文藝春秋3月号~「DTOPIA」~
文藝春秋3月号(芥川賞発表号)に掲載された2冊の芥川賞受賞作の中で、「DTOPIA」は、ジェンダーの「今」が描かれています。
もう一方の鈴木結生著「ゲーテはすべてを言った」は博覧強記な文学の世界であり、23歳の作者が書いた作品であり、それはそれで圧倒されました。
文藝春秋2025年3月号 文藝春秋 1750円(税込み)
☆「DTOPIA」 安堂ホセ著 文藝秋季号
昭和世代のわたしには、最初はとっかかりにくい小説でした。そもそも、公園でカッターナイフで高校生が自分の身体を変えるという行為にぎょっとしました。小川洋子さんが選評で書かれているように、「社会になじむための自分と、本来の自分を両立させるのに、なぜこれほどの苦痛をたえなければならないのか」という心情に最初は痛々しさしかなく、そこまで・・・と次第に切なくなりました。
今年の米アカデミー賞候補作のように、例えば「ウイキッド」や「教皇選挙」の描く、ジェンダーへ異を唱えるのがわかりやすく描かれているのではなく、今日描かれるべき主題を、誰も思いつかない物語へと過剰に展開していきます。
海外の恋愛リアリテイショーが舞台という設定にも「今」を感じました。現代のジェンダーの痛みが圧倒的熱量で描かれています。
古典的名作や役にたつ教訓がちりばめられた小説、偉人伝などは何時の時代も心に残り、励ましてくれます。同時に、わたしが習慣としているのは、「今」を描いた小説を読むことです。具体的には、その年の芥川賞や直木賞、本屋大賞などの受賞作を読むことが繋がっていくと思います。
#新社会人におすすめの本 #習慣にしていること
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