歩き続けた男たちの友情 映画【ロングウォーク】感想レビュー(ネタバレあり)
こんにちは!
世の中には、デスゲームを題材にした作品が多くあります。
最近で言うと、Netflixで配信されていた『今際の国のアリス』は、大きな話題を呼び、デスゲームが高い人気を持っていることを感じさせてくれました。
今回は、そんなデスゲームを題材にした映画『ロングウォーク』を観てきたので、感想を書いて行こうと思います。
・新感覚デスゲーム
まず予告を観た時に思ったのは、
「ひたすら歩くだけで映画になるのか?」
ということでした。
最後まで歩き続けた者が勝利。
ルールだけを聞くと、派手なアクションもなく、途中で単調になってしまうのではないかと思っていました。
しかし、その予想はいい意味で裏切られます。
この映画では、何気ない日常の行動すべてが命取りになります。
靴紐がほどける。
トイレに行きたくなる。
足を痛める。
普段なら何でもないことが、一瞬で「やばい!」に変わるのです。
その理由は、このデスゲームのルールにあります。
参加者は時速4.8km以上で歩き続けなければなりません。
速度を下回ると警告を受け、一定時間以内にペースを戻せなければ処刑。
ただし、一定時間警告を受けずに歩き続ければ警告はリセットされるため、「今ここで少し止まるか、それとも耐えるか」という駆け引きも生まれます。
このルールが本当によくできています。
靴紐を結び直すだけでも、立ち止まって休むだけでも、常に「警告」が頭をよぎる。
派手な演出がなくても、観ているこちらまで緊張してしまうほどでした。
予告だけでは伝わらなかった面白さがあり、「歩くだけ」というシンプルな設定でここまでハラハラさせられるとは思いませんでした。
・ゲームの中で生まれる友情
このゲームは、ひたすら歩き続けるだけ。
そのため、派手なアクションよりも、参加者同士の会話を中心に物語が進んでいきます。
その中で一番印象に残ったのが、主人公レイ・ギャリティと、最初に言葉を交わしたピーター・マクヴリーズとの関係でした。
このゲームでは、最後まで歩き続けた一人だけが生き残ります。
つまり、参加者全員がライバルであり、本来なら敵同士のはずです。
しかし、不思議なことに彼らは互いを蹴落とそうとはしません。
励まし合い、ときには支え合いながら、一歩ずつ友情を深めていきます。
もちろん過酷なゲームであることに変わりはありません。
それでも最後まで互いを信じ続ける二人の姿には、思わず胸が熱くなりました。
終盤では、仲間のために自らを犠牲にする選択や、最後の願いを託す場面も描かれます。
ゲームを通して、「仲間のために生きる」という選択ができる人間へと成長していく。
この友情こそが、『ロングウォーク』という作品の一番の魅力だったように思います。
・ロングウォークという名の人生
「ロングウォーク」という、ひたすら歩き続けるデスゲーム。
映画を観る前は、「歩くだけのデスゲーム」という認識でした。
しかし、物語が進むにつれて、このゲームは単なるデスゲームではない、むしろ、このゲームそのものが「人生」を表しているのではないか、と。
前へ進み続けなければならない。
失敗しても、すぐに終わるわけではない。
何度か立て直すチャンスが与えられる。
誰が、いつ、どんなタイミングで人生を終えるのかは誰にもわからない。
そして、その長い道のりの中で、人と出会い、友情を育み、ときには別れも経験する。
こうして振り返ると、ロングウォークには人生そのものを重ね合わせられる要素が数多く詰め込まれていました。
もちろん、映画の中では「歩く」という行為が文字どおり命をつなぐ手段になっています。
しかし、私がこの映画から感じた「歩き続ける」という意味は少し違います。
立ち止まってもいい。
失敗してもいい。
それでも前を向いて進み続けることが大切なのだと、この映画は教えてくれたような気がしました。
デスゲームという刺激的な設定でありながら、最後にはそんな人生の教訓まで残してくれる映画でした。
・その他の良かったシーン
①アート・ベイカーの死
→仲間と歩き続けたからこそ、死に際のギャリティとピーターに思いを託す姿には感動
②ハンク・オルソンの奥さんに向けての合唱
→ハンクがこのゲーム唯一の既婚者であることがわかり、その奥さんに向けて名前が同じである「いとしのクレメンタイン」を皆で合唱します。このシーンは参加者が団結した瞬間であり、いいシーンでした。
・まとめ
今回は、公開前から気になっていた映画『ロングウォーク』を観た感想を書いてみました。
正直、最初は「歩くだけのデスゲームで本当に面白いのだろうか」と思っていました。
しかし実際に観てみると、シンプルなルールだからこそ生まれる緊張感や、参加者同士の友情、そして人生そのものを重ね合わせたようなメッセージ性まであり、想像以上に見応えのある作品でした。
デスゲーム作品としてハラハラできるのはもちろんですが、それだけでは終わらないのが今作の魅力です。
「歩き続ける」というシンプルな行為が、ここまで深い意味を持つとは思いませんでした。
劇場で観ても十分満足できる作品ですし、配信が始まれば口コミでじわじわ人気が広がっていくような、そんなポテンシャルを持った一本だと思います。
デスゲーム作品が好きな人はもちろん、「最近少し変わった映画を観たい」という人にもおすすめしたい作品でした。
(引用:https://theriver.jp/long-walk-jp-date/)
