残された山で、できることを探す。いまの考えを、そのまま残す
正直に言うと
私はアロマが好きだったんじゃなくて
アロマをやってる自分が好きだったんだと思う
少し知識があるように見えて
なんとなく“それっぽい人”でいたかっただけ
学名や効果、効能は覚えても
その香りがどんな植物から生まれているのかも
どのように育っていくのかも
ちゃんと知らなかったし
知ろうともしなかったんだと思う
外での作業なんて苦手で
いわゆる“3K”は避けてきた
父が亡くなったとき
当時、父が住んでいた家の片付けで出てきたのは
椎茸の原木
ミツバチの箱
何台もある草刈機に草刈機の刃、鎌
研ぎ石
出荷用の梅
などなど、沢山あった
正直、価値なんてわからなかった
鉄は売ってお金にし、
ユンボも売るつもりだったものが盗まれてしまった
兄と話したのは
「この山、どうする?」
「売るか、やるか」
それくらいだった
そして思っていた
「どうせ残すなら、お金になるものを残してよ」
その後、病気をした。
麻痺も残らず
こうしていられることがありがたくて
病室から外を見ながら、ふと思った
「これからは、いいことをしよう」
植樹やボランティア、人の役に立つことを。
でも
今から木を植えても
あんなに大きくなる頃には
私はもういないかもしれない
そう思ったときに
ふと、父の山を思い出した
新しく何かを増やすより
すでにあるものを、どう活かすか
それが
今の自分にできることなんじゃないか
退院してから
最初にやったのはボランティアだった
病気になる前
自分が認知症のような状態だったから
今度は
誰かの役に立てることをと思って
年配の方の脳体操のような活動に参加した
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