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人の本当の姿の醜さと美しさに触れた話

あの頃の僕

19歳か20歳くらいの時、昼間はバイトして、夜はとりあえず遊ぶ。
とにかく遊ぶ。

ビリヤード、ダーツ、カラオケ、合コン、家でゲーム、理由なき連日のオール。
寝ずに翌日バイト。

こんな生活を繰り返していた。

交通事故発生

ある日、友人を明け方家まで送った。

流石に運転中眠かったが、なんとか送り届けた。
遊びすぎて財布の中には缶コーヒーを買うお金もない。
早く家に帰って寝たくて車を走らせた。

一般道を法定速度をかなりオーバーして走らせた。
朝の6時前後だったと思う。

ふっと意識が飛んだ。

次の瞬間、僕は交差点に赤信号で突入し、ワゴン車と激突。

ぶつかった瞬間、目の前が真っ白になった。
エアバッグが顔面を直撃。
シートベルトもしてなかったので、やたらでっかい拳が顔全体にぶつかった感覚。

次の瞬間、割れた窓ガラスの破片が目の前を飛び、車が歩道の方へ。
ブレーキとハンドル操作を意識朦朧としている中行い、人のいないところで車は停車した。

全てがスローモーションだった。

現実を理解する瞬間

ふっと自分を取り戻し、車の外にはって出る。

ぶつかったワゴン車からイカついドカタのにいちゃんたちが5人くらい首を押さえながら、怒鳴りつつドカドカ歩み寄ってくる。

そこで理解する。僕はでかい交通事故を起こしたことを。

右の脇腹に鈍痛。
とりあえず携帯電話を取り出し、脇を押さえながらか細い声で
「今、警察に電話しますんで…」

僕の様子を見て、ドカタのにいちゃん達が
「お前大丈夫か?」
っと心配してくれている。

「大丈夫です。すぐ警察呼びますので。」

電話をかけた。が、正直脇腹と脳震盪で呂律がところどころ回らない。

にいちゃんの一人が「変われ!お前はそこで安静にしてろ!」と。

今思ってもぶつかったのがあのにいちゃん達でよかった。

いや、ぶつからないのが1番いいのだが…

すぐに警察が来て事情聴取。
ただ、僕の様子を見て即座に救急車。
近くの病院に搬送された。

冷たい現実

病院ではやたら冷たく対応された。

「はい腕あげて。」
「痛いじゃない。」
「こちらも忙しいんだから早くして。」

医者も看護師も冷たかった。

最後には
「君は多くの人に迷惑かけた加害者なんだから、今後、ちゃんと責任を取りなさい。」
という説教もされた。

やっちまったという自覚もあったし、言われなくてもそうするつもりだった。
でも、なんで医者からわざわざそんなことを言われなきゃいけないのか。

診察が終わり、帰るように言われた。
しかし、金が全くない。

家に電話するにも携帯電話の電池も無く、公衆電話をかけるお金すらない。看護師に相談したら、嫌な顔をされて、渋々テレホンカードを後払いということで買わされた。
なぜか、病院の電話は使わせてくれなかった。

家に電話して、迎えに来てもらい、テレホンカード代を支払って帰宅。

その日は泥のように寝た。

温かさとの出会い

翌日、心配した友達が家までお見舞いに来てくれた。

2人でウイイレをやっていたが、どうにも右脇が痛い。
さすがにやばそうなので、自宅から近い大きな病院に行った。

結果、肺気胸で即入院からの、即手術。

幸いなことに、ここの先生は良い人で、
「肺の中に管を通す際、麻酔が効かないところがあるからそこだけ頑張って」っと。

「1、2、3で管を刺すからね!手術は病室で出来るので、このあとすぐやりましょう。」

僕はストレッチャーでそのまま病室に運ばれ、手術道具が次々と運ばれてきて、局部麻酔が始まった。

痛くはないが、皮膚を引っ張られたり、血が出ているのが見える。
すごく不思議な感覚だった。
しばらくして激痛が走る。
同時に管から血が吹き出した。

え?

しばらくして先生が「はい終わりー」っと。

「先生、カウントダウンは?」

「あ、ごめん忘れてた笑。でも、一瞬だったでしょ?」

この先生は、あえてカウントダウンしなかったと理解した。

むしろありがとう。

その後

その後、数日で退院し、事故現場の現場検証や、家庭裁判所への出頭。
にいちゃん達はみんな軽傷だったらしい。
そこだけは本当によかった。。。

ちなみに、どういったシステムかはわからないが、裁判所で説明され、相手側の状態によっては僕は刑務所に入るところだったと。

本当に一歩手前だったらしい。

車は当然廃車。

失ったものもそうだが、自分の日々の行いを反省した。

学んだこと

今回、いろいろな人の優しさや思いやりに触れた。
と、同時に加害者に極端に冷たい世界も身を持って知った。

もちろん、誰かを傷つけようとして傷つけていたら救いようはないかもしれない。でも誰しも間違いやミスはある。

外見がイカつくても、実は優しい人がいる。
白衣を着ていても、冷たい人がいる。
秀逸で温かい人がいる。

人は見た目や立場だけでは分からない。

その人の本当の姿は、困った時や大変な時にこそ現れるのかもしれない。

僕は噂や、周りの評判、一次情報だけで人を判断するのはやめようと心に誓った。

僕自身も、人から見られた時に、本当に大切なものを持った人間でいたいと思う。

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