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ポピュリズムとは何か - 民主主義の敵か、改革の希望か (中公新書 2410)
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「大衆迎合主義」とも訳され、民主主義を蝕む悪しき存在と見なされがちなポピュリズム。しかし、ラテンアメリカでは少数のエリートによる支配から人民を解放する力となりました。
またヨーロッパでは、ポピュリズム政党の躍進が既成政党に緊張感を与え、その改革を促す効果も指摘されています。現代のポピュリズム政党は、リベラルな価値、民主主義のルールを前提としたうえで、既成政治を批判し、イスラム移民の排除を訴えており、ポピュリズムの理解は一筋縄ではいきません。
本書は各国のポピュリズム政党・政治家の姿を描き、「デモクラシーの影」ともいわれるその本質に迫ります。
■書評掲載
・読売新聞(朝刊)2026年3月11日
・北海道新聞(朝刊)2026年3月1日
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2016/12/19
- 寸法11 x 1.2 x 17.4 cm
- ISBN-104121024109
- ISBN-13978-4121024107
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社
- 発売日 : 2016/12/19
- 言語 : 日本語
- 本の長さ : 256ページ
- ISBN-10 : 4121024109
- ISBN-13 : 978-4121024107
- 商品の重量 : 1 g
- 寸法 : 11 x 1.2 x 17.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 175,243位 (本の売れ筋ランキングを見る)
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日本からのトップレビュー
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置き去りにされた人々への求心力
2026年5月6日に日本でレビュー済みポピュリズムとはどういうものなのか知りたくて読みました。他の著者のこうした本(翻訳本でした)は批判する本と言う感じで自分のニーズに合わなかったのですが、こちらはもう少し中立的に「どういうものなのか」を分析している感じ(良いとは思っていない感じではありますが)。
ラテンアメリカ、米国、ヨーロッパなどそれぞれのポピュリズムの特徴が書かれています。
ヨーロッパの「国民投票」(ブリグジット)とか「移民排斥」(実際よりも人口比率など大袈裟に受け取られている)など読んでいると、今の日本の一部で言われている意見にそっくりだと思いました。
米国のそれもですが「置き去りにされた人々」を惹きつけるのですね。だからインテリ的・都会的な理屈で言っても通じない。
なお本書は2016年に書かれたもので、あとがきはトランプ大統領が当選した頃(第1期)に書かれています。
その後のことも読んでみたいなと思いました。
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世界的な視点で洗いだした秀作
2026年3月11日に日本でレビュー済みポピュリズムを世界的な視点で洗いだした秀作で読む価値があります
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ポピュリズムは民主主義の内側から現れる
2026年6月30日に日本でレビュー済み本書を読んで最も印象に残ったことは、ポピュリズムは単純に「民主主義を壊す危険な存在」とも、「民意を反映する望ましい政治」とも言い切れないという点である。ニュースでは、ポピュリズムという言葉はしばしば否定的な意味で用いられるが、本書は歴史的な事例や各国の政治状況を比較しながら、その多面的な姿を丁寧に説明しており、ポピュリズムを冷静に理解するための入門書として非常に優れた一冊だと感じた。
本書では、まずポピュリズムを二つの視点から定義している。一つは、既存の支持基盤を超えて国民へ直接訴えかける政治スタイルとしてのポピュリズムであり、もう一つは、「人民」の立場から既成政治や政治エリートを批判する政治運動としてのポピュリズムである。特に現代世界で見られるポピュリズムは、後者の特徴が強く、「普通の人々」や「置き去りにされた人々」の声を代弁すると主張しながら、既存政治への不満を結集していることが理解できた。
一方で、本書は「人民」とは誰なのかという難しい問題にも触れている。「人民」は必ずしも国民全体ではなく、「われわれ人民」という同質性を持つ集団として定義されるため、その枠組みに含まれない人々が排除される危険性もある。また、人民の意思を絶対視するあまり、司法や議会、権力分立といった立憲主義の仕組みを軽視する可能性があることも指摘されていた。この点から、民主主義は単に多数決だけでは成り立たず、少数者の権利や制度的な抑制との均衡が不可欠であることを改めて認識した。
特に興味深かったのは、ポピュリズムが必ずしも民主主義の敵ではないという議論である。ラテンアメリカでは、これまで政治から排除されてきた人々の政治参加を促し、民主主義の拡大に貢献した側面があった。また、新たな政治的対立軸を提示し、政治そのものへの関心を高める役割も果たしてきた。一方で、権力を握った後には権力分立を軽視したり、敵味方を二分して政治的対立を激化させたりする危険性もあり、本書はポピュリズムの長所と短所の双方を公平に論じている。
各国の事例も非常に興味深かった。アメリカの人民党やアルゼンチンのペロニズム、ヨーロッパ各国の右派ポピュリズム、Brexit、そしてトランプ現象まで、一見異なるように見える事例にも共通する背景として、グローバル化による格差拡大や既成政党への不信、相対的剥奪感、「置き去りにされた人々」の存在があることが理解できた。単なる反移民運動ではなく、経済構造や社会変化の中で既存政治が十分に対応できなかった結果としてポピュリズムが支持を集めたという説明は非常に説得力があった。
また、日本維新の会についても取り上げられており、ポピュリズムは欧米だけの現象ではなく、日本政治にも存在していることが分かった。行政改革や既得権批判、既成政党への挑戦という点では、日本にもポピュリズム的な政治が存在することを知り、日本の政治を考える上でも参考になった。
私自身は国際政治を学んでいるため、本書を読みながら、近年の欧州における反EU政党の躍進やBrexit、さらにはアメリカのトランプ現象などを思い浮かべた。これらは単なる偶然ではなく、グローバル化によって利益を受けた都市部のエリート層と、恩恵を受けられなかった地方や旧工業地帯との格差が背景にあることを、本書を通して体系的に理解することができた。近年では各国で「自国ファースト」を掲げる政治勢力が支持を伸ばしているが、その背景には経済的不安だけでなく、既存政治への不信や、自分たちの声が政治に届いていないという疎外感が存在していることを改めて認識した。
本書を通じて最も重要だと感じたのは、「ポピュリズムは民主主義を発展させる場合もあれば、脅かす場合もある」という結論である。その違いは、民主主義が成熟しているか、ポピュリズム勢力が政権を担うのか野党として存在するのかといった制度的条件によって大きく左右される。この視点は、単純な善悪論では説明できない現実政治を理解する上で非常に重要であると感じた。
全体として、本書はポピュリズムについて専門的な内容を扱いながらも、歴史的背景や各国の豊富な事例を交えて分かりやすく解説しており、初めてポピュリズムを学ぶ人にも読みやすい構成となっている。ニュースでは断片的にしか理解できなかった世界各国の政治現象が一本の線でつながり、現代政治を理解する視野が大きく広がった。ポピュリズムを単なる流行語としてではなく、現代民主主義を考えるための重要な概念として理解するための入門書として、多くの学生に勧めたい一冊である。
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素晴らしい
2026年3月31日に日本でレビュー済み"ポピュリズムとはデモクラシーに内在する矛盾を端的に示すものではないか、ということである(中略)『リベラル』な価値、『デモクラシー』の原理を突きつめれば突きつめるほど、それは結果として、ポピュリズムを正統化することになるからである''2015年発刊の本書は現状を分析した良書。
個人的には本書が2026年に初開催された『大学生が選ぶ中公新書大賞』の大賞に選ばれたことをきっかけに手に取りました。
さて、そんな本書は現代の欧州政治・ポピュリズム研究の第一人者として知られる著者により、2016年、イギリスの国民投票によるEU離脱、またアメリカ大統領選挙での予想外のトランプの当選下に発刊された一冊で。一般的には『大衆迎合主義』とも訳され、民主主義の脅威とも考えられているポピュリズムを正面から取り上げ、規制政党に改革を促しているヨーロッパ、そしてエリート支配から人民を解放する原動力となったラテンアメリカを主たる舞台として、ポピュリズムの成立背景、各国における展開や影響、その多面性について全7章で解説。上品なデモクラシーという『ディナー・パーティの泥酔客』のような存在であるポピュリズムが民主主義の『危機』なのか、それとも『安全弁』になりうるのかについて論じているのですが。
発刊から10年が経過した2026年現在、まさかのトランプが2度目の当選を果たし世界に火種を拡大させ、日本国内にもヨーロッパと同じく移民問題を論点にしようとするポピュリズム政党が支持を受ける中、本書の内容はむしろタイムリーに響いた。
また、どうしても選挙においては意図された問題への短絡的な是非が問われてしまう事も多い中、本書のようにデモクラシー(民主主義)、そしてポピュリズムとは。といった本質的な視点は大切だな。とあらためて感じました。
ポピュリズムの功罪について、本質的、俯瞰的に考えたい方にオススメ。
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レポート用
2024年3月14日に日本でレビュー済み学校でのレポートにいるそうです。読んだ感想はまさに公共の授業そのものということでした。親としては本当に読んだのかすごく怪しいです、、が、この本でレポートを書いていたので読んでいたのでしょう。
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今蠢き始めたポピュリズムとはどういう現象か
2025年2月15日に日本でレビュー済みポピュリズムは「大衆迎合主義」と訳されているが、「ポピュリズム現象」と言う方が適切の様な気がする。本書では近年、色んな国で起きているその現象を紹介しながら、ポピュリズムはどういう現象かを説明して行く。
特に「トランプ現象」と言われるポピュリズム現象は、どういうことなのだろうと思う人も多いのではと思う。
読んでいくと、共通する3角形の構造が見えてくるように感じた。
まず、一時栄えた地域の産業が「ラストベルト(さび付いた地帯)」と化し、そこで働いて中間層が職を失い没落して行き「置き去りにされた存在」「無視された存在」として喪失感と不満を感じる層。次にそういう状態をもたらした原因や犯人はだれか、そして、タブーなきハチャメチャだが何とか救い出してくれる救世主、と言う構図である。
そこでの意識は、「異質なもの、特に移民・難民、外国人、異教徒(特にイスラム)、生活保護」が、こういう事態にした原因であり、「福祉排外主義」へと向かう。奴らが仕事を奪ったのだ、財政を圧迫し俺らが損をしている、と言う様な横溢する感情が生まれ、それに応えるが如くに人物が現れ、移民・難民など異質・よそ者を追い出し、自分たちの利益を取り戻すんだという自国・自民族主義的に訴えるマッチョな人物の登場がマッチングする。
こういう現象が、グローバル化する世界で、産業構造が変化し、昔栄えた製造業は国外に出され、寂れて行ったのだが、そうは見ないで排外主義的になり、それらの人びとを攻撃し、排除して行くことに喝采を上げる現象となって現れる。他にもいろんな要素があるが、人はみじめな状態になると、強いものではなく、弱いものをいじめるという方向へ向かいやすい傾向は昔からそうである。
まさにそういう状態が大衆的に起き、それにうまくマッチする人物が現れると社会的現象として大きな力になって行く。極めていびつなのだが、そういう現象が生まれる。厄介な代物であるが、理性ではなく、感情の横溢なのだから歯止めが聞かない。
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看板に偽り
2017年8月1日に日本でレビュー済み表題に惹かれて読みました。欧米での、最近の、いわゆるポピュリズムという出来事を招来した風潮にいささか興味がありました。私は滞欧経験が永いこともありますので。
結論は、私の勝手な思い込みは期待はずれだった、です。表題からは、民主主義という政治哲学の本質との関わり合いを扱っているように読めますが、そうではありませんでした。ポピュリズムと呼ばれている様々なイベントの背後にある思想の政治学的な意味合いを論じているのではなく、メディアがそう呼んでいる運動の個々の様相をジャーナリスティックに解説し、それを寄せ集めているのでしたから。
例えば、最初に「ポピュリズム」の定義から始めていますが、それも全く恣意的です。学問的議論ではない、という批評がこれまでのレビューにありましたが、同感です。
もともと民主主義にはポピュリズム的要素が入っているので、それを取り上げている論考は、古くからいくらでもあります。それに新たな一石を投じようということなら、もっとずっと精密な分析と議論が必要でしょう。
フランスのルペン、アメリカのトランプなどに代表される直近の運動を取り上げて、その経過、背景などを述べているのが後半の大部分で、ここだけ読めば、それらの現象についてはそれなりの知見は得られるのでしょうから、そうした執筆の意図をはじめから掲げて置いてくれればもう少し印象が違ったかもしれません。もって、他山の石とせよ、というのでしたら、分からないでもありません。
他のレビュアーの方も、同じような印象をお持ちのようで、それをどう評価するかで、意見が分かれているのでしょう。
そこで、イージーゴーイングかとも思いましたが、ちょうど真ん中の評価といたします。
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ポピュリズムの出現機序や獲得支持の論理を知る
2024年7月27日に日本でレビュー済み「イスラム排斥という一見、リベラルに反する動きに支持が集まっていく仕組み」、「右派も左派もエリート層の代弁者と見なされ、これと直交する第三極が勃興する仕組み」が説明されており参考になりました。スイスの女性参政権は1972年とは...恥ずかしながら知らなかった。詳しい読書メモは、のぞえまアカウント(X)にポストしています(全ての著書評価につき、一つでも学ぶ所があれば当該著書の評価が上がるよう感謝して高評価をつけております。言及していない他の箇所についての推奨意図はありません)。
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