ブランコの思い出 シロクマ文芸部
風が吹く日、ブランコを立ち漕ぎするのが大好きだった子供の頃。
特に強めの風の日が最高だった。
風に向かって立ち漕ぎをすると、まるで私は強い風を纏った悪の軍団に立ち向かっている英雄のような気がした。
そして、悪の軍団を打ち破った私はご褒美にと雲に乗せてもらえる。私のシナリオではそうなっていた。
私に雲に乗れる許可を与えてくれることになっていたのは誰だったのかな。
お姫様か王子様だったか。白い髭のおじいさんだったか、はたまた赤い帽子の小人さんか。
どちらにせよ多分その頃読んだ『ノンちゃん雲に乗る』から大きな影響を受けたのだと思う。
けれども私は一度も雲には乗れなかった。
他にも思い付きで考えた幾つかの物語の中で遊んだ。一人芝居の世界は誰にも邪魔されず自由に遊べたがやはり、物語が終了することは無かったが。
「めいちゃん、今度は私よ」
その一言で現実に戻されたから。
当然、強風の日にブランコを漕ぐどころか、外で遊ぶことは禁じられていたがダメだと言われると、増々やりたくなるもので…。ソワソワと落ち着かないこともあった。
小学生の頃は一人でいる時はブランコを漕いだ。思う存分。小学校を卒業した日、ブランコにお礼を言った。そして、私は思い残すこと無く中学生になった。
私の夢の背景を創り出してくれたブランコ、改めてありがとう。
歳を重ねた今だからこそ幸せで懐かしい思い出の一つとして何度も繰り返し味わっています。
出来れば、あの頃の想像力、今こそ欲しいと思うこの頃ではあります。
了 626文字
小牧幸助部長の今週のお題 『風が吹く』から始まる私のブランコの思い出です。
よろしくお願いいたします。
