COUNTDOWN JAPAN 25/26 12/30(火)
6年ぶりのCDJ、4日目の12/30(火)に行ってきました。同世代であればラインナップにざわついたであろうあの日。
当日のMCで放たれたBase Ball Bear小出氏の言葉を引用すれば、「ロキノンって良いですよねえ」と言いたくなるほど、あの頃のロキノン大集合の宴だった。
聞いた話では、この日の観客の平均年齢は31歳とのこと。20代後半から30代前半にかけての層に刺さるメンツであったことは間違いない。実際私の友人知人たちも、属するコミュニティは違えどかなりの人数が集っていたので、ある次元の同窓会みたいな不思議な感覚だった。

そんな我々リスナーが高揚したラインナップは、アーティストたちにとってもきっと特別な意味があったはずだ。カナブーンの鮪さんもベボベの小出氏もアジカンのゴッチもバンプの藤くんもそんなことを言っていた。
同じ時代を生き抜いてきた同胞への労い、背中を追いかけた先輩ミュージシャンへのリスペクト、これからを担う新進気鋭のアーティストたちへの賛辞。あるいは、世代なんて関係なくこの日集った数多の音楽好きたちへの最大限の感謝こそが、最も大きな意味だったのかもしれない。
アーティストはマイクを通してその言葉を大勢のリスナーへ伝えてくれるが、リスナーから声を大にしてそれをアーティストへ伝える手段はあまり無い。
ここでまたしても小出氏の言葉を引用するなら、私たちは「もっと感謝すべき」だ。いや、ここだけ抜き取ると横柄に聞こえるかもしれないけれど決してそんなことはない、この日現場にいたら全力で首を縦に振りたくなる言葉だった。
この日観たアクトではどのアーティストも2025年リリースの最新曲をセットリストに取り入れていて、尚且つそうした曲が今のパフォーマンスのモードを形作っている。ロキノン大集合と言えど懐古だけではない。もちろん懐古の感情も強く押し寄せてくるものがあって10年以上前のフェス行脚を思い出したりもしたけれど、それよりも"今のモード"を感じられた嬉しさのほうが大きかった。
これはキャリアを積んだベテランバンドだけではなく、若手のアーティストもそう。一発屋なんて一組もいないし、ハッとする新しい曲を彼らは発明し続けている。
つまりは、進化し続けるアーティストがいるからこそリスナーも追いかけ続けられるし、時に懐古もできる。いつでも新しい音楽の形を見せ続けてくれるアーティストたちに私たちは魅せられ続けている。それが当たり前のことだと思ってはいけないなと改めて痛感したようなフェスだった。
そういえば「推しは推せるときに推せ」という言葉を前回のライブ総括記事で引用したのだけれど、藤くんがまさにその話を引き合いに出していた。彼曰く、「いつ活動を辞めるか分からないからライブに行っておこう、という理由じゃない。今ライブに行くことがアーティストたちのエネルギーになるから。」とのことだった。
リスナーに何ができるかなんて限られているけれど、ライブに行く、音源を買う、グッズを買う、言葉として残す、そんな行為で少しでも感謝やエネルギーが伝わるなら伝えたい。サブスクで聴く、も決してネガティブな行為ではないと思っている。そこに意思があって何某かの選択をしているのなら、否定の余地はない。ただ、やっぱり直接的に感謝の意を表現するなら、フィジカルな空間を共有することに尽きるとも思う。あと、ライブって自分にとっても当然楽しいものなので。感謝を伝えつつ楽しめるなんてお得な行為だ。
というわけで、以下、雑多な感想。
リーガルリリー、ムーンステージの熱狂っぷりが凄まじかった。この日すべてのステージは見てないけれど、ムーン1くらいの熱気だったのではないだろうか。ここ数年のお気に入り"キラキラの灰"を聴けて大満足。
同じくムーンステージのLaura day romance、熱狂するタイプのライブスタイルではないものの会場は満員だった模様。1曲目の"Sad number"でフェス寄りのセトリかなと思わせといて、2曲目に"後味悪いや"はシビれた。彼らはもう「センスのある若手バンド」の域をとっくに越えている。詳しくはまた別記事でも書きたいが、膨大なインプットが裏付けする音楽的な雑食性、既存の枠にとらわれない試み、彼らについていけば間違いないと本気で思っている。邦楽の未来は明るい。
アクトに順位付けはしたくないけれど、この日1番印象に残ったのはサンボマスターだったかもしれない。ふざけているようで、それでいていつの間にかしっかりと踊らされてしまうような煽り。バックスクリーンに写る、生命を肯定する歌詞の数々。エネルギッシュという言葉が誰より似合うパフォーマンス。それらが重なって見えて聴こえたときに、自然と笑みが溢れてしまうようなステージだった。"青春狂騒曲"、"花束"、聴きたかった曲を網羅してくれてありがたすぎた。
4人体制で再スタートのKANA-BOON。おめでとう?というのか何と言うべきか分からないけれど、鮪さんが「KANA-BOONが大好きです」と言っていたのが印象的だった。メンバーが変わってもバンドを続けるという選択、それもまた素晴らしいことだと思う。そして最新モードの彼らはまさにこれから駆け抜けていきそうな勢いがあった。"生きてゆく"とか聴きたいねと何の気なしに同行者と話していたけれど、演らなかった理由が物凄く分かる意思表明だった。繰り返すと、懐古ではないということ。
記事の冒頭で「ロキノン大集合最高!」みたいなこと言っておいて、ストレイテナーとBase Ball Bearは最初は間に合ったものの最後まで観なかった。若手とベテランをバランス良く観たい欲が勝ってしまったので。
テナーの1曲目"DSCGRPHY"?最近これなのか!"Skeletonize!"然り、ダンスチューン系統に振っていくのは大歓迎なのでもっと振り切っていってほしい。ベボベも新旧の抑揚が良かった。"夏の細部"を真ん中という配置、素晴らしい。"The Cut"のアカペラが聴こえたところで泣く泣く退散。
TOMOO、凄まじかった。正直ギャラクシーの客入りとしては裏のアレキに吸い取られたのか疎らな印象はあったけど、そんなの関係ないと言わんばかりの圧巻のステージ。ワンマンでもないのにあれだけ自分の空間に持っていけるのは表現力の賜物。アッパーな曲と弾き語り寄りの曲を混ぜ込みつつ、ラストで個人的年間ベストソング級の楽曲"Lip Noise"を生で初めて聴けて、息が詰まるような想いをした。
羊文学、相変わらずスケーリングのバランスが絶妙。"いとおしい日々"は今や定番なのかな?この曲が入ることで、肩肘張りすぎずにライブを楽しめる効能がある。あとラストの"未来地図2025"、今まであんまり注目してなかったんだけど、これめちゃめちゃ良い曲だなと今更ながら気付いた。未来のことを想うってつまりみんな生きていなきゃいけないわけで、それが生きることの肯定でもあるとしたら、サンボの山口さんが提唱したテーマにやっぱり繋がってるんだなと勝手に納得していた。
フクダさん脱退は後から知ったのだけど、素人がとやかく言えることは無い。本当にカッコ良かった、ありがとうございました。音楽活動を続けるならもちろんドラマーとしての活動もウォッチし続けます。
ASIAN KUNG-FU GENERATIONはあんまり言うことなしです!今年もたくさんのエネルギーをくれてありがとうとしか。例年以上にアジカンに浸かった1年の締め括りに、彼らの勇姿を見納めできて良かった。
今回前方エリアが当たってラッキーをもらえたので、パーソナルスペースが確保されて心地良く踊れたライブだった。やっぱりこの日は自分の脳内で勝手に文脈を形成する癖がついていたのか、"ライフイズビューティフル"が特に印象深かった。アジカンみたいなベテランバンドが率先して最高を更新し続ける姿は、本当に頼もしい。
アジカンで前方エリアに行った代償として、BUMP OF CHICKENは相当後ろの方で観た。けれど、アースの最後方のエリアまでバンプに熱狂するファンで溢れていたことは残しておきたい。
実は齢31にして、バンプのライブにそもそも行ったことがなかった。だからこそ藤くんにMCで「ライブに来てくれ」と言われたとき、「まじごめん」と思ったものだった。そもそも藤くんってこんなに喋んの?という所からのスタート。いや、チケット当たらないと聞くし本当に好きな人が行くべきだと思ってて、とか色々理由はあるのだけれど。
バンプも今のモードもカッコ良い。クールな印象ばかりあったので、みんなで朗らかにノれる曲もこんなに増えてるんだなと。とは言え"ギルド"も嬉しかった。
バンプのアンコールは"ray"。
サンボマスターが歌う"Future is Yours"の「君はいたほうがいいよ」から繋がった生命を賛歌するためのバトンが、「生きるのは最高だ」で締め括られる。
音楽性もベクトルも、人生で経験してきた出来事も、何もかもが異なるアーティスト同士で重なるテーマがあること。歌詞を書き下すと野暮だけれど、あれだけ素晴らしい音楽を長年に渡って世界に届けてきた人たちが口を揃える言葉には、これ以上ないほどの説得力と凄みが溢れていた。
纏まりもなく書き殴ったけれど、この何とも言えない感情というか感想は、多分整理してしまうとどこかにしまわれてしまう気がした。おそらくこれが年内最後の記事になりそう。
最後にカッコよく"未来地図2025"の歌詞を引用して〆ます!noteを読んでくださっている皆さま、今年もありがとうございました。
遠く澄み始めた眼差しが
命の輝きを秘めるのは
貴方がどんな貴方だとしても
今がどんな時代だとしても同じ
