違和感になる
違和感が落ちていたので拾ってみた。
今まで見たことはなかったのだけれど、見た瞬間に”違和感”だと思わせる決定的な何かがあった。
拾った瞬間、違和感を持っている手が、ぐにゃりとねじ曲がった。
痛みはないが、曲がっている感覚はある。
このまま持っていては怖いので、おおきく振りかぶって投げてみた。
いや、投げたかと思ったが、ずっと手にひっついている。
厄介な違和感だ。
そこで、食べて分解してしまおうと考えた。
早速口の中に入れると、口がむず痒い。
でも美味しかったり、刺激があったり、甘酸っぱかったりと口の中で味が変化を見せていた。
これは癖になりそうだなと思っていると、だんだんと眠くなってきた。
私の意識が違和感に引っ張られているのだろうか。
意識を過剰に使い過ぎてしまって、その脳の空いた場所に眠気が注入された気分だった。
そうして違和感は私の意識を連れて、下へ下へと沈んでいく。
とうとう私は私の身体から出てしまった。
外から始めて自分の身体を見るが、意外と小さいものだな。
そう感心しているのも束の間、
私の身体は、誰が動かしているかわからないが、歩いて行った。
なんとなく、後をつけたが、数秒後には身体はフラフラっとよろめいて、倒れてしまった。
しょうがないなー。
やっぱ意識がないと正常に動けないんだよね。
そして私は私の身体を食べた。
fin
