とりさんの落としもの
涼しくなった夕暮れ時から夜にかけて、4歳の双子と公園へ行くことが増えた。
ある日、子どもが落ちていたとりの羽を拾い上げ、それを空に向けて、
「とりたん、はねがおちてまちゅよ〜
はねがありまちゅよ〜
はねのおとちものでちゅよ〜」
と言いながら、公園をウロウロしていた。
その姿に私は思わず心を掴まれた。
――え? とりさんに羽を返そうとしているの?
そんな発想は、大人の私にはまったくなかった。
子どもは、生きものや自然、目に映るすべての存在にまっすぐ心を向ける。
そこには偏見も差別もない。
心のままに生きているからこそ、親である私は、そんな姿からたくさんの優しさを教えてもらっている。
そうした姿を見ていると、親としてできることは、『どう生きるか』という姿勢そのものだと思える。
人を批判しないこと。
悪口を言わないこと。
偏見に気づけること。
もしかすると、大切なことは本当にそれくらいシンプルなのかもしれない。
あとは、人生を楽しく、幸せに生きている姿を見せること。
それは簡単なようで難しいことかもしれないけれど、そんなふうに過ごしていけたらと思う。
まずは自分の中に、優しい世界を持てたらいいなと感じている。
子どもたちの未来が、
どうか優しさに囲まれていますように……。
