第4章「就労支援って、実際に何をしていたのか」
はじめに
第3章では、就労支援の「お金の仕組み」について、私自身が利用者として感じた疑問を書きました。
今回は、お金の話から少し離れます。
では、実際に就労移行支援やB型では、
「一日、何をしていたのか?」
今回はそこを、私自身の経験から書いていきます。
あくまで私が利用した事業所での話です。
すべての就労移行支援やB型が同じではありません。
そのことを前提に読んでください。
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まず、私が利用したきっかけ
私が就労支援を利用した最初の目的は、
「働くために、まず生活習慣を改善したい」
というものでした。
いきなり一般企業で働くのではなく、まずは決まった時間に通う。
生活リズムを整える。
そして、少しずつ働くための準備をしていく。
そんな気持ちで利用を始めました。
利用までのルートも、自分で直接事業所を探して飛び込んだわけではありません。
ハローワークで障害相談支援センターの相談支援専門員を紹介してもらい、そこから面接などのサポートを受けて利用することになりました。
公的な窓口を通して利用を始めたからこそ、
「これなら働くための支援を受けられる」
と、当時は期待していました。
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就労移行支援での一日
私が利用した就労移行支援は、朝9時から16時まで利用できました。
最初に感じたのは、
「学校でも職場でもない、独特な空間だな」
ということでした。
利用者同士の会話は禁止されていました。
そのため、隣に利用者がいても、自由に話すような雰囲気ではありませんでした。
働くための場所なのに、職場とはかなり違う。
学校の授業とも違う。
そんな独特の閉塞感を私は感じていました。
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パソコンの勉強は基本的に自習
就労移行では、WordやExcelの基礎学習をしました。
データ入力。
画像編集の基礎。
プログラムの基礎。
グラフィックデザインの基礎。
こうした内容を、自分で学習していきます。
事業所独自のビデオ教材を見ながら、自分で進めていく形式でした。
分からないところがあれば職員に質問します。
つまり、
「教えてもらいながら授業を受ける」というより、「教材を使って自分で学習する」
という感覚に近かったです。
もちろん、自分で勉強すること自体は悪いことではありません。
仕事を始めれば、自分で調べたり勉強したりすることも必要になります。
ただ、私が当時感じていたのは、
「就労移行支援とは、こういうものなのか?」
という疑問でした。
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パソコン以外の手作業もあった
パソコン作業だけではありません。
簡単な指示書を見ながら、書類整理をしたり、商品の袋詰めや仕分けをしたりする作業もありました。
ボルトとナットを、指定された目印のところまで入れる作業。
ビーズを指示書どおりに、大きさや色別に分けて検品する作業。
作業時間を測定し、
「決められた時間内に正確にできるか」
を確認することもありました。
作業が終わると、正しくできているか職員に確認してもらいます。
こうした作業を通して、
「指示書を理解する」
「決められた手順で作業する」
「正確に作業する」
といった力を身につける目的だったのだと思います。
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職員との時間は1日約1時間
私が利用した就労移行では、職員との訓練時間は1日約1時間までと言われていました。
その時間には、
制度や仕組みについて。
仕事をする上でのルール。
自分自身との向き合い方。
これからの就職について。
そういったことを職員と話していました。
それ以外の時間は、自分で一日の予定を立てて過ごします。
そのため、
「一日中、職員からマンツーマンで訓練を受ける」
というイメージとは、かなり違いました。
私の場合は、
「自分で学習や作業を進め、必要なときに職員へ質問する」
という時間が多かったです。
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昼食は無料だった
就労移行では、昼食のお弁当が無料で提供されていました。
朝9時から16時まで利用するので、昼食が用意されていること自体は助かりました。
一方、後述するB型では昼食は350円でした。
同じ「就労支援」と呼ばれるサービスでも、こうした違いがありました。
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B型では、実際にどんな作業をしていたのか
次に、私が利用した就労継続支援B型です。
B型も朝9時から16時まで利用できました。
就労移行とは、かなり作業内容が違いました。
私が行っていたのは、商品の品質チェックや軽作業です。
例えば、キャラクターのアクリルスタンドやアクリルキーホルダー。
ルーペを使いながら、
「傷がないか」
「絵に不具合がないか」
を確認します。
問題がなければ袋詰めをして、販売できる状態にして完成です。
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段ボールの検品もしていた
ほかには、段ボールの検品もありました。
広げる前の折り畳まれた状態の段ボールを確認します。
傷がないか。
破れていないか。
問題がなければ、ビニール紐で結束します。
そのほかにも、ゴム製品の型取りなどを行っていました。
どれも派手な作業ではありません。
でも、実際に商品として出すものなので、
「間違いがないか確認する」
「決められた手順で作業する」
ということは意識していました。
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B型の昼食は350円
B型では、昼食のお弁当は350円でした。
就労移行では無料。
B型では350円。
同じような場所に見えても、実際に利用してみると違いがあります。
こうした違いも、実際に両方を利用してみなければ分からなかったことです。
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「働くための場所」とは何なのか
ここまで書いてきたように、私が経験した就労支援では、
パソコンの勉強。
動画教材を使った自習。
データ入力。
画像編集。
手作業。
商品の検品。
袋詰め。
書類整理。
職員との面談。
さまざまなことをしていました。
だから、
「何もしていなかった」
というわけではありません。
しかし、私の中に残った疑問があります。
「これらの作業が、実際の就職にどこまでつながっているのだろう?」
ということです。
就労移行の目的は、一般企業などへの就職を目指すことです。
だからこそ、
「作業をすること」
だけではなく、
「その作業が就職にどうつながるのか」
まで、利用者に分かる支援が必要なのではないか。
私はそう感じました。
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利用者として感じた「閉塞感」
特に印象に残っているのが、
利用者同士の会話が禁止されていたこと。
もちろん、集中して作業するために必要なルールだったのかもしれません。
ですが、一般企業で働くことを目指しているのに、利用者同士の会話が禁止されている。
その環境には、私は独特の閉塞感を感じました。
仕事をすれば、上司や同僚、お客様など、さまざまな人とコミュニケーションを取ることになります。
だから私は、
「就職するための訓練なのに、コミュニケーションの機会を制限するのはなぜなんだろう?」
と感じていました。
もちろん、これも私が利用した事業所でのルールです。
すべての就労移行支援に当てはまる話ではありません。
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実際に利用して分かったこと
利用する前は、
「就労支援に行けば、職員が仕事を教えてくれる」
そんなイメージを持っていました。
実際には、自分で学習する時間も多く、自分で予定を立てて行動する必要がありました。
それ自体は、自立して働くためには必要なことだと思います。
でも、
「自分でやること」と「支援してもらうこと」の境界が、私には分かりにくかった。
これが、私が利用して感じた大きな違和感の一つでした。
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最後に
私は就労移行支援とB型の両方を利用しました。
同じ「就労支援」という言葉でまとめられていても、実際の作業や環境はかなり違いました。
そして、実際に通ってみなければ分からないこともたくさんありました。
今回書いたのは、あくまで私が利用した事業所での経験です。
良い支援をしている事業所も当然あると思います。
だからこそ私は、
「就労支援とは、本来どんな場所であるべきなのか?」
を考えるようになりました。
次回は、私が利用を続ける中で感じた、もう一つの大きな疑問について書いていきます。
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次回予告
第5章「限られた2年間と、行政に伝えた疑問」
就労移行支援には、原則2年間という標準利用期間があります。
限られた時間の中で、就職を目指す。
その制度を利用していた私が、なぜ利用をやめることになったのか。
そして、利用していた中で感じた疑問をハローワークに伝えたとき、返ってきた言葉とは。
次回は、利用者として制度と行政に感じた疑問について書いていきます。
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この記事について
この記事は、私自身が過去に利用した事業所での経験をもとに書いています。
事業所によって支援内容や運営方法、ルールなどは異なります。
また、この記事は特定の事業所や就労支援制度そのものを否定することを目的としたものではありません。
一利用者として、実際に経験したことや、その中で感じた疑問を記録しています。
※制度の詳細については、厚生労働省の公式情報も参考にしています。
就労支援や就労移行支援を利用した経験がある方は、感じたことや疑問、印象に残っていることなどがあれば、ぜひコメントで教えてください。
私とは違う経験でも構いません。
いろいろな利用者の声を知ることで、このシリーズをより深く考えるきっかけにできればと思っています。
📅 このシリーズは毎週日曜日に更新しています。
次回もぜひ読みに来ていただけるとうれしいです。
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