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【短編小説】名前も知らない、あなたと

歌詞のない曲です。
よかったら物語と一緒に聴いてみてください。

 

スマホがない!!!


今は病院の待合室。

長い待ち時間を
スマホと過ごそう。と思った矢先

カバンの中にスマホが、見当たらない

家を出る時のことが
頭を駆け巡る

「あ!」

充電中。。。

(はぁ。。。この長い時間をどうしよう。。)

この病院、先生がとても親切。
丁寧にひとりひとりの話を聞くせいか
とにかく待ち時間が長い

ためいきをつきながら辺りを見渡す

(でもこんな時間めったにない。。)

そう思った

そんな時

「今日も長そうですねー。」

となりのおじいさんが話しかけてくる

「。。。はい」

スマホがないことのショックで
おじいさんの言葉にもうわの空だった

「いつも私はこの先生と話に来ることが日課になってるんです。」

「。。。(とまどいながら)毎日ですか?」

「そうです。私のようなものがたくさんここにはきている。誰かと話がしたいけど誰もいないからね。」

「。。。。」

「今日はスマホを忘れてしまって。待ち時間
よかったらお話どうですか。」

「いいんですか?、、はい。ぜひ。」

こうしてひょんなことから
となりのおじいさんとの会話がはじまった

「おいくつくらいですか?」


「僕ですか?33です。」


「若くていいなぁ。。
そうですか。。私があなたくらいのころに、とても好きな女性がいて。
貴方を見ているとその頃の気持ちがよみがえってくるようです。」

「どんな方だったんですか?」

「瞳が、明るい茶色でいつもキラキラしていました。私が心惹かれるのに時間はかかりませんでしたね。」

「そうですか。。」

「。。。その人はいつも笑顔でした。その笑顔がまた素敵でね。」

「笑顔が素敵な女性。。僕も弱いです」

「こんな風に言うと失礼だけど、とりたてて美人とかスタイルがいいとか。そんな訳じゃなかった。
でも彼女には不思議な魅力がありましたね。。」

「どんな魅力だったんですか?」

「本当に惹かれるときって理由がないのかもしれませんね。吸い込まれるようにいつも目で追うようになりました。」

「。。。そんな気持ちにはまだなったことはないかもしれません。」

「今思えばそんな風に人を想えること自体がとてもラッキーで幸せな事かな。と思います。」

「生涯そんな人に出会えないこともある気がします。」

「本当にラッキーですね!」

「ラッキーか。。。はい。そうですね。。そしてそれは。。。妻です。」

「そうでしたか!そんな運命の相手と結ばれるなんて。素敵すぎますね。」

「とても幸せでした。この人と過ごせるなら何もいらないかもしれない。。と思うくらいに。。」

「でも。。。」

少し沈黙が続いた​  

「。。。。実は亡くなったんです。私たちが一緒に過ごせた時間はたったの2年でした。」

「。。。そんな。。。」

「本当に幸せすぎて。。妻が亡くなった時は出逢ったことすら時間を巻き戻したいくらいに辛かった。」

「そうでしょうね。幸せだったからよかった。。
なんて簡単には思えないと思います。」

「。。。。それからずっと私の時は止まりました。私の人生が止まったんです。今はただただ寿命をまっとうするようになっています。」


「大きな幸せって儚いような気がしてしまいます。手にした時からこぼれ落ちるまでの時間は短いような気がする。
だから何もないことの幸せは小さいかもしれないけど辛すぎることもあまりないような。。」


「そう思うとなんだかみんな平等な気がしませんか?」

「本当ですね。」

「あなたは、どんな幸せを選ぶんでしょうね。」

「私は答えを見つけられませんでした。
だから、あなたの答えをいつか聞いてみたい。」

ピンポーン

「〇〇さん(僕)、診察室にお入り下さい。」

「あ!呼ばれちゃいました。」

「タイムオーバーですか。。聴いてくれてありがとうございます。。。もしもまた出会えたら。。。また次のお話をしましょう!」

「ぜひ!では。。。」

僕は診察室に入った。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

診察が終わった帰り道

(また会えるだろうか。。)

そう思いながらも奇跡的に会えることを
願う

スマホの時間は
心に残るお話の時間に変わった


出逢いは一期一会。
次はどんな方のどんなお話を聞こう


家に帰ると、充電器につないだままのスマホが
静かに光っていた。
通知はたくさん届いていた。


けれど、その日の出来事を
誰かに伝えようとは思わなかった。

あのおじいさんの言葉は
スマホの中ではなく、
僕の心に静かに保存されたからだ。

次に病院へ行く日。

僕はスマホを忘れないようにと気をつけた。
それでも、待合室ではバッグの中にしまったままにしてみようと思った。


おわり


このたび、LaLaLaさんが主催されている
「ペイ・フォワード企画」にて、
カケルンさんから大切なバトンをいただきました。


note版ペイ・フォワード プロジェクトはLaLaLaさんが開催されています。
企画の詳細はこちら▼

カケルンさん


カケルンさんは昔からの繋がりを大切にされる方なので、私の記事を紹介してくれたり
ご自身の物語のために書いた歌詞に曲をつける依頼をして頂いたりして、私にとても良いチャンスをくれる方でもあります。


みなさんも知っているかもしれませんが
前回の恋愛小説「HSPなわたしとAI彼氏」
現代的な発想。豊かなテーマで書かれていて
でも読むととても繊細な言葉や描写で
やさしくその物語に惹き込まれてしまいます。


今回の「恋の参謀あらわる」も
とても面白かったので
またこれからも読んでいきたい物語の1つです。

こうしてバトンをつなぐ1人に選んで頂けること。
とてもありがたく思いました。

カケルンさんの言葉はやさしくでもとても的確なのでコメントも素敵です。

カケルンさん
いつもありがとうございます⸜🌷︎⸝‍


そして紹介したい方の1人目はりんごあめさんです。

りんごあめさんの言葉は
とても柔らかくていつもすーっと心に入ってきます。

だからなのか毎回吸い込まれるように
コメントを書いています。

感動と癒しがいつもあって
心に残るからでしょうか。

大好きな方の1人です♡

息子さんや旦那様の記事や
日常にあるちょっとしたことが
りんごあめさんの言葉にかかると
魔法にかかっているみたいに
素敵になってしまいます。

いつもありがとうございます⸜🌷︎⸝‍


2人目はのぶさんです。


のぶさんはコメントで交流しているのぶさんと
小説を書くのぶさん。
同じのぶさんかな?と思うくらいです。

小説ののぶさんは繊細でなつかしい感覚の
小説を書かれています。

のぶさんの言葉がそこに置かれると
少しタイムスリップしたみたいに
時間がそこに連れて行ってくれるような
感覚です。

コメントののぶさんは
いつもクスッと笑わせてくれて
やさしさに溢れています。

これからも交流を大切にしていきたい方の1人です。

3人目はぷっぷるさんです。

ぷっぷるさんは詩文をよく書かれているのですが
言葉がとても繊細でその言葉に
私はとっても惹かれてしまいます。

きっととても優しい人柄の方なのではないか。
といつも思いながら読んでいます。

もちろんそれはコメントからも
伝わってきて
私を気遣ってくれる優しさや
記事へのメッセージがとても励みになっています。


今回はこのようなバトンを頂き
紹介させて頂きましたが
まだまだたくさんの紹介したい方が
いらっちゃいます。

なのでこれをきっかけに
こんな風に繋がりを大切にできる紹介
という形もいいなぁ。
と思いました☺️


LaLaLaさん
素敵な企画をありがとうございます✨️


カケルンさん
バトンをありがとうございました😊


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