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もし一つだけ、自分を縛るものを選ぶなら、なにを選ぶでしょう?

私たちは、誰かに縛られることを嫌う。

それなのに、自分から進んで「制約」を受け入れることもある。

では、どんな制約なら、人は喜んで受け入れられるのだろうか。


この世界には、たくさんの「縛り」があります。

法律、道徳、会社のルール、社会の慣習。

それらを守る人もいれば、破ろうとする人もいる。

でも、少し考えてみると、

私たちは本当に「ルールを守ること」が好きなのでしょうか。

法律を守るのは、違反すれば罰を受けるから。

会社の規則に従うのは、破れば仕事を失うかもしれないから。

社会の常識に合わせるのは、周囲との関係を壊したくないから。

つまり多くの場合、

ルールそのものが好きだから守っているわけではない。

守ることによって得られるものが、破ることで失うものより大きいからです。

では、

罰則もない。

監視する人もいない。

誰かに命令されるわけでもない。

それでも、自分から受け入れたいと思える「制約」はあるのでしょうか。

その答えを考えるために、今回はタロットを3枚引いてみました。

世界、死神、ソードの7。

世界、死神、ソードの7。

世界――その先に、期待できる未来がある

「世界」は、完成や到達を象徴するカードです。

でも「自分を縛るもの」というテーマで考えたとき、私が最初に思ったのは、

未来への期待でした。

私たちは、毎日の生活の中で、意外と多くの自由を自分から手放しています。

貯金することは、今使えるお金を減らすこと。

勉強することは、遊ぶ時間を減らすこと。

運動することは、好きなものを好きなだけ食べる自由を制限すること。

早く寝ることは、夜更かしする自由を手放すこと。

それでも続けられるのは、

「今の制限によって、未来はもっと良くなる」

と信じているからです。

かつての日本のバブル期にも、人々は未来への強い期待を持っていました。

土地や会社の価値は上がり続ける。

収入も生活も、これからさらに良くなる。

もちろん、その期待が永遠に続くことはありませんでした。

だからこそ「世界」がここで示しているのは、

「未来は必ず良くなる」ということではなく、

「自分が信じたいと思える未来があること」

なのだと思います。

未来に何の期待も持てないなら、

今の自由を手放してまで何かを続ける理由もありません。


死神――その制約によって、本当に何かが変わるのか

ただ、未来への期待だけでは足りません。

私たちは、ときどき「努力している感覚」そのものに満足してしまいます。

毎日勉強する。

毎日運動する。

毎朝早起きする。

毎日計画を立てる。

けれど、一年後に振り返ってみたら、

何も変わっていなかった。

そんなこともあります。

死神は、単純な「終わり」ではなく、

古い状態を終わらせ、新しい状態へ移ること

を象徴するカードです。

だから、このテーマにおける死神は、

「その制約には、現実を変える力があるのか?」

という問いなのだと思います。

毎日一時間勉強しても、何の能力も身につかないなら。

毎日運動しても、健康状態が何も変わらないなら。

毎日仕事を頑張っても、自分の選択肢が増えないなら。

その制約は、ただ自分を疲れさせているだけかもしれません。

大切なのは、

「今日は何を我慢したか」ではなく、
「その我慢によって、明日の自分がどう変わったか」。

制約には、変化が伴って初めて意味が生まれるのです。


ソードの7――最終的に、自分が得をするのか

最後は、ソードの7。

このカードには、策略や選択、そして「自分の利益を考える」という側面があります。

ここから見えてくるのは、とても現実的なことです。

人は、結局のところ、自分にとって何が得なのかを考える。

もちろん、「得」とはお金だけではありません。

自由かもしれない。

能力かもしれない。

安心感かもしれない。

達成感かもしれない。

あるいは、

「こんな自分になりたい」

という感覚そのものかもしれません。

例えば、毎日ピアノを練習するとします。

今の自分から見れば、その一時間はゲームや動画を見る時間を失うことになります。

でも、

「この一時間によって、未来の自分は今できないことができるようになる」

と信じられるなら、

その一時間は「奪われた自由」ではありません。

未来の自分を買うために、自分から支払っているコストです。

だからソードの7が示しているのは、

「その制約によって、自分自身が最終的な受益者になれるのか」

ということなのだと思います。


もし一つだけ、自分を縛るものを選ぶなら

3枚を並べると、かなり明確な答えが見えてきます。

世界――その先に、期待できる未来がある。

死神――その制約によって、現実が本当に変わる。

ソードの7――そして、その変化によって自分自身が利益を得る。

だから、もし私が一つだけ、自分を縛るものを選ぶなら、

「ルール」ではなく、

「実現したい未来」

を選びたいと思います。

なぜなら、目標がはっきりすれば、

必要な制約は自然と決まってくるからです。

もっと健康になりたいなら、食生活を制限する。

ある技術を身につけたいなら、自由な時間を減らす。

もっと多くの選択肢が欲しいなら、今の消費を抑える。

なりたい自分が決まれば、

「何をしなければならないか」だけでなく、

「何をしないのか」

も見えてくる。

そう考えると、

本当の意味での自律とは、

「自分をどうやって縛るか」ではないのかもしれません。

むしろ、

「どんな未来なら、私は喜んで今の自由の一部を手放せるのか」

を決めることなのではないでしょうか。

私たちが本当に従いたいのは、

制約そのものではない。

その制約の先にある、

「自分が手に入れたい未来」なのだと思います。


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