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旬の野菜の思い出~家庭の味は文化だった~

春の季節を感じるのは
店頭に並ぶ新玉ねぎを見るときが多い。

新キャベツや新人参もあるけれど
やっぱり新玉ねぎを見ると
強烈に思い出すことがある。

それは、結婚したての頃の話。

主人の実家で目にしたのが
新玉ねぎの「糠漬け」だった。

「糠漬け」と言えば
きゅうりや大根、キャベツなどの
癖のない野菜を漬けていた私の実家。

夏には、もちろん香味野菜の
生姜や茗荷は漬けていたが
玉ねぎは見たことがない。

私は、驚きの言葉を
義母に告げたことを
思い出した。

その斬新な漬物を
恐る恐るひとくち
口に運んだ瞬間を忘れない。

なんとも、辛味が和らいだ
まろやかさと甘みと香味が
複雑に絡んで口の中いっぱいに広がり
その余韻がいつまでも続く。

立派な「一品料理」だと思う。

義母はおかかや醤油をかけていたが
私は、そのままで十分美味しく味わえた。

今まで、漬物は添え物と思っていたが
この漬物はただものではなかった。

他の料理に並ぶほどの存在感で
なんなら、お酒のあてにもなるほど。

今では、当時を思い出して
かつお節をかけていただくことが多い。


ちなみに我が家の冷蔵庫で保管用のぬか床


夏の季節の素麺にも思い出がある。

麺つゆに入れるのは
いつも香味野菜が習慣の実家の味。

義母は違った。
もちろん香味野菜も入れるが
カットされたトマトが入っていた。

これにも、驚いた思い出がある。

トマトの旨味と酸味が
夏のさわやかな味わいとなっていた。

また、冬の時期の正月料理にも
違った習慣があり
黒豆に必ず入っているのは
柚子の皮だった。

料理好きで味に敏感な
義母の得意料理だった。

家庭が違えば…
習慣は違うし好みも違う。
その上、味が違うのは当たりまえの話だ。

家庭の違いはある意味
小さな異文化だと思えてしまう。

今では義母の味は
私が伝えた実家の母親の
定番メニューに加えられている。


当たり前の話かもしれないけれど…
家庭の数だけ文化があるということを
旬の野菜で思い出した。



結局ごちゃまぜが美味しく感じる




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