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身内に美容師がいるとラク~

髪の毛がモサモサになって見た目のむさ苦しさが増してきたので美容院に行ってきた。

ここ一年くらいは永遠の兄貴である的場浩司さんに憧れて、サイドをバリカンで刈りこんでトップにボリュームを持たせてヘアゴムで縛ってまとめている。

しかしこのヘアスタイルはサイドの髪の毛が伸びてくると出来の悪い盆栽みたいになるので、マメにカットに通わなければならない。

もう何度も書いているが、私の弟が美容院を経営しているので髪の毛の事は完全にお任せである。

弟が言うにはこのヘアスタイルを維持するには月に一度はカットに来ないと駄目だよと言われるが、お互いが忙しかったりうまく予約が取れなかったりして何だかんだで今は二か月に一度のペースでお世話になっている。

今日も閉店間際の通常ならお客さんお断りの時間に予約をねじ込んでくれた。

私しかお客がいないのでお店のスタイリストさんたちには先に仕事を上がってもらうのがいつものパターンである。

お店に行くと弟がパソコンで予約状況のチェックをしていた。

悪い、すぐ終わるからと言うので別に急いでないからミスや漏れが無いようにしっかり入力してと言って待合スペースでビールの特集をしている雑誌のページをパラパラとめくってゴクリと喉を鳴らす。

五分くらいしたら、よっしゃお待たせ!と言われたのでそのままいざなわれるようにカット台に座って眼鏡とマスクを外す。

すぐにケープをかけられて、さて今日はどうするん?と質問される。

私はまだまだ暑いのでいつもよりサイドの刈り上げを短くしてほしいと伝える。

あんまりやり過ぎるとソフトモヒカンみたいになるよと言われたので、それだと世紀末救世主に秘孔を点かれて、あべしとなりそうだったので何となくイイ感じに短くしてととってもファジーなお願いをした。

難しいこと言うね~と私の無茶ぶりに対してぼやきつつも自分の中でプランが決まったのかバリカンを手にブイーンと音を立てながらサイドをバッサバッサと刈りこんでいく。

私はド近眼なのでもうこうなるとまな板の上の鯉で全てを委ねるしかない。

両サイドを刈り終えたら襟足にもバリカンが入った。

おお、今日は大胆だなぁと思っているとバリカンでの刈り込みは終わってハサミで前髪やトップの髪をカットしていく。

バリカンを使っている時は会話が出来ないので、カット中のこの時間帯が貴重なトークタイムである。

とはいえ兄弟だし、先月にも顔を合わせているので目新しい話題は特には無い。

かといって黙って寝たふりをしているのももったいないので、私の方から話題を振る。

今日はお盆休みの事と甥っ子と姪っ子は帰省できそう?という無難な話題のジャブを繰り出した。

う~ん、どっちも社会人だからそう簡単には予定が合わないんじゃないかなと素っ気ない答えが返ってきた。

そこで、最近弟が興味津々なブレイキングダウンという格闘技イベントの話を振ってみるとこれには食いついてきて、そこから総合格闘技やプロレスの話題になった。

弟は私の影響でプロレスファンになった経緯があり、昔地元の町でプロレス興行があった時には二人でよく観戦したものである。

その当時は年に一回ずつ新日本プロレスと全日本プロレスが巡業でやって来てくれていたのでそれが楽しみで仕方が無かった。

全日本プロレスをリングから近い席で観戦した時に目の前で場外乱闘が繰り広げられて暴れまわるスタンハンセンのド迫力に本気でビビったものである。

弟もその試合の事はよく覚えており、たまにこの話題になるとそこから懐かしの平成初期のプロレストークに花が咲く。

あれはああだった、これはこうだったと話している間にもショキショキとハサミを動かす手を止めることは無いのでいつの間にかカットが終わっている。

私が話題を振ったようで実際には相手の手のひらで転がされている感じがいかにもプロの美容師の話術だなといつも感心する。

シャンプー台で髪を洗ってもらって、サービスで眉毛カットまでしてもらってドライヤーの後でヘアワックスで髪のセットまでしてくれる。

美容院の後はすぐに帰宅するのでセットは必要ないのだが、かっこよく見えるやり方を教えてくれるので勉強になる。

髪を束ねるのにしても私は一つ結びが基本だが、アレンジをしてもらうとタレントさんみたいになって、あれ?結構イケてると勘違いしそうにはなる。

はい、お疲れと言ってケープを外すして施術は終了。

ここで初めて眼鏡をかけて仕上がりをチェックすると、普段より刈り上げの角度がちょっとだけ鋭く自己主張がほんの少し強め。

いいじゃんと言うと、プロですからと軽口が帰ってくる。

レジで支払いをしようとするといつも家族割りで格安の値段を請求してくる。

ずっとお値段が据え置きなので、物価高なんだからもっと取れよと言うと身内から儲けても意味ないでしょと切り返される。

そこで私はいつもほんのちょっと色を付けた金額を支払ってお釣りは決して受け取らない。

しょうもない兄貴の見栄だが、それを受け入れてくれる弟が可愛い。

ありがとなと言って、お店を出て真っ直ぐ帰宅。

先に帰っていた妻に今回の仕上がりはどう?と言ってクルリとその場で一回転すると髭男爵のひぐち君成分40%、的場浩司さん成分60%というなかなかの高評価を頂いた。

随分すっきりしたので頭がジョリジョリして非常に涼しくて快適である。

いつも私の思い付きで頼むヘアスタイルをちゃんと仕上げてくれる弟に感謝である。

やっぱり二か月に一度くらいは通おうと改めて思ったのであった。

これで酷暑もなんとかかんとか乗り切れそうである。

弟よいつもありがとうね。

この夏中にビアガーデンに行こうぜ!

財布なんて持ってくんなよ。


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