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インフル念写 (バレエショートショート)


大先生が戦前の欧バレエ団にいたころの話。

ある団員がジプシーの子をレッスン場に連れてきたという。その子は超能力者だった。振付師が考える振付を大きな鏡に念写できたという。当時は映写機すらなかった。だから振付師以下全員が振り写しに便利だと喜んだ。皆は熱に浮かれたように次々と振付師の考える振付を覚えた。

しかしその子はすぐにバレエに飽きたようで、振付師の振りをそのまま鏡に念写しなくなった。大きな鏡にケーキ、ピザ、キレイな娘の裸を写す。皆は驚く。あれは街のカフェの女給じゃないか。なぜ鏡に裸で映る? 一人の団員があいつ、浮気してやがったのかしかも振付師と、怒って叫ぶ。団員と振付師の殴り合いが始まった。ジプシーの子は、ただ嗤っていた。

皆で喧嘩を止めていると、団を統べるプリマが言った。

「もういい。やはり振付は苦労して覚えるものよ。その子にお金をあげて。そして外に出して。」

そしてプリマは振付師を「この浮気者」 と言ってクビにした。


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たらはかにさまの企画に参加中です。
今週のお題は「インフル念写」 です。








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