【長編小説】【リードの冒険譚】【02:女帝蜂の砦】《01》
【長編小説】【リードの冒険譚】【02:女帝蜂の砦】《01》
三題噺:次/リンガ/形見
「ねー。次はどこ行くのー?」
「んー?サーモさんが教えてくれた街。『リンガ』だぞ」
「なんでー?」
「コイツの手がかりになるかな?って」
俺は剣の柄に繋げている紐飾りを手に取り、歯車の形のギミックをクウェスに見せる。
「おじいちゃんに貰ったやつだっけー?」
「そうだぞ。世界中にある遺跡に関する物みたいってことまではじいちゃんも解析したんだけど。逆に言えばそこまでしかわかんなかったみたいで。んで亡くなる前に俺にくれたんだよ。『やる。謎はお前が解いてみろ』つって」
ははは。と笑いながらそう答える。
クウェスはなんだか複雑な表情だな。
笑顔と寂しそうなのと、懐かしそう。
難しいな、なんとも言えない表情だな。
「なんか、あるのか?大丈夫か?クウェス」
思わず声をかける。
ハッ。と下を向きかけていた顔を上げて、俺を見る。
すぐににこやかな笑顔を浮かべて。
「んーんー。大丈夫ー。なんだか少しだけ、なにか思い出せそうな感じがしたんだけどー。消えちゃった」
「消えた?」
「うんー。掴もうとしたら、スルって手のひらから逃げるような感じ。伝わるかなー?」
「おう。ウナギスみたいな感じだろ?」
「うんー。そうなんだけどー。なんかちょっとヤダな。美味しいけど。ぬるぬるしてるし。見た目は可愛くないし……」
「まぁヌルヌルしたヘビみたいなもんだもんな」
ふたりで顔を見合せて笑いあった。
お腹すいたねー、なんて言い合う。
「ねね。どんな街かなー?」
「どうだろ?奥に森があって、その森には遺跡がある、くらいのことしかわかんないからな」
「美味しい食べ物、あるかな?」
「あるさ。だいたいどんな場所にもご当地グルメってあると思うからな」
「甘ーいの、食べたいねえー」
ステイ。ヨダレはステイだ、クウェス。
「そうだな。着いたらまずは!なんか食べような」
「うふふー。はやくはやく。よし!リード、競走ー!」
「しないって。疲れるし余計に腹減るだろう?」
「えー。知らないのー?リード」
「なにを?」
「空腹はー、最高のスパイスなんだよー?」
「クウェスは甘いデザートにスパイスかけるのか?」
「まずはメインからだよー」
「ふむ……。あ!アレなんだ?!」
俺はおもむろにクウェスの後ろを指さす。
「え?なになにー?なんかあるのー?」
クウェスは途端に後ろを振り向いた。
「隙ありッ!」
俺はクウェスが後ろを向いた隙を突いて、走り出す。
「あー!ズルーい。待てー!」
ふたりの行く先には、活気のある街が待ち構えていた。
