中間管理職のリアル 〜わたしが会社を辞める人にプチギフトを贈る理由
調剤薬局で、中間管理職&現場の薬剤師をやっている。
調剤薬局という業界は、人の出入りが激しい。
薬剤師は資格持ちでわりと売り手市場なので、転職のハードルが低め。
事務員さんも最初から「調剤薬局で事務をやりたい!」という強い気持ちの人ばかりではなく、未経験だけどなんとなくタイミング合ったから(求人出てたから)的な人も多い。思ってたんと違うな〜で辞める人もいる。
で、人が辞める時ってなんか続くよね。
安定しているときは数カ月、全然出入りがなかったりするのに、続くときは毎月のように退職の話が。(代わりに入職する人もいるわけだが。)
退職者には所属店舗で相談してなにかプレゼントをあげたり、お花をあげたり、送別会をしたりすることが多い。ヘルプ勤務や異動など複数店舗で勤務していた人に関しては、店舗をまたいで声かけたりすることも。
わたしは自分の所属店舗以外でも辞める人がいたら、基本的にプチギフトをあげることにしている。中身は本当に簡単なもの。たとえばちょっと可愛いティーバッグのセットとか、焼き菓子とドリップコーヒーの詰め合わせとか。1000円から高くても2000円以下くらい。タイミングによっては、自分がどこか行ってきたときのおみやげのお菓子をあげることも。
表向きの理由は、個人的にもお世話になったから。
中間管理職なので、社員で全然面識がない人は今のところいないし、どの店舗でも勤務はするので大なり小なり仕事で助けてもらったことがあるから。
少額とはいえ自腹で?と思われるかもだけど、それも管理職手当に含まれているんじゃないかなと考えている。
というのは。
辞めていく人って、大事にするべきなんですよ。
それは辞めていく人のためだけでなく、残る従業員のためであり、会社のためでもある。
なので、ギフトは他の人が見ている前で(あるいは見るであろう状況で)あげるのがベストです。
どういうことかというと。
辞めちゃう人に対して「もう、うちの会社とは関係ない人だ」「人員不足のいま辞めちゃうなんてとんでもない人だ」と思って礼を失する対応をしたら、それを見ていた他の従業員はどう思うでしょうか?
「頑張って働いても、結局は使い捨てにされるんだな」「会社は従業員をコマとしか考えてなくて、人として大切にしようという気がないんだな」「私だって、べつにこの会社にいなくてもいいのかも」という思いを抱かせかねない。
〈管理職が退職者にとる態度が、退職者だけでなく他の従業員へのメッセージにもなる〉という恐ろしい事実・・・。
わたしが以前、某大手調剤薬局を退職したときの二人の上司の対応が、まさに天と地ほどに違ったことから、実感をもって学んだのでした。
経緯をちょっと説明しますと。
まず、当時店長をやっていたわたしが、直属のマネジャーT氏に電話で「◯月末で退職します」と伝えたときの返事、第一声。今でも一言一句覚えてる。
「えーっ!来月の◯◯店(のシフト)、どうしよ〜?!」
・・・引き止められたらどう言おうかなと考えていたわたしですが、これを聞いた瞬間、
(あ、退職決めたの正解だったわ)
と心が安定したのでした。
わたしってT氏にとって、シフトを埋めるコマだったのねー。自分はろくに仕事もできないくせに言ってくれるじゃーん?(悪口)
それからほどなく、別のマネジャー(会議とか一緒にやっている、隣のエリアの人)N氏が店舗にやってきて、なんで辞めるの?何ならT氏と役職入れ替える?(マジか)って言ってくれたけど・・・まあそれはないでしょ。
退職を引き止められないよう、理由は「規模の大きい会社はわたしには向かないので、中小の会社にうつります」と決めていた。そもそもわたしは中小の会社に勤めていたのに、M&Aされて大会社の社員になってしまった経緯があり。
もし理由が「◯◯さんが嫌」とか「待遇が」とかだと、それに対応してくれちゃったら辞められなくなってしまうので。会社の規模はどうしようもないですからね。引き止められず退職したい方は参考になさってくださいませ。
それでうまく切り抜けたんだけど、一通り話をしたあと、N氏が
「で?本当はどうして辞めるの?」
って聞いてきたので、ちょっと笑った。わかってるんじゃん・・っていうかわたしに「Tさんはマネジャーとして不適切」みたいなことを言わせて、彼を異動させる理由にしたいのかもと思った。会社って怖いからねー。
なんだかんだで円満退職が決まったあと、もとマネジャー(M&A当初の担当マネジャーで他エリアに異動になってた)H氏と、全体のエリアマネジャーが一緒に来て、なぜかお菓子詰め合わせ(お歳暮とかであげるタイプの)をたくさんくれた。
そして「わんだろうさんはたぶん店舗のみんなに食べてもらおうとすると思うけど、これはちゃんと持って帰ってね。わんだろうさんにあげるんだからね」と念を押された。
あのときは、なんでみんなの前で渡すの?みんな見てたら休憩室にでもおいておこう、ってなるじゃん?変なの。わたしだけにくれるんならこっそりくれよ(笑)と思ったけど。
実は、他の従業員へのメッセージでもあったんだなと。
辞めるのにこんなに良くしていただいて・・・と言ったら、
うちの会社は今後も他会社をM&Aすることもあるだろうし、その時にもしかしたらまた一緒に働くかもしれない。そのときに「いい会社だった」と思っていてほしいし、そういう人が(買収される側のなかに)いたらM&Aもぶっちゃけスムーズになる。あと、辞めた人もうちの顧客になる可能性があるんだから印象は良いほうがいい。
だから、辞める人に礼儀を尽くすように、って会社からも言われているんだよ。と教えてもらった。
なるほどーーーー!とすごく腑に落ちて、勉強になった。ていうか、ここまでぶっちゃけて教えてくれてありがとうHさん。お菓子そのものじゃなく、この教えが一番の贈り物だった。
(M&A後まもないときにわたしがHさんに恩を売った話はまた後日。たぶんそのお礼に教えてくれた説ある。)
大会社だけに、一連の流れがシステム化されているのかもだけど、こういう〈人の気持ち〉に重きを置くのって本当に大事だと思う。
結局、人って理屈じゃなくて、最後は気持ちで動くんですよ。
仕事すればするほど、しみじみそう思う。
翻って、わたしも退職者を大事にしたいなと思って行動しているわけです。
じつは今度、長く勤めてくれてた薬剤師のパートさんが定年退職することになって。所属店舗に聞いたら「お花かなにかあげて終わりかなあ」ということだったので、「会社からもなにかしてほしいです!!長く勤めてくださってわたしもすごくお世話になったのに、お花あげてさよならじゃ寂しいです!!」的なことを訴えたら、費用ある程度会社持ちで送別会やることになったの。ふふふ。
もちろん行ってきまーす!
あなたもわたしも大事な人。
来週も楽しく働こうね。
ここまでお読みいただいてありがとうございました。
