コンテンツにスキップ

床版

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

床版(しょうばん)とは、橋の床構造の一部分である。

役割

[編集]

橋梁の床面に載る荷重(車両や人など)は床構造から主桁、支承、基礎、地盤へと通じる[1]。一般にこの床構造は床版と床組によって構成される[2]。床版は荷重を直接受ける役割を担う[2]。その下に位置する床組は床板を直接支え、床板から受けた荷重を主桁に伝達する役割を持つ[2]。

床組は縦桁と横桁によって構成されるが、床版は細長い形状をしていることが多いため、床版の中央に載荷された荷重は主に縦桁に伝わる[3]。

構造

[編集]

床版は縦桁の上に載せられ、薄板状をした構造物である[4]。水の浸入は床版に大きなダメージを与えるため、床板の上面には防水層が敷設される[5]。道路橋では防水層の上に30 - 80 mmのアスファルト舗装が設置される[4]。床版の両側には地覆や高欄、防護柵が設けられる[2]。

種類

[編集]
主桁の上に設置された床版

上部構造の形式や架設地点の状況などにより使い分けられている[6]。

劣化

[編集]

コンクリート床版

[編集]

コンクリート床版で見られる損傷として、ひび割れ、遊離石灰の析出、コンクリート片の剥落、床版上面のコンクリートの土砂化、コンクリート塊の抜け落ちがある[8]。これらの損傷の要因は以下の要因と考えられる。

  • 疲労劣化[9]。重車両の繰り返しの走行によるひび割れや、雨水などの浸入で促進される[9]。軸重20t車1台の走行が床版に与える影響は、一般的制限値である軸重10t車約4,000台の走行に相当すると考えられている[10]。そのため、橋梁の保全のために道路管理者による過積載車両の取締が実施される[10]。

脚注

[編集]
  1. ↑ 倉西茂・中村俊一 2018, p. 9.
  2. 1 2 3 4 倉西茂・中村俊一 2018, p. 10.
  3. ↑ 倉西茂・中村俊一 2018, p. 188.
  4. 1 2 「橋梁と基礎」編集委員会 2016, p. 61.
  5. ↑ 「橋梁と基礎」編集委員会 2018, p. 61.
  6. ↑ “床版”. 鋼橋技術研究会. 2021年1月2日閲覧。
  7. 1 2 3 倉西茂・中村俊一 2018, p. 190.
  8. ↑ 「橋梁と基礎」編集委員会 2016, pp. 62–63.
  9. 1 2 3 4 5 6 「橋梁と基礎」編集委員会 2016, p. 63.
  10. 1 2 “道路法第47条第2項違反者(重量超過車両)の告発について”. 独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構 中日本高速道路株式会社 名古屋支社 (2024年6月24日). 2024年12月8日閲覧。

参考文献

[編集]
  • 「橋梁と基礎」編集委員会『初心者のための橋梁点検講座 橋の点検に行こう!』(初版)建設図書、2016年4月1日。ISBN 978-4-87459-219-9。 
  • 倉西茂・中村俊一『最新橋構造』(第3版)森北出版、2018年11月30日。ISBN 978-4-627-43023-5。