インソムニア

劇場公開日:2002年9月7日

解説・あらすじ

「フォロウィング」「メメント」で注目を集めたクリストファー・ノーラン監督が、白夜のアラスカを舞台に描くサスペンスドラマ。1997年のノルウェー映画「インソムニア」をリメイクし、正義と罪の境界が揺らぐ男の心理を緊迫感たっぷりに描く。

ロサンゼルス市警のベテラン刑事ウィル・ドーマーは、少女殺害事件の捜査のため相棒とともにアラスカの小さな町へ派遣される。白夜が続く環境のなか、捜査は難航。やがてドーマーは霧の中での追跡劇の最中、誤って相棒を撃ってしまう。事故を隠そうとするドーマーは不眠症に悩まされながら捜査を続けるが、事件の犯人である作家ウォルター・フィンチにその事実を見抜かれ、危うい心理戦へと引きずり込まれていく。

主演はアル・パチーノ。共演にロビン・ウィリアムズ、ヒラリー・スワンクと、いずれもアカデミー賞を受賞している豪華キャストが集結。スティーブン・ソダーバーグ、ジョージ・クルーニーが製作総指揮に名を連ねている。

2002年製作/119分/アメリカ
原題または英題:Insomnia
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:2002年9月7日

スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0 「悪い警官は良心が眠らせない」

2024年3月18日
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鑑賞方法:DVD/BD
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すっかん

4.0 【”良心と罪の意識の狭間で。”今作は白夜のアラスカの小さな町で、不眠症になった刑事と巧緻な殺人犯との攻防と駆け引きを描いたサスペンスミステリーなのである。】

2026年6月4日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

■白夜のアラスカの小さな町で17歳の少女ケイの殴られた変死体が発見される。彼女の遺体は綺麗に拭かれ、爪も綺麗に切ってあったのである。
 翌日、ロス警察のウィル・ドーマー刑事(アル・パチーノ)が相棒のハップ刑事と応援にやってくる。ウィルたちはケイのバッグを使い、犯人をおびき寄せることに成功するが、深い霧の中で犯人を見失ったウィルは誤ってハップ刑事を射殺してしまうのであった。
 それを目撃した犯人は、その場から去るのであった。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・冒頭、衣類に血を落とすシーンがアップで映される。何だか分からないが、このシーンがウィル・ドーマー刑事自身の行為であり、彼自身を心理的に追い込んでいた事が、後半で明かされるのでのある。見事な導入である。

・アラスカにシーンは移る。ウィル・ドーマー刑事はハップ刑事とともに、17歳の少女ケイを殺害した犯人を追う。そして霧深き、湖に近い小屋で犯人を追い詰めるもドーマーは”誤って”ハップ刑事を撃ってしまうのである。
ー 斃れたハップ刑事が、今際の際でドーマーを見る眼が何とも言えないのである。”矢張り、撃たれた。”と見るか”俺を撃つ理由は分かっているよ。”と見るかは、観る側次第である。そして、犯人はそのシーンを見ており、ドーマー刑事にケイを常時殴っていた愚かしきボーイフレンド、ランディを犯人に仕立て上げようと誘うのである。-

・ケイを殺した作家W・フィンチ(ロビン・ウィリアムズ)も、不眠症であった。自分のファンであるケイにキスをした際に、突如笑われて逆上し、殴り殺してしまったのである。神経が参っていた事は明らかである。

■この作品が良く出来ているのは、ウィル・ドーマー刑事と、作家W・フィンチが同じ不眠症に掛かっており、作家が刑事を誘い、無実の愚かしき青年を犯人に仕立て上げようと誘う過程の描き方が、不眠症故のウィル・ドーマー刑事の朦朧とした意識の中で描かれて行く様である。
 そして、彼がロザンゼルスで且つて起きた、少年の惨殺事件の犯人が罪に問われなかった事で、犯人を捕らえる為に証拠をでっち上げた事が、朦朧とした彼の口から語られるシーンで冒頭のシーンの意味が分かるのである。そして、その証拠のでっち上げには、相棒のハップ刑事も関わっていた事も・・。

・だが、朦朧とした意識の中で、ウィル・ドーマー刑事はぎりぎり良心を保ち、作家W・フィンチを撃ち殺すのである。その場に駆け付けた彼を尊敬する町の新人女性刑事エリー(ヒラリー・スワンク)は、意識を失っていくウィル・ドーマー刑事が持って来た、相棒のハップ刑事を撃ってしまった弾丸を捨てさせないのである。

<今作は白夜のアラスカの小さな町で、不眠症になった刑事と巧緻な殺人犯との攻防と駆け引きを描いたサスペンスミステリーなのである。>

■今作は、クリストファー・ノーラン監督、31歳の時の衝撃且つ難解な第二作「メメント」と「ダークナイト」シリーズの間に挟まれ、評価が高くはない作品であるが、観賞すると、矢張り人間の良心と罪との狭間で揺れる心を持つ刑事を演じる、名優アルパチーノと、知性ある犯人を演じたコレマタ名優であるロビン・ウィリアムズとの駆け引きが面白いのである。
 今作の【人間の良心と罪との狭間で揺れる心を持つ刑事】が、ダークナイトシリーズで良心と悪の心の両面を持つ”トゥー・フェイス:ハービー・デント”に、深みを与えたのは間違いはないであろう。

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NOBU

4.0 丁寧な作りのサスペンス映画

2026年5月4日
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Fate number.9

3.5 インソムニア

2026年1月24日
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鑑賞方法:DVD/BD、映画館

2002年の劇場公開時に観ており、その後もTV放映やDVDで観ているが、今回はBlu-rayでの鑑賞。あれから23年が経ち、今や大監督になったクリストファー・ノーランだが、「フォロウィング ('98)」、「メメント ('00)」で俄然注目された直後で、製作総指揮がジョージ・クルーニーとスティーブン・ソダーバーグで、超大物俳優たちが競演する初のメジャー作品の監督として起用されたという格好だ
。その為、本作はノーラン監督作品の中で、唯一自身が脚本を手掛けていない映画である。にもかかわらず、オープニングのタイトルとサウンドトラック、そして荒涼としながらも美しいアラスカの氷河を俯瞰撮影しながら、ロスから派遣された主人公の刑事ウィル(アル・パチーノ)を乗せた飛行機が舞台となる田舎街に刻一刻と近付いていくこの導入部から完全に惹き込まれてしまい、ただならぬ映画監督としての力量を感じたものである。
陰惨な少女殺人事件がテーマになっているのだが、白夜のアラスカが舞台である為、日中と夜間の光線の差がなく、真夜中でも薄暮の状態であり、この手の映画に不可欠な闇のシーンは登場しない。逆に雄大で美しいアラスカの景観がフィルムに収められいる。この舞台設定故に、体内時計が狂い不眠症に陥ったウィルが、過去の秘密、誤射により同僚を射殺してしまったにもかかわらず、その事実を誰にも告げられずに、真犯人に罪を擦り付けてしまい、これが原因で神経衰弱に陥っていく。夜に闇が訪れない為に、却って心の闇が深くなっていく。何が善で何が悪なのかすら分からなくなり、その境界線が曖昧になっていく。ウィルの弱みを握った知的な真犯人ウォルター(ロビン・ウィリアムズ)から別の容疑者を仕立て上げる計画を持ち出される辺りになると、主人公ウィルの善と悪との葛藤が凄まじく、映画を観ているこちら側も同じく善と悪との狭間で揺れ動くことになる。
救いはパチーノにとって最期の晩となるホテルの女主人(モーラ・ティアニーの存在感がよい)との会話のシーンであり、最後は悪と戦い抜くことになる。
ウィルの罪と過ちを見抜いていた女性警官エリー(ヒラリー・スワンク)が証拠を捨て去ろうとした瞬間に、これを止めさせ、自分と同じむじなに陥りかけたエリーに「道を見失うな。」と言って息絶えるパチーノの演技が光る。
アル・パチーノ、ロビン・ウィリアムズ、ヒラリー・スワンクの三大俳優の存在感と演技が素晴らしいのだが、前記ティアニーを含めたこの映画の多くのキャラクターを演じた脇役の俳優たちもなかなか見事だった。

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ナオイリ