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山岳フリマ 毎週ショートショートnote

山岳地帯に住んでいると浮き世は忘れ、仙人にでもなったような気がするが、そこはただの人間。腹も減るし、酒も飲みたい。
一緒に住んでいる女は妻ではないが、のような存在だ。
彼女は山で荷物を運ぶ『歩荷ボッカ』として日銭を稼いでくれている。都会育ちのひ弱な私は家事をこなすのが精一杯。

彼女によると近く麓の村で『山岳フリーマーケット』が3日間限定で開かれるとか。彼女は山の恵みには詳しい。食べられる植物についてのレクチャーを頼まれたそうで多額のお礼があるそうだという彼女の報告。
私はもろ手を挙げて賛成したが、彼女はあまり気乗りがしない様子。
冬も近いからと私は熱心に勧めた。彼女はようやく頷いたのだ。

しかし、私は彼女に今回の仕事を勧めたことを後悔することになった。
彼女は仕事のために下山したが、そのまま二度と帰ってはこなかった。
山岳フリマが開かれることは無かったが多額の送金があった。
私は彼女を売ったような気がして泣き崩れるしかなかったのだ。



410(ルビは含みません)

歩荷……重い荷物を背負って山へあげること。また、それを職業とする人。

たらはかにさんの今週のお題『山岳フリマ』です。よろしくお願いいたします。
説明不足の記事になったような気もしますが、皆様の想像力に期待いたします💦


#毎週ショートショートnote
#山岳フリマ
#小説