ミッションは細心に、ファンづくりは大胆に
黒澤監督の「悪魔のように、細心に」とはなにか
映画監督・黒澤明には、仕事をするうえで大事にしていたモットーがあったといいます。それが「悪魔のように細心に、天使のように大胆に」という言葉です。これは、経営にもそのまま通じる教えだと感じます。
悪魔の「細心」とは、細部まで気を配ることです。悪魔はだれかをだまそうとする存在ですから、まわりからつねに疑いの目で見られています。だからこそ、本当だと信じ込ませることが、悪魔的な能力だといえるのでしょう。
黒澤監督は、撮影で映るはずのない封筒の中身まで、スタッフにつくらせていたそうです。これは、PCの基盤のデザインにまでこだわったスティーブ・ジョブズの姿勢にも通じるものがあります。
グレーがブラックになる前に
この「悪魔のように細心に」を経営に置き換えると、「ミッションの実行は細心に」ということになります。「これくらいはいいだろう」という小さなグレーゾーンが、やがてブラックになっていく。それが経営というものです。
掲げたミッションと、日々の判断や行動とのあいだに、ほんのわずかでもズレが生まれれば、お客さまや社員はそれを敏感に感じ取ります。掲げた言葉と、現場の実態が食いちがっていないか。そこにごまかしがないか。
だからこそ、ミッションの実行には、日々の細部まで気を抜かない地道な姿勢が求められるのです。その積み重ねが、やがて揺るがない信頼につながっていきます。
「天使のように、大胆に」とはなにか
もうひとつの「天使のように大胆に」は、どうとらえればよいのでしょうか。大胆とは、普通とはちがう思い切ったやり方のことです。そのためには、既成概念を外して考えることが必要だと思います。
もっといえば、「手段フリー」であるということ。業界の慣習や、これまでうまくいってきたやり方をいったん手放し、まだだれもやったことがないことを、楽しみながら試してみる。
リスクを恐れて無難な選択ばかりを重ねていては、人の記憶には残りません。そうした天使のような大胆な取り組みこそが、人を惹きつけ、ファンを生んでいくのではないでしょうか。
「ミッションは細心に、ファンづくりは大胆に」
あらためて、本当にそうだと感じます。細心さと大胆さ、相反するようでいて、その両方を併せ持ってはじめて、小さな会社はブランドになっていくのだと思います。
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