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【管理部編】上場会社のバックオフィス20名が、1ヶ月でClaudeを実装した記録

はじめに

上場会社のバックオフィス20名全員が、1ヶ月で30件のClaude活用ツールを実装し、ナレッジとして投稿した。経営企画・経理財務・法務・総務・情報システム——5部門すべてが、達成率100%。

  • IR決算説明資料の品質チェックは、2名×4時間 → 1名+Claude×30分

  • ホスティングサービスのインシデント影響調査は、3〜4時間 → 10分

  • 英文決算短信のドラフトは、6時間 → 1.5時間

「上場会社のバックオフィスは AI 活用が最も難しい」と言われる領域で、何が起きたのか。社長室兼管理部管掌の執行役員として、振り返りを残しておきます。


本記事は、当社代表が先日公開した「全社へのClaude Code大号令 — 1ヶ月で200個のアプリと300件のナレッジから見えたこと(社内では「CC令」と呼んでいます)の続編にあたります。
代表のnoteは事業部編としての総括で、その冒頭にはこう書かれていました。

子会社とバックオフィス系メンバーを除く事業部社員のほぼ全員が...

その「除かれた側」のバックオフィス20名が、1ヶ月遅れて何をしたのか——本記事はその記録です。

※ 本記事における「管理部」とは、当社の経営企画・経理財務・法務・総務・情報システムの5部門を指します。人事・広報は別組織のため、本記事の対象には含めていません。


なぜ「管理部編」を書く必要があるのか

3月までは、管理部のAI活用には事業部とは違う3つのハードルがあると見ていました。
①規制の重さ(個人情報・金融商品取引法・内部統制)
②属人化の根深さ(「前任者しか分からない」業務が点在)
③ツールへの距離の遠さ(日々の業務がコード中心ではないため、AIツールに触れる機会が少ない)

加えて、現場では構造的な負荷が常態化していました。少人数で経理財務・法務・総務・情シスを横断的に回す人的限界。決算期にチーム全体が消耗する、量と質の両立。 AIガイドラインなど毎月新しい論点が出る、新領域コンプライアンスへの追随。 月次・四半期サイクルで定型化と自動化の余地が大きかった、FP&A機能のスケール——どれも「業務全体の構造を変えなければインパクトが出ない」「失敗が許されない」という二重の責任の中での課題でした。

だからこそ、事業部とは別の取り組みが必要だ——と見ていました。

Claudeが「全部を解決する魔法の杖」になったわけではありません。ただ、業務の構造そのものを再設計するための「最初の一歩」を全員が踏み出した——それが4月の意味です。

結果は、20名全員達成・30件投稿・全5部門100%。事業部とは違う種類の、もっと地味だが構造的な変化が起きていました。


AI活用で生まれた、4つの業務インパクト

① 定型業務の自動化 — 「気の遠くなる作業」が消えた

管理部の仕事は、ある意味で 地味な確認作業の積み重ね です。Slack の重要メンション、住民税の全銀ファイル変換、銀行・支店コードの入力、反社チェックの照合、EDINET の大量保有報告書監視——どれも1件1件は数分でも、月単位・年単位で見ると膨大な工数を消費する。

ここに Claude(対話型AI)・Claude Code(コーディング・自動化向けCLIツール)・Cowork(非エンジニア向けのデスクトップ業務自動化ツール) が入った結果が次の通り(一部の内容抜粋)です。

  • ホスティングサービスのインシデント影響調査(情シス):3〜4時間 → 10分(約95%減

  • 認証基盤のアクセスログ確認(情シス):1〜1.5時間 → 10〜15分(約83%減

  • ヘルプデスク一次対応(情シス):30〜40分/件 → 5〜10分/件(約80%減

  • メール仕分け・対応(総務):1日30〜60分 → 結果確認のみ(月10〜20時間削減

  • 監視カメラ死活確認(総務):1日1回手動 → 24時間自動(検知ラグ最大24h → 1h以内)

  • ネットバンキング振込先入力(経理財務):1件ずつ手作業 → CSV 取込で月30分削減

  • 反社チェック照合(法務):手動でシート検索 → ボタン1クリックで自動照合

② 上場会社対応の品質担保 — IRと開示を守る分業

ここが、上場会社のバックオフィスにとって最も意義深い領域です。ミスが許されない仕事ほど、AI を一次担当に置く効果が大きい

経営企画では、IR 決算説明資料(80ページ)の品質チェックを 8人時(2名×4時間)→ 0.5人時(1名+Claude×30分)、約94%減 に短縮。やり方はシンプルです。

  • 暗黙知であった数値の丸め処理などの社内ルールの定義を整理

  • 前回資料との 226件のバーラベルを機械照合

  • 元データ Excel との 21項目クロスチェック

  • 結果を Notion に自動登録

Claude が「要確認」と判定した項目のみを人間が見る分業体制を構築。数値の計算ミスや過去データの改ざんはゼロ件で、人間は「説明の十分性」「掲載許諾」という判断業務にリソースを集中できました。

英文決算短信のドラフト作成も同じ手法で 6時間 → 1.5時間(約75%減)。EDINET の定める正式英訳を Claude にチェックさせる過程で、今期は Stock → Share(新株予約権の正式英訳)の表記誤りも発見しました。スキルが四半期ごとに精度を上げていく構造になっています。

③ 法務・ポリシー整備 — リスクの言語化を AI が支援

週次法務ニュースの発信は 3〜4時間/週 → 1.5時間/週(約60%減)。法改正に事業メンバーが気づかずリスクを抱える状況を、Claude のサマリー素案 → 法務確認 → Slack 共有という分業で改善しました。

商事法務(取締役会・株主総会・登記申請)でのケアレスミス頻発という長年の課題に対しては、Claude との対話で内製アプリのベータ版を完成させ、外部委託コストの一部削減の準備が進んでいます。

反社チェック(取引先が反社会的勢力でないかの確認)は、これまで担当者がシートを開いて1件ずつ目視で検索する必要がありました。これをボタン1クリックで
全件一括照合に置き換え、表記の違いも自動で吸収して4項目を一括登録するところまで自動化。「監査対応・内部統制・コンプライアンス」という上場会社の宿命的な負荷を、AI でほぐしていく筋道が見え始めています。

④ FP&A機能・経営企画の高度化 — 判断業務に時間を返す

「重要案件モニタリング」では、失注してはいけないクライアントワーク案件を部門横断で俯瞰する仕組みを 3〜4時間/週・精度低 → 20〜30分/週・精度高 に改善しました。GAS でスナップショットを蓄積し、Claude に重要案件抽出・前週比差分検出・Notion 出力を任せる構造です。

経営層向けの中期戦略資料の新セクション企画→ドラフト作成では、経営層との壁打ちの文字起こしから、ディープリサーチ → 構成案 → スライドドラフト → 初回確認 までを1日で回し切り、1〜2週間 → 1日に短縮しました。

FP&A 機能・経営企画機能における AI の真価は「作業時間を減らす」ことではなく、戦略的な判断と対話に時間を返すことだと、この1ヶ月で実感しています。

もちろん、Claude が「全部を解決する魔法の杖」になったわけではありません。ただ、業務の構造そのものを再設計するための「最初の一歩」を全員が踏み出した——それが4月の意味です。


全体ステップ — 管理部AI化のロードマップ

ここで強調したいのは、今回の30件の投稿は、もっと大きな全体設計の一部分にすぎないということです。

管理部のAI化は、現在6ステップで構造化して進めています。

【📊 管理部AI化 6ステップ ロードマップ】

4月は、Step 0(土壌)と Step 1(可視化)が完了したフェーズでした。各部門が全業務を棚卸し、工数だけでなく「AI化できないか?」という観点で見直して います。現在は Step 3 から Step 4(実装・運用)への移行中です。
これは「個人がAIを使う」段階を超えて、「マネジメントレイヤーで業務構造を再設計し、全業務のAI化に着手する」段階に入ったということ。


Step 0 の中身 — 走りながら整えるガバナンス

「20名全員が AI を使い倒した」と聞いて、他社のコーポレート責任者の方が真っ先に気にされるのは、「機密情報の取り扱いは大丈夫なのか?」 だと思います。

正直に言うと、完璧なガバナンスの上で全員達成があったわけではありません。むしろ、20名が手を動かす過程で出てきた論点を一つずつ拾いながら、走りながらガバナンスを整えていった——それが実態に近いです。
そして、今も整備の途中です。

具体的には3つの取り組みを並行して進めています:

① AIガイドラインとホワイトリスト運用
利用可能なAIツールの分類ルールを明文化し、社員が判断に迷わないガイドラインを敷いています。何を入れて良いか・何を入れてはいけないかを言語化することは、それ自体が 「業務の言語化」と表裏一体 の作業でした。

② AI利用申請フローの構築
新しい AIツールを使う際の申請 → ガイドライン照合 → 承認のフローを整備中。冒頭の「AI利用申請承認の相棒」も、このフローを支える実装の一つとして生まれました。増えた申請業務をAI自身で支える という構造です。

③ 監査・第三者レビュー対応
中間レビューではAI活用に関する内部統制論点も扱われています。個人情報保護に関する社内規程の見直しも並行して進めています。

自由に試せる環境」と「使ってはいけないことの明確なルール」を 同時に走らせる——どちらかを完成させてから次に進むのではなく、両輪で並走するからこそ、20名が安心して試行錯誤できました。

ガバナンスはAI活用のブレーキではない。ただし、完成した状態で先に置くものでもない——動きながら、走りながら、整えていくもの。これが、4月を通しての実感であり、今も継続している実装中のテーマです。


Step1 の現れ — 部門別ハイライト

ここからは、Step1(業務の可視化)の過程で生まれた、部門別の代表的な実装事例を紹介します。全業務一覧の棚卸しと並行して、各メンバーが「自分の業務をAI化したらこうなる」を形にしてナレッジ投稿した結果が、以下の30件です。

経営企画(6件)

経営企画ではNotion 上に「Claude 活用状況DB」を構築。各業務を「未着手 / 検討中 / 実装中 / 効率化済み / 自動化済み」のステータスで管理し、削減時間を定量計測する仕組みが整備されました。

ありがちなAI活用は「今の仕事をちょっと早くする」止まりになりがち——だからこそ、Claude Codeを前提として業務フロー自体を根底から変えていくというスタンスが部門内で共有されています。

そして管理部の責任者として、私自身も20人目として経営企画の枠で参加しました。旗を振る側の人間が、自分は手を動かさず号令だけ出している状態は、CC令の精神から最も遠い——「全員達成」とは20人目に自分も含む、ということです。

法務(8件)

法務では商事法務(取締役会・株主総会・登記申請)、反社チェック自動化、週次法務ニュース発信、職業紹介事業まわりのツール、Google Home カメラオフライン監視——多様な領域に AI を入れました。

「対人だと強く言えないタイプだけど、AI相手には遠慮なく意見が言える」——非エンジニアのメンバーから自然に出てきた感想です。AIを「上司や同僚に遠慮せずぶつけられる検討相手」として活用する形は、新しい働き方の片鱗です。

経理財務(10件)

最も投稿数が多く、最も「非エンジニアが業務ツールを内製する」事例が集中した部門です。

  • EDINET大量保有報告書 自動監視( Slack 通知で、見落としリスクをゼロに)

  • 全銀ファイル変換ツール(住民税納付の銀行サイト作業を撲滅)

  • 銀行・支店コード検索ツール(月10件の手動振込 → CSV取込で月30分削減)

  • Slackに散らばっていた過去の引継ぎ情報を、AIで整理して検索可能なナレッジベース化

象徴的な気づきは、AIに丸投げしようとして逆に業務仕様を整理させられた経験です。

「全銀ファイルに変換できるようにしてもらえる?」

AI: 「これだけでは作れません。依頼人コード・引落口座情報・収納機関番号などが必要です」

「あ、そっか。全銀ファイルってルールがガチガチなんだ」とここで気づかされる。

これは「AIで仕事を奪われる」の真逆の現象です。AIとのやり取りそのものが、業務の言語化スキルを鍛えるトレーニングになる——管理部全体に共通する気づきでした。

総務(3件)

総務では、コーディング経験のないメンバーが Gmail連携でのメール自動仕分けや、Claude in Chromeを使った Slack総務宛メールの自動仕分けを実装しました。
メールチェック・仕分け業務で月10〜20時間規模の削減効果が見えてきています。

「コードを書いた経験ゼロでマッチングアプリを作りたい」というところから始めて、「esa自己紹介からマッチングする Webアプリ作って」と日本語で指示するだけで1分ちょっとでWebアプリ完成まで到達した事例も。ハードルが下がりきった後の世界が、ここに見えています。

情報システム(3件)

4月集計の途中経過で当部門だけがナレッジ投稿0件と可視化されたことを契機に、ホスティングサービスのインシデント影響調査(95%減)、認証基盤のアクセスログ確認(83%減)、ヘルプデスク一次対応(80%減)のナレッジ共有が一気に実現。

どの業務も、AIが「一次担当」で、人間は「最終判断」だけしているという構造。情シスの仕事は地味な確認作業の積み重ねでできているが、そこを Claude が引き取ることで、人間は「判断」と「設計」に時間を使えるようになりつつある。

——情報システム部のメンバーより

5つの発見 — なぜ管理部でも全員達成できたのか

30件の投稿を読み込んで見えてきた、管理部に共通する「成功の型」を5つに整理します。

① 「効率化」を超えて「業務の再設計」へ
AIを使って今の仕事を早くするのではなく、業務フロー自体を Claude 前提で組み直す という思考のジャンプ。経営企画と情シスが先行しました。

② AI化の前提は「業務の標準化・言語化」
属人化・手順書のない業務は AI化の前に整理が必要。「自動化したい」と「業務を言語化したい」は同じ意味でした。

③ Claude は「一次担当」、人間は「判断」に集中
IR チェック・反社チェック・法務ニュース・ヘルプデスクすべてに共通する分業構造。AI = 一次チェック / 人間 = 最終判断

④ 「まず触る」が突破口になる
非エンジニア勢の共通したメッセージ。「やる前のハードルより、触ってみた後の『意外といける』感の方が大きい」。

⑤ AIは「仕様を引き出すパートナー」になる
丸投げしようとして、逆に業務仕様を整理させられる。AIとのやり取りそのものが、業務の言語化スキルを鍛えるトレーニングになる


車輪の再発明を防ぐ — 個人の実装を組織の資産へ

30件の事例が生まれた4月。次に直面する最大の問題は、「同じものを各人が作り直さない仕組み」をどう作るかです。

各メンバーが個人の業務課題を起点に AIツールを内製したのは素晴らしい。ただし、「銀行・支店コード検索ツール」が経理財務で生まれ、似たようなものを総務でも別の人が作る——これが続けば、組織全体としての効率は上がりません。むしろ、個別最適の集積が組織の負債になりかねません。

CC令の次のフェーズで重要なのは、3つの「組織の資産化」です。

① Skill化|個人のスクリプトを組織の資産へ
経営企画の「IRチェックSkill」、情シスの「業務工数可視化Skill」、法務の「商事法務アプリ」——いずれも他部署で再利用できる構造に変換し、「自分のためのツール」を「組織のための資産」に変えていきます。

② ナレッジ集約|Notion で部門横断管理
Notion「Claude活用状況DB」に全部門の業務AI化進捗を集約。内製を始める前に「すでに誰かが似たものを作っていないか」を確認できる仕組みです。

③ 失敗ナレッジの共有|うまくいかなかった経験ほど資産になる
ハマったポイント、見直した設計、回り道——「失敗ベースのナレッジ」として共有することで、先行者の失敗が後続者の成功率を上げる。これも組織の競争力です。

これらは地味で時間がかかる作業ですが、「個人の実装を組織の資産に変換する」という、最も重要な後続活動です。Step4(実装・運用)を成功させるための前提でもあります。


管理部としての人の価値 — AIが引き取った先に開ける景色

ここが、この記事で最も伝えたいことかもしれません。

「AIで業務時間を減らせる」「自動化できる」——という話は、もはや珍しくありません。本当にワクワクするのは、AIに時間を返した管理部メンバーが、これから何をできるようになるのか という問いです。 30件の事例を読み返して見えてきたのは、AIが定型業務を引き取った先に、管理部メンバーの専門性が、もっと活きる場面が広がっていく という景色でした。

判断と専門性に、時間と力を使える

IR資料の品質チェックでは、AIが「要確認」と判定した項目に対して、最終的に「これは記載すべきか」「この表現で説明として十分か」「この情報を載せていいか」を判断するのは人間です。商事法務、税務、内部統制、開示、監査対応——管理部メンバーが日々向き合っている専門領域は、AIが「動くもの」を作れる時代になっても、「何を作るべきか」「どこに注意すべきか」を判断できる人が必要です。
AIに定型業務を任せられるからこそ、判断という最も重要な仕事に時間を使え、AIで「動くもの」が量産される時代だからこそ、専門知識を持つ管理部メンバーの存在感が増していきます。

対話と設計に、本質を取り戻す

社内の事業部・経営層・社外の監査法人・税理士・弁護士・取引先——管理部の仕事の半分は「人と話すこと」で成立しています。AIで書類仕事の時間を返した先に、対話と信頼構築に使える時間が生まれる。
そして、AIで「動くもの」を作るのは1日でできても、それが半年後・1年後・3年後に動き続けるための設計は、管理部の専門性があってこそ実現します。継続性、規制適合性、引き継ぎ性、監査適合性——これらを担保できる設計力は、AIが代替できない、管理部メンバーが磨いてきた力です。


つまり、AI化が進むほど、管理部メンバー一人ひとりの価値が、より発揮される場面が増えていく——というのが、この1ヶ月の30件を一緒に作ってきた中で、私が確信していることです。
CC令を通じて20名全員がAIツールを実装、つまりはAIを装備した経験は、管理部にとって「自分が本当にやりたかった仕事は何か」「自分の専門性をどう活かしたいか」を考え直す機会にもなりました。これが、5月以降の Step4-5を進める上で、最も大きな資産です。


これからの動き — Step4へ移行、Step5へ向けて

5月、ロードマップはStep3(AI適用の仮説立て)の仕上げ段階を経て、Step 4(実装・運用)への移行が始まっています。「忙しいを数字に変えるだけで 議論の解像度が上がる」——情報システムのメンバーが残したこの言葉を、 Step4で管理部全体に広げていきます。
Step5(効果測定・横展開)で目指すのは、Before/Afterの定量化と、得た知見を他社へ展開すること——次の「Goodpatchがご一緒できること」へ続きます。


これは、他のどんな管理部でも再現できます

4月の取り組みを振り返って、他社でも同じことを起こすために必要なのは、2つです。

① 経営が、明確な号令を出すこと
当社では代表からの「全社CC令」、その続きとして管理部管掌役員からの「管理部CC令」という、二段階の経営号令がありました。これがないと、管理部メンバーは「自分の判断でAIを使っていいのか」が分からないまま、動けません。経営が動かなければ、管理部は動けない——これは事実です。

② プロンプトではなく、環境を走りながら設計する
個別のプロンプトをひたすら磨くのではなく、組織全体がAIを前提に動ける環境走りながら設計する。ガバナンス・申請フロー・ナレッジ共有・スキル資産化、すべてを「環境」として一体で設計する視点が必要です。プロンプトに頼るのをやめて、走りながら環境を設計する——これが2026年のAI活用の本質だと、私は考えています。「リスクを取らない」ことが最大のリスクになる時代に、最も現実的なアプローチでもあります

これらの条件は、特別な才能を持つメンバーがいるかどうかではありません。構造を作る意思があるかどうか、それだけの問題です。


Goodpatch がご一緒できること

このCC令で得た知見は、Goodpatchのクライアントワークとして他社に提供できる形に整えていきます。Step5(サービス化)の具体的な構想として、以下のようなご相談に対応していきます。

  • バックオフィスAI化のロードマップ設計(6ステップフレームワーク導入)

  • AIガバナンスの構築(ガイドライン・申請フロー・ホワイトリスト運用)

  • 業務分析とAI適用設計(業務工数の可視化、AI適用優先順位付け)

  • AIツールの内製開発(Skill化・エージェント化、ワークフロー実装)

これらの上位レイヤーとして、「環境を設計する経営」そのものへの組織変革支援にも対応していく構想です。
上場会社のバックオフィスを、構造からAI前提に組み直したい」—— そう考えられている経営者・コーポレート責任者の方に、Goodpatchがご一緒できることがあると確信しています。


おわりに

管理部の20名も同じでした。経営企画・経理財務は数字との向き合い方、法務はリスクとの向き合い方、情報システム・総務はオペレーションとの向き合い方——AIが「一次担当」になったことで、「人間にしかできないこと」が逆照射的に明確になっていくプロセスを、それぞれの場所で経験しています。

「上場会社のバックオフィスはAI活用が最も難しい」という前提は、半分正しく、半分間違っていると思います。確かに難しい。
しかし、構造を整えた管理部ほど、AI活用は劇的に効く。
4月の20名全員達成は、その仮説を裏付ける1ヶ月になりました。

そして最も大事なメッセージをもう一度。
AI化が進むほど、管理部の人の価値はむしろ上がる
判断・専門性・対話・設計——AIが引き取れない領域こそが、管理部の本質的な仕事だからです。

この記事を読んでくださった皆さまにとって、何かしらの参考になれば嬉しく思います。


ご相談・お問い合わせ

本記事の取り組みに関心をお持ちの方、自社でのAI活用推進についてご相談されたい方は、以下からお気軽にお問い合わせください。

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