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【スコープ】コロナ禍で飛沫を抑える歯の磨き方 花王調べ

花王 パーソナルヘルスケア研究所がこのほど歯みがき時に口から飛び散り落下する飛沫の様子と歯みがき行動の関係について調査を行ったところ、歯みがき動作の違いにより、飛沫の量や飛距離に差があることがわかった。飛沫を抑制するには「口を閉じてみがくこと」「歯磨剤を使用すること」「歯を1本ずつみがくように歯ブラシを小さく動かすこと」が有効で、同社は「今後、本知見を活かしてより効果的かつ衛生的な歯みがき所作の提案につなげたい」としている。

インフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染症は、感染者の口や鼻から飛散したウイルスを含む飛沫を体内に取り込んでしまうことが感染要因の1つとされる。歯みがきは口腔内を清潔に保つために重要だが、昨今、歯みがき時に発生する落下性飛沫について、感染のリスクを高める可能性が指摘されている。しかし、歯みがき時の飛沫と歯みがき行動について定量的に解析した例はなかった。そこで、同社は歯みがき時に飛び散り落下する飛沫の様子(飛沫動態)とそれに影響する歯みがき動作の関係を明らかにし、どのようなみがき方をすれば飛沫量を抑制できるかを調査する必要があると判断した。

微粒子可視化装置での試験の様子

今回の調査では成人男女20人に普段と同じように歯みがきをしてもらい、その様子を微粒子可視化装置で撮影し、その画像から飛沫の量と飛距離の解析を行なった 。その結果、全ての被験者に共通して、足元から半径50cm以内の左右に45°(計90°)のエリアに飛沫が最も多く飛散したことがわかった。また、最大で足元から179cm離れたところにまで飛沫が達した被験者もいたという。

飛沫の飛散の様子

次いで同社が着目したのは、飛沫の多い人と少ない人の歯みがきの動作。みがく際に口を開けている時間が短い人、歯ブラシを動かす幅(ストローク幅)が小さい人の飛沫量は顕著に少なかった。このため、開口程度とストローク幅といったみがき方の個人差が飛沫動態に影響を与えることが判明した。また、飛沫量が多い歯みがき動作を行なう人でも歯磨剤(ペーストタイプ)を使用すると、飛沫量が減少したことも確認できたという。

ブラッシングマシーンを用いた試験の様子

歯ブラシの動かし方と飛沫量の変化を定量的に計測するため、歯ブラシの動きを制御できる機械を用いて試験を行った。試験ではステンレス製の半円柱で作成した疑似歯モデル上で、歯ブラシのストローク幅、速さ、荷重、歯磨剤有無の条件を変えてブラッシング 。その結果、ストロークの速さと荷重は飛沫量に影響を及ぼさなかったという。

一方、ストローク幅を30mmから15mmと短くすると飛沫量は顕著に減少した。さらに、ストローク幅30mmの場合でも、歯磨剤を使用することによって飛沫量が顕著に減少した。歯みがき時の飛沫は、歯と歯の凹凸を往復する際に、歯ブラシの毛先が唾液などとともに跳ね上がることによって発生すると考えられる。このため、同社はストローク幅を小さくすることで毛先が跳ね上がる前に次の往復運動が起こり、毛先の跳ね上がりが起こりにくくなって飛沫量が抑えられたと推察している。また、歯磨剤を使用した場合は、口中で歯磨剤が泡立つことによって唾液などの液粘度が増加し、飛沫が飛びにくくなったと考えている。

通常の歯みがきをした場合、飛沫は足元から正面方向の半径50cm以内に特に多く飛散していた。また、飛沫を抑制するには、歯みがき時に口を閉じること、歯ブラシを動かす幅を小さくすること、歯磨剤を使用することが有効であると結論づけた。同社は今回の調査結果をもとに、飛沫を抑制するには「『歯磨剤を適量使う』『口を閉じてみがく』『歯ブラシを小刻みに動かし、歯を1本ずつみがくようにする』『複数人で歯みがきをする場合は、2m程度間隔をあける』『歯みがき後は、周囲を衛生的に保つために消毒剤などを用いて清拭する』の5点に留意することが大切だ」と呼びかけている。



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