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【詩】ふたりだけの夜



ベガが不気味な色をして光り
満月はにっこりとしながらこちらを見ている

この世界には
君と僕しかいないと思うような夜の静けさ

宇宙はとても壮大だ
そう思うことで
ほんの少し優越感に浸る

実際には
地球には80億の人間がいて
生と死を繰り返している

君と僕だけじゃない
それでも
ふたりだけで生きてみたいと願った

誰もいない場所なんてあるのだろうか
ふたりきりになっても
愛は永遠なのだろうか

薄い雲は
僕たちの感情とともに流れてゆく
蒸し暑いのはどうも苦手だ

それでも
君の手はあたたかくて
地球が回っている音まで
聞こえそうなほどに 夜はしんとしていた

誰かが作った星座の線を
僕らの物語みたいに思いながら
このままずっとここにいたいと 言えなかった

愛はきっと ただの温度じゃない
すれ違う気配も
言いかけてやめたことも
全部、夜が呑み込んでいった

君は雲を見て「うさぎみたいだね」と笑う
でも僕には
逃げていく何かにしか見えなかった

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