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新緑のなかの渓谷歩きがワクワク「棒ノ折山」 ♣吟行登山♣(0002)

急流が岩壁を深く切り裂いたゴルジュ帯の岩場・鎖場はなんちゃって沢登り気分を楽しめます。”関東ふれあいの道”にも指定されている埼玉・奥武蔵のハイキングコース。


<登山コース>

■新緑の森の登山道からスタート

「ノーラ名栗・さわらびの湯」バス停そばの売店

はやくも夏の陽気となった5月、ただ立っているだけちょっと汗ばんでしまう。西武池袋線「飯能駅」から路線バスでおよそ40分の「ノーラ名栗・さわらびの湯」バス停で下車。バス停のすぐそばには売店や清潔なトイレもあり、登山の出発地点としてはとてもありがたい。


名栗湖の向こうに秩父の山並み

靴ひもを締め直していざ出発! まずはバス停の先へダム湖の名栗湖まで上がっていく。登山靴での舗装道路の坂道歩きはちょっとツラい。ようやく名栗湖に出ると一気に視界が広がり、北西側の湖面の先に奥武蔵の山並みが遠くまで見通せた。登山気分も高揚。「山に来たなー♪」


有間ダムの堰堤の外観は石垣のよう
新緑の森に差し込む日差しが眩しい

名栗湖の有間ダムは外観が一風変わっている。ロックフィルダムと呼ばれる形式で岩石や土砂を積み上げたダム正面の外壁は石垣のような見た目が面白い。堰堤を渡りその奥に白谷沢登山口がある。登山道に入りしばらく森のなかを上がっていく。この日の予想気温は東京都心で30度近くでほぼ真夏日。しかし沢に近い山の森のなかは思ったほど暑さを感じることがなかった。

■”白谷沢”の渓流歩きは荒々しいゴルジュが最大の魅力

初夏の渓流のなかに分け入る

登山道を進んでいくと次第に渓流が標高を上げていき登山道と合流。いよいよ今回の登山の最大のお楽しみ所である沢のなかのトレッキングルートとなり、期待が高まる。渓流のなかへ足を踏み入れると水の冷たさがひんやりと足に伝わってきた。瑞々しい新緑が頭上に広がり目に眩しい。


ゴルジュ帯の入口
苔たちも瑞々しい
渓流のなかを何度も渡渉する

しばらく遡上していくと現れる渓流の両側に切り立つ岩壁はまるで門柱のよう。ここがゴルジュ帯の入口であることを物語っているかのように感じた。ゴルジュとは切り立った岩壁に挟まれた狭く深い渓谷地形のことをいう。フランス語で「のど」という意味(のどのように狭くなっているところから)とのこと。

狭い峡谷の隙間を流れる沢と大小の石と岩がごろごろと転がるなかを、ときに岩を踏みしめてときに沢に足を踏み入れて突き進んでいく。なんちゃって沢登り気分を楽しめてすこし心躍る。


石と岩がごろごろと転がった荒々しい渓谷
節理と褶曲が見事
ゴルジュの岩壁の鎖場

鎖とロープが掛けられた岩壁をいったん上がると、荒々しい雰囲気があったゴルジュ帯の沢の道もやがて終わり。穏やかな沢沿いの道に変わっていく。ちょっと残念……名残惜しい。しばらくすると視線の先に林道のガードレールが見えてきた。渓流道から林道に出てベンチのある広場で喉を潤して一休み。思わず「あー楽しかった♪」

■棒ノ折山の山頂からは北面に秩父の山並みを一望

登山道の真ん中にどん!と構える岩茸石
棒ノ折山の頂上へ向かって直登気味に斜面を登る

林道わきの休憩地から先は棒ノ折山の頂上へつながる尾根に向けて斜面を上がっていく登りの後半戦。岩茸石という大岩が登山道の中央にどんと居座っている尾根に出る。ここからは西へ斜面を直登気味に上がっていく。登山道に施工されていた階段がすっかり荒廃しておりその脇の木の根が張り出した踏み跡を進む。「歩きにくいなぁ……」


コアジサイの可憐な花

岩茸石から山頂までの斜面にはコアジサイの小さな白い花がよく咲いていた。なかなか可愛らしい。途中のゴンジリ峠は平場となっており呼吸を整えてから、あらためて斜面を一気に登っていく。顔を上げて視線の先に青空が見えてくるともうすぐ山頂。よしッ!と最後のひと踏ん張り。


いよいよ棒ノ折山
棒ノ折山の頂上

樹林が切れて北面の秩父の山脈が大きく見えてくる。遠方はやや霞んでいるが、180度の展望に恵まれている。空気が澄んで見通しがよければ、日光連山や谷川岳まで見えるらしい。広く平坦な関東平野ならではこそといえるかもしれない。とはいえ近視の私には難しそう……。

■下山後は日帰り温泉で一服して総仕上げ

棒ノ折山頂上より北面に秩父と北関東の山脈は望む
新緑と青空が鮮やか

山頂の東屋で日差しを避けて一休み。秩父の山並みをもう一度ゆっくりと眺めてから下山を開始する。岩茸石まで戻り、そこからは岩の裏手に回り込んで滝ノ平尾根をひたすら下っていく。尾根の前半はなだらかな稜線歩きで林のなかを森林浴気分でゆっくりと歩く。稜線だけにときおり風が吹くと汗が引いて気持ちがよい。


模様からするとヤマカガシ(毒蛇)だろうか。あちらから逃げてくれた。
木の根が縦横無尽に張り出した急斜面を下っていく

荒廃した展望台を過ぎるとやがて針葉樹の急斜面となる。木の根の張出が多く歩きづらい。登山も最終盤ですこし疲れた脚には、足さばきが面倒であまりありがたくない。「やれやれ」 


”山旅のお土産”は「るーぱん ボンゴレ赤 パスタスナック」 埼玉のご当地イタリアンとして人気です。 日帰り温泉「さわらびの湯」売店で購入♪

次第に傾斜が緩んできて墓地の裏に出ればその先は集落。河又バス停そばのトイレから車道を左手に上がっていけば「ノーラ名栗・さわらびの湯」バス停に無事に帰還した。日帰り温泉”さわらびの湯”に立ち寄り、汗を流しさっぱりしてこの日の登山を締めくくった。

■〆の俳句

新緑の ゴルジュへ切りこむ 沢あるき

(棒ノ折山にて 令和七年 皐月 武蔵野愚人)


<棒ノ折山ハイキングの概要>

[行程表]

※標準的タイムによる目安(休憩含まず)
「ノーラ名栗・さわらびの湯」バス停→ 名栗湖・有間ダム→ 白谷沢登山口(30分)→ 白谷沢→ 林道合流地点(70分)→ 岩茸石(20分)→ ゴンジリ峠(30分)→ 棒ノ折山(20分)→ 岩茸石(30分)→ 滝ノ平尾根→ 「ノーラ名栗・さわらびの湯」バス停(90分)
コースタイム/ 約4時間50分

[アクセス]

西武池袋線「飯能駅」から路線バス(国際興業バス)で「ノーラ名栗・さわらびの湯」バス停までおよそ40分。
※バスは途中でJR八高線「東飯能駅」にも停車。

[登山道の補足]

川の中に足を入れますし、岩場も滑りやすいので、防水性があり滑りにくい登山靴(トレッキングシューズ)の着用が必要です。
白谷沢を利用する場合、雨天後の増水、また冬季における沢沿いの道の凍結には十分ご注意ください。また登山慣れしていない場合は下りには使用しない方が安心かと思われます。
白谷沢登山口のルートは暖かい時期や夏季などは虫が多い印象です。
●水場やトイレなど
水場は登山道上にはありません。
トイレは「河又」バス停と「ノーラ名栗・さわらびの湯」バス停のそばにあります。

[難易度・危険個所など]

とくに大きな難所や危険箇所などはほとんどありません。
白谷沢の岩場・鎖場は注意が必要ですが難度は高くなく、高度感もほぼありません。

[付近の山]

高水三山
伊豆ヶ岳
蕨山
川苔山
武甲山
顔振峠
関東ふれあいの道

[そのほか]

さわらびの湯 ※公式サイト


<参考リンク>

はんのう。いい塩梅 (奥むさし飯能観光協会)
国際興業バス ※公式サイト
ハイキング(通行情報・登山届など) (飯能市)
関東ふれあいの道 (埼玉県)


<関連記事>

「棒ノ折山」周辺に関する上町嵩広の執筆記事です。外部サイトも含まれています。


<バックナンバー>
0001/ あたたかな陽がふりそそぐ「湘南平」


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(2025年6月14日 上町嵩広)



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