鏡顔|毎週ショートショートnote
この鏡を見ると、顔が映る。自分の顔だったり見知らぬ顔だったり。この鏡は何なのかは不明。
この鏡があるのは、ある博物館。
開館当時から既にあったと言われるが資料は残っていない。
その鏡の装飾品だけでも博物館に展示される価値はある。タイトルプレートには、鏡顔と書いてある。
ある日突然、鏡が割れた。ひとりでに。
その時、セールスマンと思しき男が現れた。
「長い間のレンタル感謝致します。私はこう言う者です」
差し出した名刺にあったのは日本語では無かった。と言うより、見た事も無い文字。
「この文字はどこの国のものですか」
尋ねたのは学芸員。
「インダス文字です」
学芸員は驚きを隠せない。
「インダス文字は未だに解明されていません」
その男は息を飲む。
「ではこの鏡の使い方の説明書も理解できないままか」
男は割れた鏡を寄せ集めた。
「残念です」
そう言い残し、彼は割れた鏡の中に入り鏡共々姿を消した。
「何なんだ、誰か説明してくれ」
学芸員の声が大きく響いた。
『本作品はamazon kindleで出版される410字の毎週ショートショート~一周年記念~ へ掲載される事についてたらはかにさんと合意済です』
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たらはかにさんの企画です
