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本書のカバーに「『公害』は〈生きる上で不可欠な行為〉を介して人間のいのちと暮らしを蝕みます」とあります。人間が豊かな社会を求めて産業活動等を行ったことで、公害は起こりました。産業活動が悪ではなく、その適正な運用ができなかった人間社会のその時の限界が公害となったのですが、本書は誰にでも分かりやすく起きたこととそれが巻き起こした被害と対抗活動を追っています。公害は環境問題に収斂させられようとしています。環境問題はそれぞれ個別的で、加害・被害がはっきりしたこともあれば、はっきりしないこともあります。環境問題の秩序的解決を求める人々は、公害も含めて普遍的解決に統合しようとしてしていますが、それはとても乱暴な主張です。
「『時代の生き証人がいる短い時』はまもなく過ぎ去る。しかしだからと言って、それとともにこの歴史の一時期を想起することも〈自然に〉終わりを迎えると結論できるのだろうか」(2019アライダ・アスマン)と「想起することの意味を問うています。「公害」も「環境問題」もまだまだ「持続可能な開発のゴール」は見えていません。同時に「公害」も「環境問題」も「持続可能」も「開発」も検証される必要があるでしょう。本書はその一歩となります。
目をそらしたくなるが、そういうわけにもいかない。