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人工生命のドクマについて(強人工生命、階層意識、創発、ボトムアップ)ー人工生命システムを人間が構築するときー

人工生命のドグマにはいくつかある。

主なものを4つほど見てゆきたい。

①強人工生命

強人工生命は、単に生命の振る舞いをシミュレーションするだけでなく、人工的に構築されたシステムを「生命そのもの」と見なす考え方である。

生命の本質はシステム機能であり、システムとしての機能が同じならば等しく生命であるとみなす。

そのため、コンピュータ中のソフトウェアもロボットなどの機械生物も、さらに現代の社会経済、インターネットでさえも生命のいくつかの特徴を持っていれば等しく生命、つまり強人工生命とするのである。

②階層意識

自然は階層構造を成している。

下部には素粒子を最下層とし、上方向へ向かって原子・分子の物理世界があり、その上部には遺伝子、細胞、組織の生物学世界があり、さらにその上部には個体、群、社会、文化、精神の世界があるとする考え方である。

階層というものは、物理的に物質が建物のように積み重なるのではなく、物の認識や見方が階層的になされるということである。

人工生命(ALife)における階層意識とは、単一の知能アルゴリズムではなく、低次の要素(細胞、細胞群)の相互作用から、高次の秩序(個体、意識、生態系)が自己組織化的に立ち上がるプロセスを指す。

生物の階層構造(生体高分子→細胞→器官→個体→生態系)を模倣し、物理的な身体性や環境との相互作用を通じて、意識や知性が「創発」する仕組みである。 

③創発

階層世界の上下の階層の間には、「創発」(emergence)と呼ばれる非線形なフィードバックが働く。

つまり、下位の階層における個々の要素の自由な運動が、上位の階層における全体的なパターンを生み、またこの上位のパターンが下位の境界条件となって個々の運動を間接的に支配する。

例えば、社員の個々の活動により、会社の活動方針や社風が形成され、全社体制が個々の社員の活動の枠を決めているといったことは類似しているだろう。

この社員の部分をロボットやアリさらには生体細胞に置き換えることも可能であり、このような創発関係は一般的に認めらるものである。

生命もこの創発のメカニズムにより生まれ、生命と等価な人工生命も同じく創発的に発生する。

④ボトムアップ、非明示性、無目的性

上下双方向の絡みはあるものの、第1原因は下位の物質的な世界にある。

その意味でシステムはボトムアップに、無神論的に起こっている。

人工生命システムを人間が構築するとき、私たちは下位の運動を明示的に操作されることは許されるが、上位に出現する生命秩序は自然に創発するに任せ、明示的に操作または構成してはならない。

これを非明示性と言い、創発は明示的な目的をもたない。

これを無目的性といい、例えば何らかの目標に向かって進化が起こることはないのである。

ここまで、読んで下さり、ありがとうございます。

今日も、頑張り過ぎず、頑張りたいですね。

では、また、次回。

※見出し画像は、ダリの「十字架の聖ヨハネのキリスト」からです😌

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