湿度99%
最終エピソード掲載日:2026/06/19
「オカルトで片付けるのは、データが集まらなくなってからだ」
格安の事故物件(前の住人が孤独死)に引っ越して以来、俺――大学生の高瀬は、奇妙な現象に悩まされていた。毎晩、深夜二時四分になった瞬間、部屋の気圧も温度も変わらないまま、室内湿度が一瞬で「99%」に跳ね上がるのだ。眼鏡は白く曇り、部屋中の書類がじっとりと濡れそぼる異常事態。普通の人なら怯えて逃げ出す怪奇現象。だが、環境科学を専攻する理系脳の俺は、恐怖よりも先に疑問を抱いた。
――水分子(H2O)は何もない空間から突如として発生しない。必ず供給源(ソース)がある。研究室から持ち込んだ高精度センサーと熱源カメラを部屋中に張り巡らせ、怪異の「データ化」を試みる俺。しかし、解析されたログが示したのは、あまりにも凄惨な過去の記録と、科学では説明のつかない【致命的なバグ】だった。これは幽霊の呪いか、それとも――。湿度計の数値が、暴かれる最悪の真実に向かってカウントアップを始める。
(※全5話の短期集中連載です。最後までお付き合いいただければ幸いです)
格安の事故物件(前の住人が孤独死)に引っ越して以来、俺――大学生の高瀬は、奇妙な現象に悩まされていた。毎晩、深夜二時四分になった瞬間、部屋の気圧も温度も変わらないまま、室内湿度が一瞬で「99%」に跳ね上がるのだ。眼鏡は白く曇り、部屋中の書類がじっとりと濡れそぼる異常事態。普通の人なら怯えて逃げ出す怪奇現象。だが、環境科学を専攻する理系脳の俺は、恐怖よりも先に疑問を抱いた。
――水分子(H2O)は何もない空間から突如として発生しない。必ず供給源(ソース)がある。研究室から持ち込んだ高精度センサーと熱源カメラを部屋中に張り巡らせ、怪異の「データ化」を試みる俺。しかし、解析されたログが示したのは、あまりにも凄惨な過去の記録と、科学では説明のつかない【致命的なバグ】だった。これは幽霊の呪いか、それとも――。湿度計の数値が、暴かれる最悪の真実に向かってカウントアップを始める。
(※全5話の短期集中連載です。最後までお付き合いいただければ幸いです)