【CL東京予選全勝】デラックスボム×ドラパルト超解説 約16000字
もやしの達人です
@moyasinotatuxin
CL東京を予選全勝1位通過→ベスト16した帝王式デラックスボムドラパルトについて超解説します。
■『ドラパルトex』の構築方針

ダメカン6個を、相手のベンチポケモンに好きなようにのせる。
単純な火力と違い、20点という絶妙に倒し切らない火力&自在に操れる6点で相手ポケモンのHPを超過させ過ぎずに計26点を乗せられる、大変コスパが良いワザ。
特に裏に構えているシステムポケモンや次のアタッカーなど複数のポケモンを同時に処理できてしまうため、現環境において最も制圧力の高いものだと思います。
さらに、ばら撒いて相手のポケモンを倒さずに最後に回収することでナンジャモへの耐性を得られる&キチキギスの特性を発動させずに相手の要求を上げられる動きができるのも唯一無二の長所。
その反面、リザードンexのようにエネ加速は自己完結していない上2色必要で、常に盤面に手札からエネルギーを補充し続けなければなりません。
26点を効率よく盤面に蓄積させ、一回一回ではなく試合を通しての総合ダメージ量で勝負する戦い方になります。
現実的には相手の盤面のサイド1枚あたりのHPは最大130前後に落ち着くので、1ゲームにファントムダイブを3,4回宣言することをいかに目指すか、のアプローチを考えます。
これは大きく分けて三つ。
①速攻力を伸ばす
②持続性を強化する
③すぐに負けない盤面を作る
①速攻力を伸ばす
きらめく結晶の登場により、ペパー1枚からのファントムダイブ到達率が飛躍的に上昇しました。
1ゲーム内にファントムダイブを多く宣言する
→相手がサイドを取り切る速度を速度で上回ればよい
故に、ファントムダイブを宣言するターンは早ければ早いほど価値があります。
また、リザードンexなどの二進化デッキは序盤種ポケモンが並んでいる状態が一番盤面の総HPが低いため、その時にファントムダイブを打ち込めるとサイドレース的にもかなり優位に立てるわけです。
相手のヨノワールを未然に防げる点も良いです。
ドラパルトexも二進化デッキであるが故に、ヨノワールによる低HP狩は効きます。ただヨマワルはHP60なので先にファントムダイブを宣言できれば悪さされないというわけです。
②エネルギーの持続性を強化する
先程述べた通り、エネルギー加速が自己完結していない以上、常に手札から補ってやる必要があります。
きらめく結晶やアカマツの登場によりエネルギー加速手段に多くのデッキ枠を割かずに済むようになったとは言われるものの、依然手札からのエネルギー供給への依存は変わらず、特にライコのようなドラパルトexを一撃で倒してくるような相手に対しては毎ターン要求され続けることになります。
また、早めのファントムダイブが強いからといって突っ込んだ結果、相手のアンフェアスタンプで崩壊し、結局二体目のドラパルトが続かないとなれば本末転倒です。
そのためネイティオのような、エネルギー供給の安定的な手段でありつつ2枚ドローというおまけまでつけられているものには一定の価値があります。
③すぐに負けない盤面を作る
相手がサイドを取り切るまでのターンを伸ばす
=1ゲーム内に宣言できるファントムダイブの回数が増える
ことでもあるため、すぐに負けない盤面を作るのも一つのアプローチです。
具体的には、ロトムやピジョットなどの耐久性が低く簡単にサイドを取られてしまうポケモンを極力盤面に置かない、もしくは倒される前に回収することなど。
◾️目指すべき方向性の考察
(1) 既存の型を分析する
大前提、ブライアやヨノワールの登場、アグロデッキの台頭などでゲームスピードが格段に上がっており、それに追いつける、もしくは捲れるような組み方のみが生き残っています。
現状確認されている型は
・ロトムピジョット(ヨノワール)+きらめく結晶型
・ロトムヨノワール+きらめく結晶型
・ネイティオ+アンフェアスタンプ型
など。
ロトムピジョット+きらめく結晶型

はるnさんが過去に自主大会で使用されていたもの(2枚くらい違うかも)
ロトムヨノワール+きらめく結晶型

ドイツRegionalにておかぴーさんが使用し優勝された構築
ネイティオ+アンフェアスタンプ型

CL東京マスターベスト16のリスト
◇きらめく結晶採用型の特徴

不思議な飴を多投して二進化ポケモンを主体に盤面を作る型です。
他の環境デッキの中ではピジョリザの組み方に近い。
・ペパー1枚からファントムダイブまで繋がる
→ファントムダイブまでのターンが短くなる(2ターン目ファントムダイブの成功率が上がる)
・エネルギー加速札に枠を割かずに済む
→色々な種類のサポートや、ヨノワールラインなどがその枠に採用できる
構築方針としては①速攻力を伸ばす方面に特化しています。
先述の通りファントムダイブのターンは早い方が強いので、相手よりも先に動いた時のデッキパワーは相当なもの。
さらにピジョットを採用することでそのターンに使いたいサポートを自由に選べたり、ヨノワールラインで本格的に相手の盤面を崩壊させにいったりできるのが強力。
ゲームスピードが上がっているのであればスピード感で対抗でき得るこの組み方は一見すると一番環境的適性が高いように見えます。
◇ネイティオ型の特徴

打って変わって、ドロンチなどの一進化ポケモンで盤面を整えつつ比較的ゆっくりと立ち上がる型です。
他の環境デッキの中では比較的サーナイトに近い?
・エネルギー供給が安定する
→ドラパルトがワンパンされても立て直しやすい
・システムポケモンが複数体並べられる
→サポート力が分散しており1体倒されたところで簡単には止まらない
結晶型とは違って、今度は②持続性が強化されています。
現在タケルライコexデッキがTier1に君臨しており、ドラパルトを一撃で仕留められてもすぐに復帰可能なネイティオ型のバリューは高いです。
ただしファントムダイブまでは結晶型に比べて遠くなるため、多くの場合はアンフェアスタンプを採用されており、それで出遅れる分を補う形です。
アンフェアスタンプはドラパルトの盤面制圧力及び撒いてサイドを調整し一気に回収するプレイに非常にマッチしており、むしろそれを使いたいがためにネイティオ型が選ばれているとも言えます。
(2)大まかな構築基盤の選択
様々な型がありそれぞれ利点が存在することは確認しましたが、もう少し深堀し、最適解を模索していきます。
◇環境の視点から考察

おすぎさん(@osgggg)が公開されているデータより引用。
CL東京DAY1のマスターリーグのデータなので、あくまで当時はこういう感じだったよ、というやつ。
タケルライコが圧倒的なシェア率を誇っており、それに呼応してリザードンexが再評価、逆に直前にシティリーグなどで話題になったボムパルキアはそこまで伸びず。
テツノイバラ単デッキが環境に非常にマッチしていると事前に噂されていた通り、実際上位卓にはかなりの数がいた模様。
上のデータは後から見た結果ですが、事前に予想していたものと概ね一致していました。
ライコに対しては②持続性が強化されている構築である必要があり、テツノイバラに対してはexやVの特性に頼りきらない(=ドロンチを並べられる)構築であることが望ましいため、環境的にはネイティオ型の方が優勢だと判断しました。
◇そもそも①重視は本当に正しいのか?
先手に回り早い段階でファントムダイブ宣言可能で押し切れる構築である
⇔後手に回る展開になった時にも勝ち切れる組み方になっているのか?
※先手・後手とはじゃんけんの勝ち負けというよりは展開上動き始め攻撃し始めるのが先かどうか
ファントムダイブはさっさと使った方が良いならば速攻性を高めた構築が非常にマッチしていて良いことづくめに見えます…が、欠点はその盤面の脆さ。
仮に後手に回る展開になったとき、
・最速ファントムダイブの構築的優位性が若干薄れてしまう
・ファントムダイブを使うにあたってロトムやピジョットのような倒されやすいポケモンを大量に展開するため、勝つまでのターンが短い分、負けるまでのターンも短い
さらに、
エネルギー供給が常に要求札としてあるので、マッハサーチの自由度も思ったほど高くない
→不用意に攻撃することで結局アンフェアスタンプやネジキヨノワールなどが飛んできて捲られてしまう可能性が常につきまとう
つまり、その速度や器用さに伴って圧倒的なデッキパワーを手にしているように見えてはいるが、それと同時に逆転やストレート負けも許してしまいやすくなっている。
このアプローチは②持続性強化、③負けない盤面作りとは一定分相反している、いわば諸刃の剣。
メリットと一緒に同じくらいのデメリットを背負わされるわけです。
②に特化した構築(ネイティオ型)が①において不得意である部分を補う工夫は色々あれど、その逆は中々難しい。
故に、押しの展開においては確かにファントムダイブの制圧力を存分に発揮できそうではあるものの、じゃんけんや引きの問題で押される側に回ったときに比較的リスクが大きいこと、及び相手のアンフェアスタンプへの耐性の低さなどで、これに特化した組み方は総合的に考えての評価は低いと考えました。
誤解のないように補足すると、飴多投結晶型であってもアンフェアスタンプなどの逆転要素を警戒したプレイングをするべきですし、押し切った方が強い時には押し切る、そうでない時はステイすることも一応視野に入れる、と使い分けもできるのがこの型の強みであるとは認識しています(大抵ファントムダイブは早い方が強いのは間違いないですが)。
変に突っ込んで負けるのはプレイングの問題も大きい。
ただし、繰り返しになりますがそのゆっくりしたプレイをベースにした時、やはり結晶型は盤面に隙が大きかったり、エネルギーの持続性の問題でどうもネイティオ型に軍配が上がりますし、押し切りも別にしなくともそもそも割と勝負になるので総合的に見て比較的利点より欠点が目立つと考えています。
相手の速度に追いつくための飴多投という考えもありますが、相手よりも先に動くことを目標としないのであれば飴の枚数を抑えたり、エヴォリューションから入る形で事足りるはずです。
速攻力を伸ばす組み方=エネルギー供給が苦手でかつ盤面に置物ポケモンをたくさん置く組み方である
という前提で語っていて不十分ではありますが、飴進化に特化している組み方でネイティオのようなカードを高い再現性をもって両立することは中々難しいこと、飴進化手貼り結晶ダイブに安定して到達するには封印石ロトムなどの補助ポケモンが必須級であることより、大雑把ではあるもののこういった議論は成り立つと思っています。
なお、ヨノワールが爆発するとお互いのサイドが減り試合ターンが短縮されてしまうため、あまり悠長に構えていれば痛い目を見ます。
リザードンくらいならまだしも、もっとボムに特化した構築が台頭した暁には(というか今現在はもうしつつあるが)、それを防ぎやすい最速ファントムダイブができる型に環境的優位性が生まれて評価がまた逆転する可能性はあります。
これらの要素により、結晶型とネイティオ型のメリットデメリットを天秤にかけてネイティオ型の方が良いのではないかというのが今の見解です。
構築の大まかな基盤はネイティオ型に決定しました。
(3)ネイティオ型の短所をどうやって埋めるか?
①速攻力を伸ばすアプローチはあまり重視していないので、
・基本的に相手に先に動かれる
→何かしらの妨害・捲り手段を用意してダメージレースを間に合わせる必要がある
どういった手段が存在するかを順番に確認していきます。
テンプレ:序盤から手札干渉で妨害する
これに重点を置き、アンフェアスタンプを採用して相手の理想的な動きを阻害するのが最もメジャーな方法。
ファントムダイブというワザが手札干渉と相当に相性が良く、もはやこれがこのデッキのコンセプトだろと言えるほど強いです。
後手捲り系デッキの定番なので第一候補に挙がりますが、出遅れても純粋なダメージレースで勝てる手段が用意できるのであればそれに越したことはないです。
(そして現にそれを実現でき得る別のACE SPECがデラックスボム)
Ⅰ:打点補助して追いつく
ファントムダイブのターンが遅いのであれば、何かしらの打点補助を行って遅れを取り返すのも一つの手です。
ゲームを終わらせるために必要なファントムダイブの回数を減らせ得る何かしらの手段を探した時に、このACE SPECにたどり着きます。

このカードをつけているポケモンが、バトル場で相手のポケモンからワザのダメージを受けたとき、ワザを使ったポケモンにダメカンを12個のせる。その後、このカードをトラッシュする。
未だに採用されている構築を見たことがありませんが、
・このカード1枚でヨノワール一体分の働き(しかもサイドを献上しない)
・様々な対面で攻撃回数を一回分省略可能
→総合ダメージで勝負するドラパルトにとってはかなり相性の良いACE SPECになりそう
かなり雑な考えですが、きらめく結晶がファントムダイブのターンを1ターン早めているとすれば、デラックスボムは1ターン分省略できるので同程度の能力。
これにより、今までではあり得なかった、ダメージレースそのものを大幅に強化するアプローチが見えてきました。
Ⅱ:③にもっと重点を置く
再び書きますが、
相手がサイドを取り切るまでのターンを伸ばす
=1ゲーム内に宣言できるファントムダイブの回数が増える
特に、
ロトムVを置くと大体どこかで倒されてしまう
→安定感を上げるために盤面に置いてもそれが負け筋になるならば本末転倒では?
今回に関してはデラックスボムを採用するので、
裏に置物がいる=デラックスボム付きのアタッカーが無視できてしまう
点でもここは問題。
ましてやデラックスボムでサイドを取り進めていくと相手にカウンターキャッチャーを使う権利を与えることも多いので、それでも問題が生じない盤面を作らないといけません。
ロトムVを置く/置かないは状況に応じて選べるものですが、そもそもロトムVを置かずに済むような、ビーダルパオジアンのように非エクで固められるような盤面を作ることをコンセプトに考えてみます。

ただし、
安定感低下のデメリット>ロトムVを毎試合置かないメリット
となっては元も子もないので何かしら工夫は必要そうです。
「事故回避にクロバットVを採用することも視野だが、出したところで負け筋になるため不採用」といった昔よく目にした考えと同じ。
Ⅲ:サイド1のアタッカーを採用する
ファントムダイブの宣言回数の確保が最重要課題であると取り決めましたが、その本質はダメージレースなのでファントムダイブだけにこだわる必要はありません。
サイド2のアタッカーを連続して使うよりは、途中サイド1のアタッカーを挟めた方が攻撃回数は増えます。
何よりも、Ⅱのような非エク盤面を作るのであれば、盤面にexがいない状態でサイドを進めるターンを作れます。
エネルギーの色や打点的に、ここではかがやくリザードンが最適。
それだけでなく
・ヨマワルなどファントムダイブのダメカンの置き先をアタッカー以外にしなければならない時が増えた
→かがリザの正面火力の高さの評価向上
・相手のアタッカーに乗っているダメカン次第で負けん気込みで34点まで見れる
・ドラパルトを一撃で倒してくる対面にはどうしても厳しい試合になりがちだったが、ドラパルトを立てずにかがリザをメインアタッカーに戦うプランが取れる
など色々と便利でした。
これらⅠ,Ⅱ,Ⅲのアプローチをコンセプトとして構築したものが今回のCL東京ベスト16となったデラックスボムドラパルトです。
構築論やプレイ面が既存のものとは大きく異なることになった今までにないこのデッキについて、これから詳細に解説していく。
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