どのような子どもにT2で支援するのか? 第0ステップ
まず、設定を書いておきます。 低学年でも中学校でも使えるように小学校4年生の子どもに設定します。
4年2組のよし君。家庭環境がよくなく、愛着が形成されていないので、大人全般に不信感を抱いている。その結果、発達に凸凹(見る力のどこかに弱さがある)が起こってしまい、算数が苦手。対人面も弱い(状況把握が弱い・表情が読めない)。
勉強は、できるとこだけはする。そのあとは立ち歩いたり、先生に暴言を吐いたり、授業中でも、クラスの翔君とよくトラブルになる。
そこで、新たに支援者(T2)として、村内先生が4年2組に入ることになった。
1.第0ステップ
T2が教室に入る方法室を書く前に、教室に入り込みをする以前にしておいたいいことを少し書きます。
愛着の形成は、1対1が原則です。でも、教室に入ると1対1になりにくくなります。支援を必要とする子どもが、他にもたくさんいるからです。だから、事前に取ることが可能だったら、1対1の時間を取った方がいいのです。
つまり、教室で関わる前に、前もってある程度愛着を作って置く方が、教室での関わりはやりやすくなるということです。前回書いた愛着を形成する5つの方を、実践すればいいでしょう。

それから、T2になって教室で支援を開始すれば「あの遊んでくれた、いい先生が助けに来てくれた」と子ども思うので、第1ステップを飛ばして第2ステップから、T2の支援が開始できることもあります。
2.よし君の例で、セリフを中心に具体的に書きます
「よし君は、オセロが好きだ」という情報を得ました。明日から、よし君の支援のためにT2として入る予定です。今日は、担任の先生に頼んで、5時間目の音楽の時間を「よし君と遊ぶ時間」にしてもらいました。
村内先生は、オセロを一夜漬けで研究してきて、準備万端です。
先生「よし君、こんにちわ。先生は村内といいます。少し、お話してもいい
ですか?」
よし君は、黙って怖い顔で村内先生をにらんでいます。何が始まるか、わからないからです。大人は、ろくなことを言ってこないからです。
先生「そうだよね。急に、相談室で二人きりになって、話しかけられても、
よく分からによね(「想像」)。実は、今日は、お願いがあります。い
いかな?」
よし「・・・」
先生「よし君は、オセロが好きで強いと聞いています(「褒める」)。だか
ら、この時間は村内先生と勝負し欲しいんです。時間があれば、3番勝
負くらいしましょう。」
よし「いいよ。オセロなら。やる。」
先生「ありがとう。やってくれるんだね(「共感」)。よーし頑張るぞ。大
人だから、4年生なんかに負けられないからね。」
そう言いながら、村内先生は良くんの手を取って握手しました。よし君は、いい顔になりました(「スキンシップ」)。
よし「もう1回やって。気持ちいい。」
村内先生はもう1度よし君の手を取ると、さっきよりも激しく手を振りました。よし君の顔が緩みました。
そして、オセロを出して、試合が始まりました。
先生「白黒、どっちらにする?好きな方を選んでいいよ。」
よし「白」
先生「白、白がいいんだね(「共感」)。わかった。じゃ、本当は黒が先手
だけど、よし君がオセロをしてくれたから、先手か後手かも選ばせてあ
げよう。先手が先で、後手があとだよ。」
よし「先手。」
村内先生が「分かった」と言って、オセロが始まりましたが、よし君はそんなに強くありませんでした。だから、村内先生は「オセロは、数取りゲームじゃなく場所取りゲームだよ」とか「真ん中に固まって、相手に周りを囲ませると有利だよ。」とか、昨日の夜にわか勉強してきたこを教えてあげました。
村内先生の配慮で、試合2勝1敗でよし君が勝ちました。
先生「どう、面白かったですか?」
よし「面白かった。」
先生「それは良かった。こちらこそ、オセロに付き合ってくれてありがと
う。どう、オセロをしてくれる村内先生は、いい先生だと思う(「いい
人アピール」)?」
よし「思う。」
村内先生は、大喜びしながらよし君の両手を持ってXにして、握手をしました。よし君は、ニコニコ笑いながら、教室に帰っていきました。
先生「またね。バイバイ!」
よし「バイバイ。」
これで、明日、教室に入り込みをしたら、覚えていてくれて支援がしやすくなっていることでしょう。
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