哲学×創作論⑫【感動ってなんだろう?】
ゲームシナリオライターの文ノ字です!
AIと哲学を議論して、創作論を紡ぎだす!
今回のテーマは【感動】についてです。
人が感動する時、その不思議を探っていきます。
はじめに
「言葉にしなくても伝わる」——そんな瞬間を、誰もが経験したことがあるのではないでしょうか。
本記事では、その“言葉になる前のやりとり”を「裏のコミュニケーション」と呼び、私たちの創作や人間関係にどのような影響を与えているかを紐解いていきます。
そして、この裏のコミュニケーションこそが“感動”なのです!
第1章:ふたつのコミュニケーション——言葉と気配
日常のコミュニケーションには、次のような2種類があります。
表のコミュニケーション:言葉・文字・ジェスチャーなど、目に見える形のやりとり。
裏のコミュニケーション:感情・気配・表情など、はっきりとは見えないけれど、なんとなく伝わるもの。
たとえば、友人が黙ってうつむいたとき、「あ、落ち込んでるな」と感じた経験はありませんか? それは言葉ではなく、裏側の“気配”をキャッチしている証です。
第2章:なぜ伝わる?——人類が共有する「深い感覚」
この「言葉じゃないのに伝わる」感じは、心理学者ユングが言う集合的無意識とつながっています。
これは、人間が生まれながらにして持っている“共通の心の奥底”のようなもの。文化が違っても、世界中に似たような神話や物語があるのは、私たちが同じ“深い感覚”を共有しているからかもしれません。
裏のコミュニケーションは、そんな「共通の感覚」を通じて成り立っているのです。
第3章:物語にひそむ“共鳴の型”——なぜ似た話が生まれるのか
多くの国や時代に、「勇者が困難を乗り越えて成長する話」や「禁じられた世界に踏み込む話」が存在しています。
これを説明するのが、物語の普遍構造という考え方です。
たとえば:
映画『千と千尋の神隠し』と『アリス・イン・ワンダーランド』
神話の英雄たちと、現代のスーパーヒーロー
ストーリーは違えど、根底にある「人が変化し、成長する旅」という構造は共通しています。
これも裏のコミュニケーションが「形」として物語に現れている例なのです。
第4章:「愛」や「魂」はなぜ説明しにくいのか?
『愛』や『魂』という言葉は、意味がふわっとしていて説明が難しいと感じたことはありませんか?
それは、それらが言葉よりも先に感じるものだからです。
たとえば、言葉を持たない赤ちゃんが母親を安心させる笑顔を見せたとき、「ああ、ここに愛がある」と感じたことはありませんか? そこにあるのは、説明ではなく感覚です。
だからこそ、『愛』や『魂』は定義するよりも、「感じさせること」が大切なのかもしれません。
第5章:感動する物語は“言葉にならないもの”を描く試み
物語には、台詞や説明を超えた“空気感”や“気配”が重要です。
たとえば——
登場人物が言葉を飲み込んで、ただ静かに涙を流す場面。
それを見た読者は、なぜか胸がしめつけられる。
これが「裏のコミュニケーション」による共鳴です。
物語とは、単なる情報伝達ではなく、「語らずとも伝わること」を描く装置なのかもしれません。
おわりに
『魂』や『愛』、そして『感動』といった、言葉では捉えきれないテーマこそが、人間の物語の中心にある。
それらを表現するには、説明するよりも、感じさせ、共鳴させることが求められます。
感動させる創作とは、こうした“言葉になる前の世界”をどう描くかという挑戦なのです。
