#30 オーストラリア寮生活⑨|寮生活とラグビーが育む一体感
2週間の滞在を終えて日本に戻りました。
この間、学校での暮らしや保護者との交流をいろいろ見てきたのですが、まずはやっぱりスポーツの話から。
とくにラグビー。オーストラリアでは花形競技で、息子の学校も例外ではありません。国の代表選手を輩出するほど盛んで、寮生にとっても週末の一大イベントになっています。
全寮生の憧れの的「ラグビートップチーム」
ラグビーは年齢ごとにU11〜U16に分かれ、それぞれA・B・Cチームに編成されます。人数が少ない学年はBまで、多い学年はCまで。
さらに年齢とは関係ないトップチームがあり、そのトップチームも実力別に4ランクあります。つまり、学年を超えた“学校代表チーム”がピラミッド状に構成されているのです。
年齢別(U11〜U16):A〜Cチーム(人数によって変動)
トップチーム:学年横断で4ランクに分かれる
その中でもトップオブトップのチームは、寮生が半分以上を占めています。強くてジェントルマンな彼らは、全ボーディング生の憧れなんです。
ちなみに、各チームには必ずコーチが付きます。息子のコーチは同じチームの生徒のお兄さんで、学校の卒業生。若いOBが戻ってきて指導するのは、伝統とコミュニティが強い証拠だと感じました。また学年全体には先生やスタッフがコーディネーターとして入り、体制がしっかり整っています。
シーズン中の練習は週3回ほど
シーズン中のラグビーの練習は、週2回の放課後全体練習。
さらに週1回、キックやスクラムなど特定スキルに特化した朝練があります。どの朝練に参加するかは自分で選ぶ仕組みです。
本気でやっている子は、これに加えて外部クラブにも所属。つまり週3どころか、ほぼ毎日ラグビー漬け。12歳でも「ラグビーを本気でやる」と決めたら生活の中心が完全にスポーツになります。
ラグビーシーズン中の週末は、ほとんど試合

クイーンズランド州には私立校で作るスポーツのリーグがあり、シーズンに入ると、所属している9校との総当たり戦が始まります。
Term3は全部で10週あり、そのうち9週が試合。ホームゲームとアウェイが交互にやってくる仕組みです。12Aなら相手の12Aと、12Bなら相手の12Bと試合というのが基本ですが、学校によってCチームがない、Dまでチームがある、などばらつきがあるので、シーズン前に学校同士で調整をして、試合のないチームがないように配慮されています。
スタメン発表は試合の2日前
試合のタイムテーブルは5日前、チーム編成(スタメン表)は2日前に発表。
とはいえ「スタメン」といっても、スタメン落ちするのは
練習に参加していない
けがをしている
という子だけなので、初心者の息子も当然のようにBチームのスタメン。これは新しく始める子にとって本当にありがたい仕組みです。
【アウェイゲーム】寮生にとっては一日仕事
アウェイの試合は、寮生にとって一日仕事。一番早い試合の時間に合わせて全員でバスに乗車するからです。
自分の試合が12:30でも、朝6:30に出発。帰りもトップチーム(14:30開始)の試合が終わるまでバスは出発しません。
通いの生徒は、自分の試合が終われば親に連れられて帰りますが、「一試合のために丸一日」が、寮生の週末の現実です。まぁ仕方ないですね。
お昼ごはんは相手校が用意してくれていて、寮生はクーポンでハンバーガーとチップス+飲み物を受け取ります。どの学校へ行っても同じように整えられているのが、リーグ全体の「文化」のようです。
【ホームゲーム】重要な役割を果たす寮生
ホームゲームの日、寮生は自分の試合時間にあわせて寮の食堂(土日も開いています)で食事を済ませ、校内を抜けてフィールドへ。
学校にはラグビーフィールドが4面あり、同時並行で試合が進んでいきます。
私も実際に観戦しました。U12は20分ハーフ、息子は交代なしのフル出場。
私が理解するラグビーのルールは怪しいものがありますが、ボールを抱えて走る姿やスクラムに加わる姿を見られたのは、嬉しい時間でした。
観戦マナーは学校側からリマインドされる
保護者達は、両チームになんとなく分かれて「go!go!」とか「keep」とか叫びながら応援していました。
でもこのリーグに参加する学校同士の取り決めとして、親も紳士淑女的な応援を心がけるというルールがあるので、自分の子を怒鳴ったり、やじったりするような親はまったく見受けられず、お行儀よく観戦していました。
観戦ルールはタームごとに親に対しても逐一リマインドされます。スポーツマンの親らしい振る舞いが求められるのです。

さて、寮生は自分の試合が終わると、時間があれば寮に戻ってシャワータイム。しかし14:30からのトップチーム戦には必ず応援に戻ってくる必要があります。スポーツが寮生活のリズムに完全に組み込まれていることを実感しました。
パグパイプバンドと花道、そして会場を震わせる伝統のWar Cry

トップチームの試合は別格です。
まずパグパイプバンドの演奏に合わせて選手が入場します。エスコートとして手をつなぐのは、小学生たち。観客も総立ちで迎えます。
在校生は花道をつくり、肩を組んで伝統の「War Cry」を叫びます。War
Cryとは、いわゆる応援コール。試合前や勝利のあとに学生全員で叫びます。ここにいる学生が少ないと貧相に見えるので、学校の威厳を保つためにも(?)、寮生はきちんと応援に戻らなければならないのです。
War Cryが響いた瞬間、会場全体が震えるような迫力に包まれます。スポーツを超えた学校文化の力を体感した忘れられない時間でした。
卒業生の日・Boarders Day…ホームゲームは学校全体のお祭りに
ホームゲームはただの試合ではなく、学校行事とセットで開催されるのも特徴です。
「卒業生の日」にはOBたちが一堂に集まり、同窓会さながらの雰囲気に。
わたしが滞在中に参加したのはちょうど「Boarders Day(寮生の日)」で、寮生がくじ引きブースを運営し、売上を寮の活動に充てていました。
このようにホームゲームではさまざまなブースが立ち、寮生は店番をすると学内で使える電子マネーがもらえる仕組み。毎回息子も喜んで参加しています。
ホームゲームはスポーツ+文化+コミュニティが融合したお祭りそのもの。学校全体が熱気に包まれる瞬間を目にしました。
まとめ
ラグビーは単なる競技ではなく、学校全体が関わる一大行事でした。
寮生にとっては「週末の過ごし方」であり、留学生の親にとっては「学校文化を肌で感じる場」。
日本の部活動と似ているようで全く違う、オーストラリア私立校のスポーツ事情。その熱気を少しでも伝えられたら嬉しいです。
オーストラリアの寮生活では、スポーツはただの授業外活動ではなく、生活そのものと深く結びついています。なお、全体的なスポーツなどの課外活動に関する紹介は、こちらの記事で詳しく書いています。
そのほかにも寮生活の実態については、他にも「勉強」「食事」「金銭管理」など、親目線で記事にまとめています。
👇 こちらのマガジンにまとめていますので、ぜひあわせてご覧ください。
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