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1校複数チーム制の導入を

日本高野連の発表によれば、今年の硬式野球部の選手数は124,116人、最も多かった2014年に比べれば、約4.6万人の減少だ。少子化だけでは説明できない選手数の減少が続いている。
加盟校数も減少している。こちらは「少子化」に加えて、公立高校の統廃合が進んでいることが大きい。しかしながら、加盟校数の減少は、選手数の減少よりも緩やかなのだ。

選手数と加盟校数の推移

2000年の選手数(148,415人)、加盟校数(4,183校)をそれぞれ「1」として、今年までの推移をグラフにするとこうなる。

選手数は2014年までは増加の一途をたどったが、2017年あたりから減少に転じ、今は2000年との比較では8割近くにまで減少している。
加盟校数は2007年から減少に転じ、選手数が増えている間も減少を続けた。
学校の統廃合が続いていたからではある。減少はずっと続いているが、その減り幅は緩やかで、2020年あたりから、選手数の減少率を上回るようになっている。
選手数より加盟校数の落ち込みの方が「緩やか」になったのは「連合チーム」を施行したことが大きい。

連合チームの功績

1997年から部分的に施行された「連合チーム」は2011年には 東日本大震災に被災して部員数が減少した高校同士による連合チームの出場を容認する特例措置が設けられた。2012年の夏の大会から特別の事情がなくとも部員が8人以下の学校同士による連合チームでの大会参加や、部員を他校から借りるケースが認められた。こういう形で「連合チーム」は一般的になった。
「連合チーム」がなかった時代は、部員数が9人に満たない野球部は、公式戦に出場することができなかった。部員不足の学校の多くは公式戦への出場を断念していた。野球部が廃部になることも少なくなかった。部員数0の学校の中には、部活の顧問が都道府県高野連に加盟金を支払って、名目上「野球部」を存続させているケースもあった。
「連合チーム」のルールができて部員不足の学校でも公式戦に参加できるようになり、野球部存続、復活の可能性は大いに高まった。
厳密には「連合チーム」は「統廃合による連合」と「部員不足による連合」の二つがあり、2025年は「統廃合による連合」が7チーム(14校)、「部員不足による連合」が148チーム(425校)になっている。
この「連合チーム」の導入によって、47都道府県の地方大会は維持されているという一面がある。連合チームの参加がなければ、地方大会参加校数は30校を割り込み、最小3連勝で甲子園出場が可能になるところだった。
「連合チーム」の大半は初戦で敗退する。実力的には弱小だが、それでも野球部員に「試合出場する権利」を担保している点で、大いに意義があると思う。私は日本高野連の数多くの施策の中で「連合チーム」は最も優れた施策だと思っている。


試合に出られない野球部員

しかし一方で甲子園常連校など、私学を中心に100人以上の選手数を抱えている学校が今もたくさんある。
高校野球のベンチ入り人数は「20人」。3学年で60人を超す部員数の学校は、毎年試合に出られない野球部員を必ず出すことになる。
言われつくした話ではあるが「教育委の一環」であるはずの高校野球で「試合出場の機会」を奪われる高校生が出るのは、理不尽としか言いようがない。
中学の硬式野球でもボーイズやリトルシニアなどは「試合に出ない選手」を常態的に造ってきたが、そんな中で「全員試合出場」「リエントリールール」があるポニーリーグが、選手数を激増させている。どんな子供だって、親だって「へたくそでも試合に出たい」と思っているのだ。
100人以上部員がいる学校の指導者は「たとえベンチ入りできず、応援に回ったとしても、3年間頑張ったことは必ず人生の役に立つ」みたいな「おためごかし」を平気で言ってきたが、出られなかった選手の本音を聞けば「悔しかった」「残念だった」しかないのだ。
8月10日に北海道で行われていた「Liga サマーキャンプ」が終わった。今年も取材したが、参加者の中には「試合に出られなかった選手」がいる。彼らは充足できなかった「高校野球生活」を取り戻すために、参加している。彼らの中にはわずか数日で、急速に能力を伸ばす選手だっているのだ。

Liga サマーキャンプ エスコンフィールドでの最終日

一方で「9人を集める」ことに汲々とする連合チームがある中で、「せっかく野球部に入ったのにベンチにも入れない」選手を大量に生み出す私学がある。誠に理不尽だと思う。
これはすでに日本高野連の「検討会議」でもプランとして挙がっているが、60人を超す部員がいる学校は「複数チーム」の公式戦出場を認めてもよいのではないかと思う。
Aチーム、Bチームというかたちで同じ学校で複数のチームを編成する。監督も2人、例えば地方大会の1週間前にはチーム編成を決め、以後は入れ替えなしにする。地方大会では、直接対決がなるべくおこらないようにするために、ツリーの端っこに置く。それでも決勝で当たった場合は仕方ないが。
予想に反してBチームが勝ち進んでも面白いかもしれない。
例えばAチームが勝ち進んだ場合に、甲子園出場を前にBチームから「補強」をするのを「あり」とするか「なし」とするか。若い部長やコーチが率いるBチームが甲子園に進出した場合、Aチームを率いた監督はベンチ入りできないのか?などいろいろ問題はあるだろう。
しかし複数チームの出場を認めれば「試合に出られない高校野球選手」は大幅に減るはずだ。
さらに、これによって地方大会の出場チーム数も維持できる。

暑さ対策をはじめ、日本高野連は難問山積ではあるが、ぜひ「複数チームの公式戦出場」を具体化してほしいと思う。

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