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合戦バー  (ショートショート)

支社に栄転してきた我ら二人の歓迎会が用意された。田中部長が指示した場所には看板も暖簾もない。

ここでいいのか…東口と西川は無言で顔を見合わせる。玄関を開けるとさらに入口が二つあった。銭湯の男湯と女湯のように暖簾があり、東、西と手書きで書かれている。中央の壁から田中の声が聞こえてきた。

東口は東、西川は西から入れ。皆待ってるぞ

言う通りにするとやはり銭湯のように中央に台があり、そのままカウンターにもなっていた。田中たちが中二階で、向かい合わせになった我らの様子を見下ろしている。観覧席だ。

これが我が支社独自の歓迎会だ。新人のマナー、メニュー、話題のチョイスが注目される。酒の量で競うものではない。それではスタート

皆で楽しもうという意図を組み、東口と西川はカウンター越しに笑顔で握手をして、中二階の皆に一礼した。拍手がわいた。この支社の営業成績がダントツに良い理由がわかるし、我々の思考や社会人としてのマナーもわかるだろう。



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