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きじにであう

またnoteで面白い記事でも見つけたのかヤレヤレと、読み飛ばして「スキ」を押してくれる勢のみなさん。こんにちは、あなたのおかげで今日も生きながらえております1号です。

先日のこと

膝の痛みを感じて、衰えた自分に落胆しながら書き上げた記事「衰えて、春」を改めて自分で読んでみました。なんとも情けないお話でございます。これがしかし、読めば読むほどジジィが強すぎて、このままでは本当にジジィまっしぐらとなってしまうと危機感を覚えたのでございました。

そして、ある日から時間を見つけては歩くようになりました。といっても近所を散歩するぐらいのものですが、普段全く歩く習慣のなかった私からしたらすごい進歩でございます。日頃より小さなことを大きく褒めることで定評のある私は、自己肯定感だけではなく他者の肯定感を強めることができる特殊スキルが備わっているとして極一部で重宝されます。


そのスキルを水面下で発動し、自身にバフをかけることによって、どんどん歩く距離を伸ばしていったのです。最初は休日の朝から、そのうちに夕食後のちょっとした時間に。しばらくは私だけのソロプレイでしたが、それに気づいた妻が

「1号が勝手に始めたのになんだか私がサボっている雰囲気になっているッ!」

という、誰も謝罪しようがないクレームが提出されました。首脳陣としても対処に困り、クレーム処理課おくさま相談室の室長であるワタクシの「一緒に歩くという手もある、いや脚か」という発言が波紋を呼び、最終的には「夫婦でウォーキング」という事態へと発展し、これはもはやシルバー案件ではないかと。今そんな感じです。


休日の朝は…

その日は良く晴れた日でした。最高の休日に、最高の朝食でスタートしようと、二人でお気に入りのパン屋さんまで歩いていくことにしました。そう、普段なら絶対に車でビューーーの距離です。

それでもだいたい往復3kmといったところでしょうか。

公園を横切り、木漏れ日を浴びながら
「この場所って夜通ると絶対怖いよね」とか
「ここの道路で死亡事故あったよね」とか
「2年前に作業員が不慮の事故で…」とか 
およそ爽やかな休日の散歩に似つかわしくない会話をしながら、目的のパン屋さんへと到着。このとき既に「もう、歩きたくない!」と駄々をこねる子どものような妻の声をスルーして、パン生地を一生懸命こねているベーカーリーのドアを開く日曜の朝。


その帰り道

美味しそうな焼き立てのパンで気分を持ち直した妻と、カンパーニュが無事にリュックに収まって安堵している私は、帰り道は気分を変えて違うルートで帰ろう!と意気揚々と歩くこと5分。私たちは突然出会ってしまったのです。

「 ! 」

きじがあらわれた

コマンド
▷どうぐ
【きびだんごをもっていない】

私たちの数メートル先にソイツは出現しました。RPGならモンスターに奇襲をかけられたようなものです。堂々とした風格を漂わせながら、休日の朝の土手を横切ろうとしていていました。光沢のある深い黒緑を纏い、シラフなのに赤ら顔で、長く優雅にスッと伸びた尾羽は私たちを釘付けにしました。

心優しい我々夫婦は「きじは食べられるらしい」という邪な考えと、「狩猟免許がないとダメだって」という電光石火の検索ちゃんの間で揺れ動き、ただ遠くで見ていることしかできなかったのです。

ちなみにきじは国鳥ということですが、法律で定められているわけではございません。日本鳥学会が1947年が決めたとのこと。国鳥に指定されるくらいなじみの深い鳥ですから、きっと皆さんも散歩ついでによく見かけるのでしょう。いや、ほんと。

散歩したら雉に出会った。

これはモモタロウと気軽に世間話ができるくらいの田舎レベルであるということを表しています。ちなみにノラ犬こそ見かけませんが、サルなら山におります。人間様に飼われてはいますが時折抜け出す奴がいて、小学校の校内放送では「ただいま〇〇山の猿山から、さるが1匹脱走しました」という放送が入ります。充分、田舎じゃねぇか。


恩恵

雉を見逃して(見逃されて)あげたせいなのか、その日から膝の痛みが無くなりました。全くの好調!これは吉凶を知らせる雉のおかげ、まじきじあざす。と家族会議で発表したら即座に

「膝裏に溜まっていたリンパが流れ出したからであって、雉のおかげではない。今度からパン屋には車じゃないと行かないんだから!」

といった反対派の意見が飛び出し、そのまま可決されました。これ以降、我が家では休日の朝パンは車で行くことがおやくそくとなりましたことをお伝えいたします。

以上、日本のどこかの平和な日常を切り取ったnoteでございました。