Windows PCがハードウェア部品の自由なら、Macは
YouTubeでアンチMacという人の動画を見かけたら、Windows PCはハードウェア構成が自由だが云々という主張でありました。正しいんだけど、それは一方の事実を見落としているように思えるのです。
ハードウェアの自由と、ソフトウェアの自由
RAMやSSD、グラフィックカードなどを自由に選択したり入れ替えられることがWindows PCのメリットであり、Macにそれがないという主張でした。

それは、正しいんですが一方向からしかものを見ていないように思うのです。
Macの側にはハードウェアの構成には自由はありませんが、各ソフトウェアを「部品」として組み合わせて、自由に動かせるという「ソフトウェアの自由」があります。

AppleScriptなどで、GUIアプリ同士を組み合わせ、自分がやらせたい作業を楽にこなすことができます。多くのアプリがそれに対応していますし、対応していないくても強引に動かしたり(GUI Scripting)、OSのCocoa Framework自体を呼び出して対応アプリが存在していない機能を呼び出したりもできるのです(地図表示など)。もちろん、UnixベースのOSなのでshell commandレベルのツールも組み合わせて使えます。
ソフトウェアを組み合わせると、未知の道具ができる
やりたいことが、既存のアプリですべて実現できるならよいのですが、できなかったり、割と無理な作業が必要だった場合には、複数のアプリを組み合わせ、それらの間を取り持つデータの変換などをスクリプトで実現できたほうが便利です。
目的があって、作業量が割とあって、それを確実に終わらせる必要のあるユーザー(しかも、そのために人間を雇う予算とかはない)にとっては、自由があって便利です。
さらに、人間が目で見て判断しなくてよいレベルまでスクリプトを作り込めば、Mac数台で同時に処理することも可能です。
つまらない繰り返し労働、複数のアプリ間のコピーペースト作業、さまざまなデータをもとに行う集計……
そういうものを、アプリを組み合わせて自動で動かすことによって実現します。Macの環境にあるのはそういう自由なのです。
別に、高尚なことではない
いろんな場所のSNSを覗き回ってみると、Intel Macの時代のハードウェアで部品を取り替えることを楽しんでいる方もまだおられるようです。
そのこと自体を否定するものではありませんが、それは「ハードウェアいじり」そのものを趣味にしているだけであり、ハード+ソフトの組み合わせであるmacOSの環境自体を使って何かを行なっているわけではありません。
目的や、やるべきことを持たない人もいるということなのかもしれませんが、自分にはそれは「同じ場所をぐるぐる回っているだけ」に見えてしまいます。
たとえば、macOSに標準装備されている多数のツールによってAppleScriptを呼び出せるようになっています。知らなければこれらの価値には気づかないことでしょう。macOSの一番おいしい部分をまるごと無視していたとしたら、ひじょーにもったいないことです。もったいなさすぎです。
メニューからScriptを呼び出せる「スクリプトメニュー」。アプリごとにメニュー内容を自動で切り替えられるようになっており、特定のフォルダ以下に入れたScriptを階層メニューとして表示して実行できるようになっています。すべてのMacに入っているため、買う必要も何もありません。オンにするだけです。
フローティングパレットからAppleScriptを呼び出せるSwitch Control。これも、複数アプリ用のScriptを貼り付けたそれぞれのパネルを「パネルエディタ」で作成しておき、最前面のアプリによって自動的に切り替えられます。
フォルダアクションという、指定フォルダにScriptを指定しておくと、ファイルの追加、削除、移動の操作をキーとしてScriptを実行してくれる仕組みも標準装備です。
Script自体を簡易アプリケーション(アプレット、ドロップレット)として書き出して、運用することも可能です。
そのほか、OS標準装備ツールとしてはTerminal上でAppleScriptを呼び出すosascriptコマンドなどもあります。
サードパーティ製のソフトウェアまで入れると、左手デバイスのStream DeckからAppleScriptを呼び出せたり、ファンクションキーを押すとScriptを実行するものまで、さまざまなものが存在しています。
ハードウェアのパーツを買うことと同様に、ソフトウェアのパーツを買ってシステムアップしていけるわけです。これがMac側のソフトウェアの自由なのではないかと。
