#105 オーストラリア寮生活㉗|まだ学校はあるのに!学期末を待たずに「誰もいなくなる」寮のリアル
オーストラリアの私立校に通う、中学2年生(Year 8)の長男。
オーストラリア留学といえばホームステイが主流なイメージがありますが、息子の学校には寮があるため、現在はそこで寮生活を送っています。
ひと口に「寮生」と言っても、実はその背景はさまざま。
大きく分けると、以下の5つのタイプに分かれます。
遠く離れた海外から来ている子(わが家の息子のように)
パプアニューギニアやニュージーランドなど周辺国から来ている子
オーストラリア国内の別の州(飛行機で数時間の距離)から来ている子
学校から車で1時間ほどの地域に住み、通学が大変なので寮に入っている子
学校から車で30分ほどの距離に住んでいながら、あえて寮生活を体験している子
息子のような「①」のパターンで最も多いのは中国籍の子。
私の体感にすぎませんが、韓国系の方は母子留学で通学しているケースが多い印象です。日本人は…全然いません。
さらにいうと、中華系の子の多くはオーストラリアのパスポートを所持しています。親戚が現地にいたり、親がオーストラリアと中国の二拠点生活をしていたりするケースがほとんどです。
つまり、
「親が遠方に住んでいて、学生ビザを所持し、現地に親戚がいない」というわが家のようなケースは、寮生が100人いたら片手で数えられるほどの圧倒的少数派。
日本人がイメージする寮生活といえば、イギリスやアメリカのクラシカルなボーディングスクールかもしれませんが、オーストラリアの寮は少し毛色が違うのです。
ルール無視!?学期末に誰もいなくなる寮のミステリー
そんなオーストラリアの寮生活の「リアル」が最も顕著に表れるのが、学期末です。
年間4学期制(Term 1〜4)のオーストラリアの学校では、それぞれ学期末にテストがあります。テストが終わると、最終日までの数日間はテストの返却や、通常とは少し違う「ふんわりとした授業」が行われることが多くなります。
ちなみに息子の学校では、建前上
「遠方からのフライトや電車の時間に配慮する」という理由で、
学校最終日の2日前から寮生は正式に帰宅して良いルールになっています。わが家も日本への直行便が1日1便(午前発)しかないため、寮が閉まる前の授業最終日のフライトで帰国せざるを得ません。
しかし、実情はなぜかルール以上。
なんと、登校最終日の1週間前あたりから寮生がぽつぽつと帰り始め、2日前にはほぼ誰もいない状態に。
ほとんどの子は自分のテストが終わった瞬間に退散するようですが、中には学校が終わる2週間前(つまりテスト期間中)に帰ってしまう強者までいるらしいんです。
「そんなに早く帰って何してるの?」と息子に聞いても、
「知るわけないじゃん」との答え。
テストすら受けずに帰る理由は未だに謎です…
実はサブクラス500(学生ビザ)保持者は寮にあまりいない
長男は、学生ビザ(サブクラス500)の所持者。
出席日数や成績がしっかりモニタリングされており、基準を下回るとビザ取り消しのリスクもあるため、「テストを受けずに帰る」という選択肢は絶対にありません。また授業の出席も可能な限りしておく、というのがセオリーです。
しかし先ほども書いたように、わが家のように学生ビザを取得してアジア圏から正規留学している寮生は、実はかなりの少数派。
Year 8(中2)くらいだと、ビザのしがらみがない現地パスポートの子たちは、出席日数もテスト結果も大して気にしていないのかもしれません。
その結果、最終日に寮に残っているのは、だいたいYear7~12トータルでわずか10人以下(全体の6%くらい)。
ハウスマザーがお世話しやすいようにと学年関係なく1つの建物に集められ、長男はYear 12(高校3年生)の空いた個室を使わせてもらえることもあります。「個室に泊まれた!」と本人はご満悦でした。
贅沢だけど気まずい?「寮に1人ぼっち」事件

ビザの規定もあり、授業があって寮が開いている以上はギリギリまで学校に残る長男。わざわざ早く日本に帰ってくる理由もないからです。(親としては、学費分はちゃんと学校に行って欲しいという気持ちもある)
しかし、周りがさっさと帰ってしまうため、過去にはついに
「寮生が息子ただ1人」という信じられない事態が発生したこともありました。
たとえ生徒が1人だけであっても、学校のサポート体制は同じ。
その結果、どうなったかというと……
寮長: もちろん通常通り出勤
ハウスマザー:もちろん通常運転
チューター(若めの指導者): 生徒1人のために5人以上全員が出勤
食堂: コックのおじさんが出勤(さすがにビュッフェではなくワンプレートの提供だったそう)
ランドリー: 1人のために洗濯担当のおばさんが早朝から出勤
保健室: ナース数人が夜通し待機
そう、長男ただ1人のために、大人がフル稼働する状況になってしまったのです。 これにはさすがの長男も「ちょっと気まずかった」とのこと。
特に若いチューターのお兄さんたちは、寮生が誰もいないなら夜にみんなで飲みに行こうと計画していたらしく、「自分1人のせいで全員残らなきゃいけなくて、微妙だった……」と振り返っていました。
とはいえ、先生からホットチョコレートをご馳走してもらうなど、VIPのような特別待遇も受けて本人もまんざらではなかった様子。
期間もせいぜい1〜2日のことだし、学校自体は通常通り動いているので通学の友達もいれば、放課後のクラブ活動も普通にあります。
寂しがることもなく、楽しく過ごせたのは幸いでした。
それにしても、ほかの子たちはどうしてあんなに急いでさっさと自宅に帰ってしまうのでしょうか。
他の国のボーディングスクールでも、同じような現象が起きているのか気になるところです。
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