見出し画像

和歌ゲーム (ショートショート)


和歌はワケ和歌らん!

先生が教室から去るなり、太郎が私の方を向いて吠えた。だって私の名前は、若井和歌というから。
言葉だけでは、「わか」と言っても「和歌」とはわからないが、あいつは、私に向かってわかってください和歌ってえ~等、私の名前を入れて歌うから嫌いだ。
今月の授業は和歌なので、国語の時間になるたびに「和歌は和歌らん」 と私の方を向いて吠える。先生も皆も笑うだけですごいむかつく。許さん。

今日の授業は今までの総仕上げで和歌を作る。先生が戻ってくるまでに大急ぎで作った。私の両親は古文書の解析が仕事なので古文とともに育ったと言ってもいい。それを茶化すとは絶対に許さん。

先生が戻ってきた。そして私の作品を一番に指名してきた。そりゃ、私はこれでも国語はトップの成績だし。

和歌とともに 育ちし和歌は 和歌を嗤われ 和歌で嘆く


皆が拍手した。先生は五七五七七でないと、しぶったが、毎日太郎に弄られていたので私は書きなおしを拒否した。






いいなと思ったら応援しよう!

ふじたごうらこ ありがとうございます。