「もう若い人にはついていけない」と思った社長へ PC苦手でも、戦力外じゃない。AIがあなたの30年の経験を"新戦力"に変える
正直に告白します。
私自身、「もう、ついていけないかもしれない」と、何度も思ってきました。

デプロイ、ブラウザバック、キャッシュ、API、プラグイン、二段階認証・・・一つ調べて理解したつもりでいても、次の瞬間にはまた知らない
言葉が画面の向こうから飛んできます。
先日も、システムに詳しい若いスタッフから
「一度ブラウザバックしてもらえますか」と言われて、一瞬、頭が真っ白になりました。分かったふりをしてうなずいたものの、内心は「ブラウザバック……? 何かのボタンを押すのか? それとも設定を変えるのか?」とパニックです。あとでこっそり調べてみたら、なんのことはない、
「前の画面に戻る」というだけのことでした。たったそれだけのことに、
数十秒間、体が固まってしまったのです。
何十年も現場で仕事をしてきて、経営判断も、資金繰りも、修羅場も、それなりに乗り越えてきたつもりでした。それなのに、たった一つのIT用語で手が止まる。「昔はもっとテキパキ仕事ができたのに」と、情けなくなる。
これは、私自身が実際に味わってきた「取り残される感覚」です。同じような思いをしている経営者の方は、決して少なくないはずだと思います。
でも、業務の中でAIを使い始めてから、あることに気づきました。
「仕事が分からない」のではない。「ITの言葉や操作が分からない」だけなのではないか。
この一つの気づきから、私の考え方は少しずつ変わっていきました。
今日は、その変化を、できるだけ正直にお伝えしたいと思います。
もし今、「自分はもう時代遅れなのかもしれない」と感じている社長さんがいらっしゃるなら、この記事が少しでも、肩の力を抜くきっかけになれば嬉しいです。
第1章 「もう若い人にはついていけない」と感じる瞬間
知らない言葉が、次々と出てくる。画面のデザインが少し変わっただけで、次にどこを押せばいいのか分からなくなる。若いスタッフに何度も聞くのは、さすがに気が引ける。思い切って調べてみても、その説明文の中にまた分からない言葉が出てきて、結局振り出しに戻る。そうして、いつの間にか「自分はもう時代遅れなのかもしれない」と思い始めてしまう。
私自身、取引先とのオンライン商談の直前に、カメラの映像がなぜか映らず、冷や汗をかきながら操作した経験があります。相手を待たせている焦りと、「こんなことも自分でできないのか」という恥ずかしさが、同時に押し寄せてきました。
実際は画面を開けるウインドウが閉じていたのに気が付かなかっただけでしたが・・
ここで本当に怖いのは、実はPC操作そのものよりも、「自分への自信まで失ってしまうこと」です。画面の前で固まっているうちに、「経営者としての自分」まで否定されたような気持ちになったことが、私にも正直ありました。長年、社員やお客様の前では「頼れる社長」でいなければと思ってきましたから、その姿とのギャップに、余計に苦しくなるのかもしれません。誰にも相談できず、一人で画面と睨めっこしながら、静かに落ち込んだ夜もありました。
第2章 でも、「ITが苦手」と「仕事ができない」は、全く違う
ここで一度、立ち止まって考えてみてください。パソコン操作が速いことと、経営能力が高いことは、決してイコールではありません。
30年の経営経験は、どれだけ検索したとしても、どこにも出てきません。
取引先とのぎりぎりの交渉、資金繰りが厳しい月をどうにか乗り切った判断、修羅場を経験した人にしか分からない現場の勘。「何かおかしい」と感じるあの経営者の直感も、立派な、そして誰にも真似できない能力です。
IT用語を知らないというだけの理由で、自分を「戦力外」にしてしまうのは、あまりにもったいないことだと思います。若いスタッフがどれだけパソコンを速く操作できても、取引先との難しい価格交渉をまとめたり、資金繰りが厳しいときに、信用金庫や銀行へ足を運んで、説明したり、頭を下げたりする行動力は、一朝一夕には身につきません。それは、何年も現場で泥をかぶってきた人だけが持っている力です。
そうか、自分の能力がなくなったわけではないんだ・・まずは、そう思っていただきたいのです。

第3章 そんな私が、AIを使って初めて考え方が変わった
最初、私は「AI? また新しく覚えることが増えるのか」とうんざりしていました。マニュアルを読み込んで、専門用語を覚えて……
そんな面倒な作業を想像していたのです。
ところが実際に触ってみると、拍子抜けするくらい普通の言葉で質問すればよかったのです。「これ、中学生にも分かるように説明して」と頼めば、その通りに嚙み砕いて説明してくれます。分からなければ、「もっと簡単に」ともう一度頼めばいい。しかも、何度聞いても嫌な顔ひとつされません。
若いスタッフに同じ質問を三回もすれば、さすがに申し訳ない気持ちになりますが、AI相手ならその遠慮はいらないのです。
この瞬間、私の中でAIの位置づけが変わりました。「新しく勉強しなければならない難しいIT」から、「分からないことを、隣で助けてくれる相棒」へ。
第4章 AI時代になって、むしろ「経験」が武器になった
使ってみて実感したのは、AIは答えを返すことはできても、「そもそも何を聞くべきか」までは決めてくれません。良い質問、尋ね方、相談ができるかどうかは、結局のところ、こちらの経験値にかかっています。
AIが出してきた答えに対して、「いや、それは現場の実感とは違う」と言えるのも、積み重ねてきた経験があるからこそです。実際に私も、AIが提案してきた値引き案に対して、「この取引先には、値引きより先に納期の安心感を伝えるほうが響く」と判断し、提案内容を差し替えたことがあります。お客様の本音は、数字やデータだけでは決して見えてこないものです。そして、失敗した経験こそ、どんなAIも持っていない、私たちだけの財産だと思います。
【AI × 30年の経験】この掛け算にこそ、シニア経営者ならではの強みがあると、思います。若い世代がどれだけAIを使いこなせても、「その業界特有の商習慣」や「あの取引先との過去の経緯」までは知りません。そこを埋められるのは、長く現場に立ってきた私たちだけです。
第5章 AIを「先生」だと思わない。「新人社員」だと思えばいい
AIについて詳しくなってから使おう、と身構える必要はありません。社長の仕事は、AIを勉強することではなく、AIに仕事を頼むことです。
「これ調べて」「これ考えて」から始めれば十分です。出来が悪ければ、「もう一度お願い」と頼み直せばいい。そして最後に判断するのは、あくまで社長自身です。この感覚は、新人社員に仕事を任せるときと、驚くほど似ています。何でも完璧にこなしてくれる部下を、最初から期待する人はいませんよね。
私は最近、初めての取引先への挨拶文をAIに下書きしてもらうところから、毎朝の情報収集まで、ちょっとした「頼みごと」を積み重ねるようにしています。特別なことは何もしていません。ただ、隣に座っている新人に声をかけるように、気軽に話しかけているだけです。
第6章 PC苦手な社長でもできる「AI仕事術」
① 苦手なメール文章を一緒に考えてもらう
「取引先に失礼にならない、断りのメールを考えて」・・これだけで十分です。丁寧な言い回しに悩む時間が、大きく減ります。
② お客様への提案内容を整理してもらう
頭の中にあることを、思いつくまま箇条書きで伝えれば、AIが順序立てて整理してくれます。
③ 売上が伸びない理由を一緒に考える
「最近、客数が減っている。何を調べたらいい?」から始めれば大丈夫です。着眼点そのものを一緒に探してもらえます。
④ ホームページやSNSの文章を考えてもらう
上手な文章を書く必要はありません。伝えたい材料をAIに渡せば、読みやすい形に整えてくれます。
⑤ PCで分からないことを、その場で聞く
「クエリって何?」「URLエンコードって何?」「この画面では何を押せばいい?」その場で聞いて、その場で解決してしまいましょう。恥ずかしがる必要は、まったくありません。
難しいAI活用から始める必要は、どこにもないのです。まずはこの5つのうち、一番「これなら今日できそうだ」と思えるものを、一つだけ試してみてください。完璧を目指す必要はまったくありません。
第7章 もちろん、私もAIで何度も失敗しています
ここで一つ、正直にお伝えしておきたいことがあります。AIは、もっともらしい顔をして、間違った答えを出してくることがあります。質問の仕方ひとつで、返ってくる答えの中身が大きく変わってしまうこともあります。
以前、大事な案内文をほぼ丸ごとAIに任せてしまい、後で読み返したときに「これは自分の言葉じゃないな」と違和感を覚えたことがあります。文章としては整っているのに、なぜか自分の顔が見えない。長年のお客様からは「なんだか、いつもと雰囲気が違いますね」とやんわり指摘されてしまい、恥ずかしい思いをしました。そのときから、AIが作った下書きには必ず自分の言葉で手を入れてから送る、と決めています。最後に必要なのは、やはり経営者自身の判断です。
うまくいった話ばかりではなく、こうした失敗も含めてお伝えするのは、「AIの専門家」が書いている記事ではなく、同じくPCが苦手な立場にいる私が、一歩先で試行錯誤している記録として読んでいただきたいからです。

第8章 若い人と同じ土俵で戦う必要はない
タイピングの速さで競争する必要はありません。最新のIT用語を全部覚える必要もありません。若い人には「新しい知識」という武器があります。そして私たちには、「経験」という、彼らにはまだない武器があります。
そこにAIという道具を加えれば、まったく新しい戦い方ができるはずです。目指すのは、「若い人のようにPCを使いこなせるシニア」ではありません。「自分の経験をAIで活かせる経営者」です。土俵が違えば、比べて落ち込む必要もなくなります。私たちには、私たちにしか立てない土俵があるのです。
最終章 戦力外を、新たな戦力へ
「もう歳だから」「PCが苦手だから」「若い人にはついていけないから」─そんな理由で、自分からベンチに下がる必要はありません。
私自身、今でも分からないIT用語に出会います。画面を見ながら「なんだ、これは?」と固まることもあります。それは、これから先もきっとなくならないでしょう。
でも、以前と一つだけ違うことがあります。分からないことと、自分に能力がないことは、まったくの別物だと、心から思えるようになったことです。
分からなければ、AIに聞けばいい。できなければ、AIに手伝ってもらえばいい。そして最後は、自分が30年、40年と積み重ねてきた経験で判断する。それだけのことです。
AIは、私たちベテランを戦力外にする技術ではありません。むしろ、これまで積み重ねてきた経験を、もう一度「現役の戦力」に変えてくれる道具なのだと、私は感じています。
もし今、あなたが画面の前で一人、肩を落としているとしたら。まずは、今日この瞬間に感じている小さな「分からない」を、一つだけAIに聞いてみてください。それだけで十分です。答えが返ってくるたびに、少しずつ、「なんだ、これならできそうだ」という感覚が積み重なっていくはずです。
私はこれまでも、「PCが苦手だからといって、新しい時代から降りる必要はない」という思いで、何度か記事を書いてきました。
今回の記事を読んで、
「自分も、もう少しAIを使ってみようかな」
「PCは苦手だけれど、まだできることがあるかもしれない」
そう感じていただけた方には、ぜひ次の記事も読んでいただければと思います。
■「その一歩でいい。PC苦手な社長ほど、AIで変わる」
AIを使いこなすために、最初から難しいことを覚える必要はありません。
大切なのは、まず一つ、自分の仕事で困っていることをAIに聞いてみること。
「何から始めればいいのか分からない」という方に向けて、最初の一歩について書いた記事です。
→【https://note.com/1117keyman/n/n7f1a6780eb68】
■「PCスキルの劣る人だからこそ有利!自分のビジネスに活かすAIの賢い使い方」
「AIはパソコンが得意な人のもの」私自身、最初はそんなイメージを持っていました。しかし、実際に使ってみると、むしろ重要なのはPC操作の速さではなく、自分が何をしたいのか、何に困っているのかをAIに伝えることでした。
PCに自信がない方だからこそ知っていただきたい、私なりのAIとの付き合い方をまとめています。
→【https://note.com/1117keyman/n/n4cceccd7adba】
PC苦手でも、戦力外じゃない。戦力外を、新たな戦力へ。
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