義姫を悪女で終わらせないなら、最初にどの立場を置くか
義姫を、悪女で終わらせたくありません。
ただし、優しい母として描き直したいわけでもありません。
義姫には、同時に三つの立場がありました。
政宗の母。
最上の娘。
伊達の正室。
どれか一つだけを置けば、義姫は分かりやすくなります。
けれど、最初にどの立場を置くかで、同じ言葉も沈黙も、違って見えてきます。
母から読む
母として見れば、義姫は政宗の才気だけでなく、その危うさも知っていた人になります。
家臣には頼もしさに見える強さが、母には引き返せなくなる性分に見えることもある。
息子を愛することと、息子の決断を無条件に信じることは、同じではありません。
最上の娘から読む
最上の娘として見れば、義姫は伊達だけを見ていればよい人ではなくなります。
嫁いでも、生まれ育った家の記憶は消えません。
伊達が強くなることを喜びながら、その強さが最上との関係をどう変えるかも考えなければならない。
義姫の中には、伊達と最上の境目がありました。
伊達の正室から読む
伊達の正室として見れば、義姫が案じたのは政宗一人ではありません。
家臣。
兵。
米。
境目。
政宗が勝つことで伊達家全体がどこへ進むのかを見なければならない立場でした。
母として進ませたくなくても、正室として進ませるべき時がある。
その逆もあります。
義姫を悪女か慈母かで決める前に、まず一つだけ選んでみたいと思います。
あなたは、義姫をどこから読みますか。
母。
最上の娘。
伊達の正室。
一つだけ、置いてください。理由はなくて大丈夫です。
義姫を三つの立場が同時にある人物として、もう少し深く読むなら、こちらへ。
「義姫は、政宗を愛するほど、無条件には信じられなかった」
次は主従へ移り、小十郎が政宗を止めるのではなく、なぜ退き口を残そうとしたのかを読みます。
このnoteでは、若い政宗を、父、母、家臣、妻、敵、土地のそれぞれから追っています。
