不動産バブル崩壊の負の影響
3月27日、時価総額で世界最大の中国工商銀行(ICBC)は2023年通期の決算を発表した。同行の収益性は、住宅ローンの焦げ付き増加などで低下した。
5大国有銀行の一つである中国交通銀行の副社長は決算会見で、不動産企業の資金繰りが改善するには時間がかかり、関連分野の債権など資産の価格下落圧力は高まるという旨の「警告」を発した。
不動産バブル崩壊の負の影響は、中小の銀行にとどまらず大手の国有銀行にも徐々に波及しつつある。中国建設銀行は、大手デベロッパー“世茂集団(シーマオ・グループ)”の清算を香港の裁判所に申し立てた。国有銀行でさえ、不動産企業のリスクは危険水域に近付きつつあるようだ。
それでも、3月下旬、中国政府は銀行に不動産向けの融資を増やすよう要請を強めた。国有銀行などは当局の方針に従わざるを得ない。そうした状況下、中国政府は供給力の強化を優先している。
世界市場での中国企業のシェア拡大を目指しているはずだが、福祉政策の拡充などは限定的で、国民の節約志向は変わらないだろう。今後も、資産価値の下落、資金需要の低迷によって、中国経済の低迷が続きそうだ。
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