につまずきがある子どもの輝かせ方』(明治図書出版)、『子どもの心の受け止め方』(光村図書出版)など。
登録情報
- 出版社 : 東洋館出版社
- 発売日 : 2022/4/28
- 言語 : 日本語
- 本の長さ : 308ページ
- ISBN-10 : 4491042624
- ISBN-13 : 978-4491042626
- 商品の重量 : 1 g
- 寸法 : 13 x 2.2 x 18.9 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 14,132位 (本の売れ筋ランキングを見る)
- 学級運営 - 5位
- 教師向け書籍 - 62位
- 学校教育ノンフィクション - 76位
- カスタマーレビュー:
著者について

著者の本をもっと見つけたり、似たような著者を調べたり、おすすめの本を読んだりできます。
関連書籍
カスタマーレビュー
お客様のご意見
お客様の投稿に基づきAIで生成されたものです。カスタマーレビューは、お客様自身による感想や意見であり、Amazon.co.jpの見解を示すものではありません選択して詳細を見る
日本からのトップレビュー
- 星5つ中5つ
たまに読み返さなければならない、基準となる本です
2022年8月4日に日本でレビュー済みここ2~3年の川上先生のお考え・セミナーでの話がまとまった本です。
読み進めていくたびに、自分の実践に反省点を見つける本でもあるし、
安全基地になれるようにしなければと励まされます。
忙しさにストレスをためて、マルトリートメントしてしまいそうなときに
基準点として戻るための本です。
6人のユーザーが役に立ったと感じていますフィードバックを送信中...フィードバックを送信中...参考になったフィードバックをお寄せいただきありがとうございます。申し訳ありませんが、投票の記録に失敗しました。 もう一度お試しくださいありがとうございます。数日中に調査いたします。申し訳ありません。このレビューを報告できませんでした。 もう一度お試しください - 星5つ中5つ
教師のあり方を見直す。
2025年11月24日に日本でレビュー済み学校で起きている当たり前の支援に疑問を投げかけてくれる。それって本当にいいのかな?圧で人を動かすのってどこか間違ってないかなと思わさせてくれる1冊です。
フィードバックを送信中...フィードバックを送信中...参考になったフィードバックをお寄せいただきありがとうございます。申し訳ありませんが、投票の記録に失敗しました。 もう一度お試しくださいありがとうございます。数日中に調査いたします。申し訳ありません。このレビューを報告できませんでした。 もう一度お試しください - 星5つ中4つ
教師の自戒向け
2023年4月9日に日本でレビュー済み本書は教師向けに子どもへの接し方を改めて問い直している。
【わかったこと】
①一緒になって子どもの指導を考えてくれる他者が必要
著者の川上先生も暴れる子の指導の中で頭突きを食らわされて感情的になりそうだった体験を述べられている。その際は「他者の視線」があることでなんとかマルトリートメントにならずに済んだということで、一緒に考えたりや支援をしてくれる他者の存在が教育において大切であると改めて気付かされた。
これは、家庭内の孤育ての状況にも通じると思う。密室になりやすい教室や家庭において「孤独」がマルトリートメントを引き起こす要因になっているように思う。
副担任や支援員等の配置を充実させれば、少しは教師が救われるのではないだろうか。
暴れる子どもの体の押さえ方が図で載っているのは良かった。
②子どもと信頼関係を築く余裕がない?
信頼関係を築くには「まだ言語化できていない事柄をチェックし、言葉にする」「子どもの内面の世界の代弁者になる」ことが必要とあった。
これは愛着障害への対応について書かれている米澤先生も似たようなことを著書で書いていた。
ただし、教師は多重業務の上に教師自身が癒されていない傷を抱えているため、子どもの心の内面にまで思いを巡らす余裕が果たしてあるのかどうかは疑問が残る。
子どもの安全基地となるためには教師の余裕が大切であり、なんでも教師に押し付けずやりがい搾取にならないような改革が必要であると感じた。
本書では教育界にはびこる思考停止の元になる考え方を挙げ批判している。
ただし、批判するだけでなく、そのような辛い状況の中でも「漂いながらも子どものための防波堤になれ」と教師たちへの応援メッセージが最後にあったのは良かった。
おそらく教師になる人はもともと子どもの成長を願える人だと思うのだが、今一度子どもファーストの考え方をしてみませんかと投げかけているようだった。
6人のユーザーが役に立ったと感じていますフィードバックを送信中...フィードバックを送信中...参考になったフィードバックをお寄せいただきありがとうございます。申し訳ありませんが、投票の記録に失敗しました。 もう一度お試しくださいありがとうございます。数日中に調査いたします。申し訳ありません。このレビューを報告できませんでした。 もう一度お試しください - 星5つ中5つ
考えさせられました。
2023年9月27日に日本でレビュー済み教室で起こってること。
自分の行動や発言
考えるきっかけになりました。
4人のユーザーが役に立ったと感じていますフィードバックを送信中...フィードバックを送信中...参考になったフィードバックをお寄せいただきありがとうございます。申し訳ありませんが、投票の記録に失敗しました。 もう一度お試しくださいありがとうございます。数日中に調査いたします。申し訳ありません。このレビューを報告できませんでした。 もう一度お試しください - 星5つ中5つ
モヤモヤがすっきり。まさに日々感じていたこと。
2022年6月4日に日本でレビュー済み学校で働いています。
手にとるようにイメージできて、モヤモヤがすっきりしました。
子どもへの向き合い方に迷ったときには、何度も読み返したいです。
学校も保護者も地域も、つまり子どもをとりまく大人みんなが、マルトリートメントについて知ることで大きく変わると思います。
学校の管理職、教育委員会、文科省の方、教育関係者にはぜひ読んでいただきたい。
また、教員を目指す方にも。
しばらくはコロナ禍のストレスフルな状況が続きますが、負の連鎖を止める覚悟が必要ですね。
7人のユーザーが役に立ったと感じていますフィードバックを送信中...フィードバックを送信中...参考になったフィードバックをお寄せいただきありがとうございます。申し訳ありませんが、投票の記録に失敗しました。 もう一度お試しくださいありがとうございます。数日中に調査いたします。申し訳ありません。このレビューを報告できませんでした。 もう一度お試しください - 星5つ中3つ
もっと大きな問題があるのでは
2026年1月18日に日本でレビュー済み本の内容は概ね支持できる。しかし、個人的には、本に登場するような厳しく叱りつける教師は最近いなくなってきていると感じるし、社会の目も厳しく今の学校は線引きも曖昧でとても甘い場所になっいると思う。だが、そのせいで逆に子どもが苦しんでいると感じる。本書で取り上げられているマルトリートメントは減ってきているにも関わらず、子どもの不登校•暴力行為は過去最多である。指導がホワイト化しているのに問題は悪化しているのだ。つまり、もっと別の所に問題があるのか、今の方針が間違っているのかのどちらかに思えてしまう。それは私だけだろうか。最後に前半に紹介されている脳の変化等の根拠は弱い。脳科学の本をよく読むが、本当か?と思った。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えていますフィードバックを送信中...フィードバックを送信中...参考になったフィードバックをお寄せいただきありがとうございます。申し訳ありませんが、投票の記録に失敗しました。 もう一度お試しくださいありがとうございます。数日中に調査いたします。申し訳ありません。このレビューを報告できませんでした。 もう一度お試しください - 星5つ中5つ
支援、教育について振り返ることができる!
2023年6月6日に日本でレビュー済み川上先生は、一見魔法のように、お子さんの心をつかむように見えるが、それは日々の信頼の積み重ねから来るもの。慢心せず。自分は、マルトリートメントしていないか。考える良いきっかけになりました。
2人のユーザーが役に立ったと感じていますフィードバックを送信中...フィードバックを送信中...参考になったフィードバックをお寄せいただきありがとうございます。申し訳ありませんが、投票の記録に失敗しました。 もう一度お試しくださいありがとうございます。数日中に調査いたします。申し訳ありません。このレビューを報告できませんでした。 もう一度お試しください - 星5つ中4つ
珠玉の一冊
2023年5月27日に日本でレビュー済み特別支援教育の現場を最も重要な視点で綴った一冊
3人のユーザーが役に立ったと感じていますフィードバックを送信中...フィードバックを送信中...参考になったフィードバックをお寄せいただきありがとうございます。申し訳ありませんが、投票の記録に失敗しました。 もう一度お試しくださいありがとうございます。数日中に調査いたします。申し訳ありません。このレビューを報告できませんでした。 もう一度お試しください












