#29 オーストラリア寮生活⑧|寮でインフル大流行。体調を崩したとき、どうなる?
南半球の冬、寮でインフルエンザが大流行
7月中旬、オーストラリアの冬。12歳の息子が一時帰国からボーディングスクールに戻って1週間が経ったころ、学校からこんなお知らせが届きました。
「寮内でインフルエンザBの複数感染が確認されています。健康管理には十分ご注意ください。」
そしてその数日後、息子から電話。
「俺の部屋、4人部屋なんだけど、俺以外全員インフルでいま部屋にひとり…」
え、それってかなりの流行では?
というわけで今回は、オーストラリアのボーディングスクールで、子どもが体調を崩したとき、実際どんな体制で支えてもらえるのか。寮内の看護体制、薬の扱い、GPへの受診、そして保護者が提出する医療同意や保険(OSHC)のことまで、実体験をベースに紹介します。
部屋のつくりと、アロマで整える冬の寮生活
うちの息子が寮で暮らすのは、4人部屋。といっても、それぞれに仕切りがあり、顔を突き合わせて寝るような構造ではありません。各部屋の入口にドアもないので、空気は流れやすい設計になっています。
そして冬になると、ハウスマザーが寮全体にユーカリのアロマを焚いてくれるのが恒例。息子はこれが大のお気に入りで、一時帰国したときには日本の部屋でも同じ香りを使いたいと、同じアロマオイルを買っていました。
ワクチン接種は学校で。Term2に全寮生が受けます

毎年4月、Term2の始まりに、寮生全員でインフルエンザの予防接種を受けます。留学生も含めて、原則無料。息子は12歳ですが、ほとんどの寮生が13歳以上ということもあり、接種は1回のみでした。
接種は「VaxWorks」という予約サイトを通じて、保護者がスロット(時間帯)を選んで予約し、オンラインで接種に同意。接種後にはワクチンのロット番号や、接種した医師の情報がメールで届きます。
こういう体制がしっかりしているのも、ボーディングスクールならではだなと思います。
ナースが常駐、GPと連携。寮の“病人対応”はこうなっていた

息子の寮には24時間体制でナースが常駐しており、体調を崩したときにはまず寮内のナースルームに隔離され、必要に応じて薬の処方を受けます。今回はインフルエンザの感染者が寮内で多くなったため、ナースルーム以外の場所に隔離病棟が一時的に設けられているそうです。
ちなみに、あるとき息子にクループのような咳が出たことがあり、日本時間の朝5時(現地6時)に、ナースが息子のスマホから私にテレビ電話をかけてきました。
「咳の音を聞いてもらえる?GPに行かせた方がいい?日本でもこういう咳はあった?」
ちょうどその日はオーストラリアが三連休中で、GPに行くなら開いている場所を探したり、追加料金がかかったりする日。私は「そこまで重くなさそう」と伝え、ナースも同じ見立てだったので、寮内で薬を出してもらって様子を見ることになりました。
「私はあと2時間でシフトが終わるけど、次のナースに引き継いでおくから大丈夫よ」
と、最後まで丁寧に対応してもらえました。
なおナースによる診療や薬の提供は、すべて寮費に含まれていて無料です。またテレビ電話で症状説明というのも、現代っぽくて大変便利でした。
病院に行く判断と、マスク着用のルール
症状が重いと判断された場合や、親から希望があった場合には、GP(General Practitioner:地域の一般医)に連れて行ってもらうこともあります。
日本でいう“町のお医者さん”のような存在で、必要に応じて専門医への紹介もしてくれる初期診療のプロです。息子がお世話になったことは、まだ幸いありません。
そして寮内では病気から回復したあとも、数日はマスクの着用が義務づけられているようです。
息子曰く「インフル明けの子はみんなちゃんとマスクしてる」とのこと。
コロナを経た今、マスクに対する抵抗感はどの国でもかなり減っているのかもしれません。
医療の同意と保険の仕組み:親として押さえておくべきこと
オーストラリアのボーディングスクールでは、「Boarders Medical Consent Form」という医療同意書を毎年提出します。
このフォームでは、
どんな薬を学校の判断で投与して良いか(Panadol、咳止めなどそれぞれに同意が必要)
入院する場合は、公立病院か私立病院のどちらに運ぶか(費用が大きく異なる)
専門医に連れて行くことへの同意
夜間救急搬送の許可(費用は自己負担)
など、緊急時の判断を学校側に委ねる内容が細かく設定されています。
そして、もうひとつ大事なのが医療保険のこと。
オーストラリアでは、学生ビザ(Subclass 500)を取得して留学する生徒は、OSHC(Overseas Student Health Cover)という医療保険への加入が義務づけられています。
うちは nib(ニブ) という保険会社のプランを使っています。
この保険では、
一般医(GP)の受診
処方薬の一部
救急搬送
入院費(公立病院中心)
などがカバーされ、あとから請求して自己負担分が戻ってくる仕組みです。
ただし、歯科・眼科・理学療法などは基本的にカバーされないため、保護者が提出するConsent Formでも「必ず一時帰国時に済ませてください」と強調されていました。
おわりに:8年間、熱なし継続中…!?
実はうちの息子、4歳のときにインフルエンザにかかって以来、現在まで一度も熱を出したことがありません。
今回も「ひとりだけ感染せずに乗り切れるのか?」とドキドキして見守っているところです。
オーストラリアのボーディング生活では、子どもの体調不良にすぐに親が駆けつけることはできません。
だからこそ、「いざというときに、どこで、誰が、どんな対応をしてくれるのか」を知っておくことが、親にとっては何よりの安心につながると思います。
🟩この記録は「オーストラリア寮生活」シリーズの一部です。
12歳の寮生活について、金銭管理・デバイスルール・持ち物・食事なども書いています👇
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