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弁護士が教えるAIイラストの法律の教科書 (長崎国際法律事務所)
主な読者層として、イラストの制作を仕事にするイラストレーターや絵師などのクリエイターのほか、AIの開発を行うプログラマー、AIイラストサービスの運営者、そしてAIイラストを利用する一般の利用者などを想定しています。法律の専門知識を持たない人でもわかりやすいよう、著作権法、民法その他の法律の基本部分から丁寧に解説を行うとともに、身近な事例やたとえ話などを出すことで具体的にイメージしやすいよう意識して執筆されています。
本書はまえがき及び全3章で構成されています。
第1章では、イラストや絵画全般に関して問題となる著作権、著作者人格権、所有権、契約に基づく権利(債権)のほか、先進的な分野であるNFTアートにおけるデータの所有権の問題についても概説しています。
第2章は主としてAIイラストを利用・運用する立場から、AIの生成する画像に著作権が認められるかどうか、認められる場合の法律の要件などを詳しく解説しています。インターネット上に流布している一般的な解説から一歩半ほど進んだ細かい論点についても考え方を示しているのが特徴です。「AI絵師」と呼ばれる人々が作る「呪文」の権利性などにも検討を加えています。
第3章はAIイラストの登場により職業的な地位を脅かされるおそれのある従来のイラストレーターや絵師の立場に立って、その権利や創作活動をいかに保護できるかという点を解説した章です。自分の作品を無許可でAIの機械学習に利用された場合の法的責任追及の可能性、特定の作家の画風や人気・知名度を利用するAIイラストサービスの責任の有無などを詳しく解説しています。また、AIイラストの発展をふまえて、今後、イラストレーターの仕事の在り方がどのように変容していくのかを予測するとともに、時流に合わせた身の処し方、戦略を知財専門家の立場から提案しています。
本書の著者は中小企業の法律問題と知的財産法に精通した弁護士です。弁護士としては数少ない知財アナリスト(特許)の資格認定を受けており、IPランドスケープなどの知財戦略にも深い理解を有しています。本書はそのような弁護士の知識と経験をふまえて執筆されています。
本書の目次
まえがき
第1章 イラストに発生する権利にはどんなものがあるか
1. 著作権―イラストを財産的に活用する権利
アインシュタインの相対性理論は著作物ではない
個性的な「ラクガキ」と無個性な「時候のあいさつ」
著作権者は著作物の経済的価値を独占できる
2. 著作者人格権―作者の人格的利益を保護する権利
作者の名声や自己決定権を守る3つの権利
著作権をクライアントに渡しても著作者人格権は作者に残り続ける
3. 所有権―イラストの原画を独占できる権利
絵画の持ち主はその絵画の画集を出版できる?
アート作品は「オリジナルであること」で高い価値を持つ
4. NFTとしてのデータに発生する権利
NFTとは改竄不能の鑑定書付きの絵画のようなもの
NFTの仕組みを使うことでデジタルアートを「一点モノ」として販売できる
NFTアートの「所有者」にデータの所有権はない
NFTアートの「所有者」が自分の作品を利用すると著作権侵害になる?
5. 契約に基づく権利
特定の誰かに対してだけ請求できる権利
著作権がないときに効いてくるのが契約に基づく権利
第2章 AIイラストに発生する権利・しない権利
1. AIイラストに著作権は発生する?
「AIイラスト=著作権は発生しない」と言い切ってよいのか
人間が作り出した表現ではないAIイラストは著作物とは言えない
自然や神は創作に励まない
AIの発展のためにはAIのプログラムに著作権を与えれば足りる
AIイラストに著作権を生み出すのは「人間の手」
AIイラストを背景画像として使用した作品は著作物と言えるか
AIイラストのコラージュ作品やイラスト集・画集の著作物性
AIイラストについて著作権が認められるケース・認められないケース
AI絵師の「呪文」に対して著作権法の保護は認められるか
保護される「呪文」、保護されない「呪文」
「呪文」を使って作られたAIイラストに対してAI絵師は権利主張できるのか
2. 利用規約や契約に違反してAIイラストを利用するとどうなる?
AIイラストでは契約に基づく権利が著作権よりも重要
AIイラストサービスと利用者の関係―利用規約を守らないとどうなるか?
AIイラストサービスの利用者でない者は利用規約のルールに従う必要がない
AIイラストサービスが海外法人により運営されている場合の法律関係
AI絵師とクライアントの関係―「著作権がない」を前提とした権利関係とは
納品されたAIイラストの第三者による無断使用は禁止できない
AI絵師が「AI使用」を秘匿して依頼を受けた場合の法的責任
AIを使用したイラストをコンペやコンテストに出品した場合の法的責任
第3章 イラストレーター・絵師はどうやって自分の利益を守るべきか
1. 自分の作品を機械学習に使用されない権利はあるか?
AIによる機械学習には人の描いたイラストを複製する過程が含まれている
著作権法には機械学習を適法化する規定がある
AIによる機械学習が違法となるケースとは
不正アクセス等を用いた機械学習行為
機械学習禁止を明記したサイトに掲載されたコンテンツの利用
作家の知名度・人気へのフリーライド
違法アップロードされたコンテンツの機械学習への利用
機械学習禁止の法改正には意味があるか
2. 自分の作風を学習したAIが出力したイラストに対して権利主張できるか?
著作権侵害が認められるための2つの要件
作品の創作的表現が似ている画像をAIが生成した場合は著作権侵害となる
画風や作風を模倣するAIイラストに対して作家は権利行使できるか
単に画風の模倣を超えて知名度へのタダ乗りとなるケース
イラストレーターによる権利行使が認められるケース・認められないケース
3. イラストレーター・絵師のオープン/クローズド戦略
イラストレーター・絵師のクローズド戦略
イラストレーター・絵師のオープン戦略
4. AIイラストとイラストレーターの「10年後」を考える
AIイラストが人間の作品のクオリティとオリジナリティを超える時
「AIイラストへの著作権付与」を行う技能職としてのイラストレーター
著作権付与型イラストレーターに求められる技能とは
「人間の手が加えられたこと」の証明が求められる時代が来る
水準以上の技巧や独創性を有するアーティストとしてのイラストレーター
人脈や影響力を利用するインフルエンサー
AIに「著作権」が与えられる時
- 言語日本語
- 発売日2022/11/8
- ファイルサイズ441 KB
登録情報
- ASIN : B0BLW4V74C
- アクセシビリティ : 詳細はこちら
- 発売日 : 2022/11/8
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 441 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- タイプセッティングの改善 : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 127ページ
- Page Flip : 有効
- Amazon 売れ筋ランキング: Kindleストア - 212,959位 (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- 法律入門 - 1,187位
- 法律 (Kindleストア) - 1,350位
- グラフィックデザイン (本) - 1,801位
- カスタマーレビュー:
著者について

中小企業の法律問題を専門的に取り扱っている弁護士です。もともとは東京で企業法務を扱う法律事務所に勤務していました。大手の食品メーカーや出版社なども顧問先になっている事務所です。そこで3年間働いた後、外務省の推薦を受けて国連機関で2年間働きました。緒方貞子さんが代表を務めていたことでも有名な国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)という機関です。そこでの任期が終わった後、2018年から長崎で「長崎国際法律事務所」という自分の事務所を開設しました。
自分の事務所での相談以外にも、「長崎県よろず支援拠点」という経営相談を行う公的機関で相談員も担当しています。よろず支援拠点は名前の通り、中小企業の経営にまつわる問題であれば何でも、何回でも、無料で相談できる機関です。また、「長崎県知財総合支援窓口」という企業の知財に関する相談を専門に扱う機関でも登録専門家として多数の相談を担当しています。
また、2020年に知的財産教育協会の認定する知的財産アナリスト(特許)の認定を受けました。ビジネス戦略の視点から知財を活用する方法をクライアント企業にアドバイスしています。
専門は知的財産、国際法務(英文契約書)、誹謗中傷・名誉毀損訴訟を含む企業法務一般です。中小企業向けの契約書や誹謗中傷対策のセミナーも複数回開催実績があります。
カスタマーレビュー
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日本からのトップレビュー
- 星5つ中3つ
参考になるがこれ一冊で断定は危険
2022年11月14日に日本でレビュー済み急激に発達し、法的な見解が少ない【AIイラスト分野】に関する日本の弁護士の意見が見れるので面白いです。
ただ「議論や判例が不足しており現時点での私的見解も交える」と前置きしつつも、言い切りが多いのが少し危うい印象を受けます。
例えばAI生成物の著作権に関しては、同じ知的財産を扱う柿沼太一弁護士の記事「Midjourney、Stable Diffusion、mimicなどの画像自動生成AIと著作権」とは見解が異なる部分が多く、弁護士間でも意見が割れている様子。本書を鵜呑みにした結果、著作権を侵害してしまった、なんてことになりかねませんので、そこは注意して読むべきでしょう。
また主な想定ケースが単純な命令入力、いわゆる「txt2img」に限られており、その複雑化やimg2はどうなのか?img2でもStrengthの強弱は?元絵を自作した場合は?inpaintは?――等々、AIイラストの様々なケースに対してはノータッチでした。弁護士側もまだAIイラストに関して情報が不足しているのかも。
ともあれ、例とした上げた別の弁護士の方と同様の見解もあるので、本書だけでなく他の弁護士の見解や今後の判例と照らし合わせ、「今はっきりしていること・していないこと」を洗い出すための一助にはなります。
イラスト/AIイラストに興味がある方は読んで損はないでしょう。
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