今週のフラクタル13 (1/z^2+c 他)
どうも、108Hassiumです。
今週は$${\frac{1}{z^2}+c}$$に関するフラクタル図形をお届けします。
実は$${\frac{1}{z^2}+c}$$については既存の記事で少しずつ触れているのですが、細かい性質の話ばかりで基礎的な部分を紹介していなかったので今回取り上げることにしました。
※☟$${\frac{1}{z^2}+c}$$について触れている記事
1/z^2+c

$${z^n+c}$$のマンデルブロ集合は$${n-1}$$回回転対称であることが知られていますが、$${n=-2}$$でも成り立つようです。
真っ黒い領域は$${z_n}$$が周期的にならない$${c}$$のあるエリアを表していますが、この場合の数列は$${\frac{c}{\text{con}(z)^2-1}+1}$$のように環状になったりせずにグチャグチャに動き回るようです。



$${f(z)=\frac{1}{z^2}+c}$$という関数は臨界点を持ちませんが、$${f(f(z))}$$は$${z=0}$$が臨界点となり、しかも多重度が3になっているようです。
そのため、$${\frac{1}{z^2}+c}$$のジュリア集合は$${c(\frac{z^3}{3}-z^2)+2}$$と同じように、$${z^4+c}$$のジュリア集合のような四角い収束領域を持つことがあります。
※☟臨界点の多重度とジュリア集合の形状の関係や$${c(\frac{z^3}{3}-z^2)+2}$$について書いてある記事





$${z^4+c}$$のような四角い形状だけでなく、かなり個性的な形のジュリア集合が生成できるようです。



$${z_{n+1}=\frac{1}{z_n^2}+c}$$という数列は$${|z_n|}$$が大きくなっても$${|z_{n+1}|}$$は小さい値になるので、基本的には発散することはありません。
ただし、実際に数列を計算すると$${|z_n|}$$が突然大きい値になったり周期サイクルを構成する点の中に大きな値が含まれたりすることがあるので、発散判定をを描画プログラムに組み込むと誤判定が発生します。
なお、オーバーフローにより周期が計算できなくなったり、そもそも非周期的になるパラメータが大量に存在することを考慮して、いつもやっている高周期パラメータ探しは行わないことにしました。

$${\frac{1}{z^2}-1}$$は-1→0→∞→-1…という3周期のサイクルを持つので、$${\frac{1}{z^2}-1}$$という関数は3周期発散関数になります。
$${\frac{1}{z^2}+c}$$という関数全体は周期発散関数ではありませんが、$${c}$$の値によっては特別に周期発散関数になることがあるようです。
※☟「周期発散関数」という用語の説明がある記事
1/con(z)^2+c
紹介する内容が少ないので、$${\frac{1}{\text{con}(z)^2}+c}$$($${\text{con}(z)}$$は$${z}$$の複素共役)も紹介します。

$${\text{con}(z)^n+c}$$のマンデルブロ集合は$${n+1}$$回回転対称であることが知られていますが、$${n=-2}$$でも成り立つようです。



形状の奇抜さは$${\frac{1}{z^2}+c}$$とあまり変わらないような気がします。


渦巻きや枝分かれの中心が2つ向かい合うような位置関係で出現するというcon系ジュリア集合の特徴も、パラメータ次第ではしっかり発現するようです。
1/B(z)^2+c
※$${B(z)=|\text{Re}(z)|+i|\text{Im}(z)|}$$

$${B(z)^n+c}$$のマンデルブロ集合は$${n}$$が偶数のときは何の対称性も持たないことが知られていますが、$${n=-2}$$でも成り立つようです。




領域の境界線の曲がり方が独特だったり領域内に変な模様があったりと、$${\frac{1}{z^2}+c}$$とは大きく異なった印象のジュリア集合になりました。




$${c}$$の値によっては周期軌道とカオス軌道が混在することもあるようです。
