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箱男 (新潮文庫)
購入オプションとあわせ買い
どうやら世間は箱男について、口をつぐんだままにしておくつもりらしい――。
ダンボール箱を頭からすっぽりとかぶり、都市を彷徨する箱男は、覗き窓から何を見つめるのだろう。一切の帰属を捨て去り、存在証明を放棄することで彼が求め、そして得たものは? 贋箱男との錯綜した関係、看護婦との絶望的な愛。輝かしいイメージの連鎖と目まぐるしく転換する場面(シーン)。
読者を幻惑する幾つものトリックを仕掛けながら記述されてゆく、実験的精神溢れる書下ろし長編。
本文より
さらに五日目からは部屋にいるかぎり、食事と、大小便と、睡眠以外のほとんどを、箱のままで過すようになった。一抹の疚(やま)しさを除けば、べつに異常なことをしているという意識はない。それどころか、この方がずっと自然で、気も楽だ。これまでは嫌々ながらだった独り暮しまで、今ではかえって、禍い転じて福となった思いである。
六日目。いよいよ最初の日曜日。来客の予定はないし、外出の計画もない。(中略)
そして、翌朝――ちょうど一週間目――Aは箱をかぶったまま、そっと通りにしのび出た。そしてそのまま、戻ってこなかった。
(「たとえばAの場合」)
本書「解説」より
考えてみればわれわれ現代人は、隅々まで約束事や習慣や流行や打算に支配され、その上、この小説の主人公がかつてそうであったように、「ひどいニュース中毒」に罹っている。「自分で自分の意志の弱さに腹を立てながら、それでも泣く泣くラジオやテレビから離れられない。」もしもそういうものをすべてかなぐり捨てたら、世界はどう見え、われわれはどんな存在になるだろうか。風景が均質になり、いままで大切に思っていたものも、無価値と思って無視してきたものも、同等の価値をもって目にはいって来る。それと同時に、こちらの方向感覚、時間感覚も麻痺し、われわれ自身でなくなって、「贋のぼく」が現われる。
――平岡篤頼(文芸評論家)
安部公房(1924-1993)
東京生れ。東京大学医学部卒。1951(昭和26)年「壁」で芥川賞を受賞。1962年に発表した『砂の女』は読売文学賞を受賞したほか、フランスでは最優秀外国文学賞を受賞。その他、戯曲「友達」で谷崎潤一郎賞、『緑色のストッキング』で読売文学賞を受賞するなど、受賞多数。1973年より演劇集団「安部公房スタジオ」を結成、独自の演劇活動でも知られる。海外での評価も極めて高く、1992(平成4)年にはアメリカ芸術科学アカデミー名誉会員に。1993年急性心不全で急逝。
- ISBN-104101121168
- ISBN-13978-4101121161
- 版改
- 出版社新潮社
- 発売日2005/5/1
- 言語日本語
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- 本の長さ248ページ
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登録情報
- 出版社 : 新潮社
- 発売日 : 2005/5/1
- 版 : 改
- 言語 : 日本語
- 本の長さ : 248ページ
- ISBN-10 : 4101121168
- ISBN-13 : 978-4101121161
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 26,899位 (本の売れ筋ランキングを見る)
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著者について

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カスタマーレビュー
日本からのトップレビュー
- 星5つ中5つ
書いているぼくと書かれているぼくの不機嫌な関係を巡って
2026年4月3日に日本でレビュー済み現代文学の極地。
日本語で考え、日本語で書くスタイルでこのような作品が生まれたことが信じ難い奇跡です。電子書籍でも紙でも、訴えかけてくるものは変わりません。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えていますフィードバックを送信中...フィードバックを送信中...参考になったフィードバックをお寄せいただきありがとうございます。申し訳ありませんが、投票の記録に失敗しました。 もう一度お試しくださいありがとうございます。数日中に調査いたします。申し訳ありません。このレビューを報告できませんでした。 もう一度お試しください - 星5つ中4つ
OK!
2016年11月3日に日本でレビュー済み安倍公房の世界観、好きです。商品状態も悪くはなく、良い買い物が出来ました。ありがとうございました
6人のユーザーが役に立ったと感じていますフィードバックを送信中...フィードバックを送信中...参考になったフィードバックをお寄せいただきありがとうございます。申し訳ありませんが、投票の記録に失敗しました。 もう一度お試しくださいありがとうございます。数日中に調査いたします。申し訳ありません。このレビューを報告できませんでした。 もう一度お試しください - 星5つ中5つ
箱という社会からの断絶と皮肉
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面白い問題提起もあるが〜後半は支離滅裂
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17人のユーザーが役に立ったと感じていますフィードバックを送信中...フィードバックを送信中...参考になったフィードバックをお寄せいただきありがとうございます。申し訳ありませんが、投票の記録に失敗しました。 もう一度お試しくださいありがとうございます。数日中に調査いたします。申し訳ありません。このレビューを報告できませんでした。 もう一度お試しください - 星5つ中5つ
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ザ・安部公房
2013年10月14日に日本でレビュー済み安部公房と行ったら箱男。
はっきり言って、よく分からな無い構成ですが、このカオスをどう泳ぎきるか。
読み手によって、評価も、感想も、読後感も違うものでしょう。
それこそ、安部さんに踊らされているような気がします。
10人のユーザーが役に立ったと感じていますフィードバックを送信中...フィードバックを送信中...参考になったフィードバックをお寄せいただきありがとうございます。申し訳ありませんが、投票の記録に失敗しました。 もう一度お試しくださいありがとうございます。数日中に調査いたします。申し訳ありません。このレビューを報告できませんでした。 もう一度お試しください - 星5つ中5つ
安倍公房やはり変態であり、天才である。
2015年5月22日に日本でレビュー済み安倍公房やはり変態であり、天才である。
各小節はとても分かりすく、箱男が何なのか何がしたいのかがよくわかる。
ただ小節ごとの繋がりが分かりづらい。
納得のいく終わりもなければ、この小説を読んだからと言って何か得られるわけでもない。
最近(2015年)はとにかく何事にも意味を求めたがり、自己啓発本や生活に役立つ、金が儲かるような本が溢れている。
小説でさえこの本を読んだから教養が高まるかもしれない、等と卑しい目的で読む始末である。
この「箱男」に何か求めている人は読まない方が良いだろう。
60人のユーザーが役に立ったと感じていますフィードバックを送信中...フィードバックを送信中...参考になったフィードバックをお寄せいただきありがとうございます。申し訳ありませんが、投票の記録に失敗しました。 もう一度お試しくださいありがとうございます。数日中に調査いたします。申し訳ありません。このレビューを報告できませんでした。 もう一度お試しください








