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評価を得て、信頼を失うことがある。

友達でも、
会社の人でも、
好きな人でもいい。

周りから、

評価されたい。

信頼されたい。


それは誰でも
思ってしまう。


その2つは同じようで、少し違う。

去年
会社の歓迎会で、その違いを見た。


新入社員として、
2人の営業が入ってきた。

1人は、その場を回すように、よく喋っていた。
場の空気も読めて、ノリもいい。
僕も面白いと思った。

もう1人は、小さく静かな人。
終始どこか気を遣っているようで、
少しおどおどしていた。


歓迎会の場では、
誰が評価されているのかは分かりやすい。

むしろ、
飲み会という名の面接と言ってもいいくらい。


明るくて、よく喋る人。
空気をつくれる人。

きっとあの人は、
この場では
どうすれば評価されるか
分かっていたんだと思う。

そして、
その評価を取りにいった。

ノリの良さで場を取り、
そのあと少しだけ
ビジネスマンらしい言葉を見せる。


だけど、どこか違和感があった。


この2人の違いは、
扉の開け方だった。

静かな営業は、
まだドアノブを掴んだまま。

明るい営業は
最初から手札を並べて、
大きく開けた。

ただ

なんとなく
目と口が合ってなかった。

ときどき、
息継ぎをするように、
一瞬だけ本当の顔がのぞく。

目線の外し方や、しぐさ。

話しているのに、
ふっと視線が外れる瞬間があった。


ドラマでよくある、

セリフのない“あの間”。

あれが、あった。


明るいその人の素顔は、
いつもそこにある。
ただ、見えるのは一瞬だけ。

余裕が切れたときか、
ふと油断したとき。

その一瞬に、
その人らしさが出る。

評価を取りにいった瞬間、
その人らしさが少し薄くなった。

守っているつもりでも、
守り方を間違えると、
どこかでズレが出る。


歓迎会が終わったあと。

静かな新人は、
どっと疲れていた。

うまく喋れなかった。
嫌われたかもしれない。

そんなことを、
考えていたのかもしれない。

でもそれは、
相手のことを考えているからこそ、
言葉に慎重になっているだけにも思えた。

守り方が、違うだけ。

評価を取りにいくことも、
ある意味では自分の立場を守ること。

ただ、

この人は、

相手を傷つけてしまわないように、
静かに守ろうとしていたのかもしれない。


僕は、
その守り方ができる人には
きっと同じように
手を差し伸べてくれる人が集まると思ってる。


環境は、変えようとしても
変わらないことがある。

でも、
自分の守り方を見失わなければ、

気づいたときには、
もう向こう側に立っているのかもしれない。

その周りには、

きっと信頼できる人がいる。



評価は、見せ方で取れる。

でも、信頼は違う。


評価から取りにいくと、
信頼の基準は、
もうそこから始まる。

そのつもりはなくても、
気づけば、


高級レストランを建てている。


そこで、

前菜に枝豆が出てきたら。

どう感じるだろうか。

「ん?」

「次は、さすがに何かあるよね?」


一方で、


立ち飲みで枝豆が出てきたら。

納得できない人は、
いるだろうか。

同じ枝豆でも、
期待が違えば、受け取り方は変わる。

評価から取りにいくと、
最初にその期待を引き上げてしまう。

そうなれば
あとが続かなくなる。

そして
裏切られた。。なんてことも。

信頼は、
どんな場面でも崩れない
“守り方”で積み上がっていく。


評価から取れば
そのままの状態で居続けることは難しい。


だから、
どこかでズレが出てしまう。

その人は、ほどなくして会社を離れた。


 


「評価されたい。」・「  信頼されたい。」

似ているようで、違う
言い換えると
 
「認められたい
」・「安心していたい 」



評価を得た人が、信頼されるんじゃない。

信頼を得た人に、評価がついてくる。


あの時

居場所を探していた静かな新人は、

本当は欲しかった“信頼”が、
少しずつ積み上がっていることに、

まだ気づいていないのかもしれない。


本当に大事なのは、
目先の結果をより
素直に積み上げること。

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