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take_futa
頬張る白米と、春巻き。
お袋の味は?
これほど、似た料理名が上がってくる質問も少なくないだろう。
肉じゃが、カレー、どれをとっても「たしかにな」となる。
ただ、家庭毎の味付けが違うが故に「お袋の味と言えば?」という質問に、料理名を回答するのは、少し変な気もする。
かく言う僕にとってのお袋の味は、春巻きだ。
豚肉、もやし、ニラのシンプルな餡を包んだあの味。
手間がかかるのだろう。頻繁に食卓に並ぶことはない。誕生日にリクエストするくらいだった。
無理を言わないのは、子供ながらに手間を考えてのことだったのだろう。
コンビニ、中華料理店、スーパーの惣菜や冷凍食品。
購入して食べてみても、美味しいんだけど、そこまで感動はない。
つまりリピートはないなということだ。
僕にとっては、たまにしか出てこない春巻き。
それを頬張りながら、白米を口いっぱいにかき込んで、リスのように咀嚼する。
「お袋の味は?」と聞かれると、春巻きよりも、春巻きの日の食卓を思い出している。
