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授業中に開けた左耳のピアス

高校2年生だったと思う。

クラス内で色々な人がピアスを開け始めていた。
私立の男子校だったので、校則は割と厳しい。
茶髪や長髪、ピアスなんかもダメだ。

でも、みんなだましだまし、茶髪や長髪にして、頭髪検査のときは黒いスプレーを付けて、髪はワックスで誤魔化す。
ピアスは学校では外す。

そんな感じで、当時は見た目がとにかく重要だった。

僕はというと、長髪とまでいかないが髪は伸ばしていた。
でも、正直なところ、茶髪とピアスには興味が無く、みんなすげーなーくらいで見ていた。


根性焼きと煽り

そんなある日のこと。

ちょっと気合いはいってる系の友達数人が根性焼きの跡を見せ合っていた。ここでは、根性焼きについての説明は割愛する。
まぁとにかく痛そうで、しかも跡が残りそうなもの。

僕はちょっと引いていた。

そして、男子特有の
「まだやってねーの?なさけねーな!」
みたいな煽りが始まる。

当然、その煽りは僕にも向けられる。

(めんどくせー流れだな...)

僕は
「根性焼きとかマジ無理!!」
「それなら根性無くていい!!」
と笑いながら言って、なんかいい感じに有耶無耶にしようとした。

しかし、あまり根性無しキャラに持っていきすぎるのも後々めんどくさくなるのが厄介なところ。

たのしい時のノリと、めんどくさい時のノリが同じノリなのだ。

しかも、一人僕のことが気に入らないのか、やたらつかかってくる。
ちなみに、このつかかってくるヤツのことは僕は嫌いだった。
なんというか、誰かを笑い者や、下げてくるやつ。
一緒にいてもつまらないやつ。

こいつのせいで、この根性系の話題がなかなか終わってくれない。

ちなみに、こいつも根性焼きはしていない。
自分に矛先が来ないように、必死に僕になすりつけて来ている感じだった。


ピアスの話題へ

そんな中、話題が今度ピアスの話題になっていく。

ピアスを開けてない仲間も数人いた。

嫌いなやつは病院でピアスの穴を開けていた。
気合いはいったやつは安全ピンと消しゴムで開けたと笑いながら言っている。

なぜか、次の授業中に誰の耳にピアスの穴を開けるかという話題に切り替わる。

本来、勉強と部活だけに没頭していればいい時期なはずだが、僕らは退屈していたのだろう。
非日常的な何かしらイベントを皆がどこかで欲していた。

誰かのポケットからライターと安全ピンが出てきた。
消しゴムは普通に誰もが持っている。
透明のピアスもある。
迷惑なことに、必要な道具は揃ってしまった。

あとは、誰の耳か?だ。

安全ピンを指すのが上手いやつが一人いて、そいつが担当することまで決まった。
まぁこいつは信頼出来る。
なんというか、ノリだけでふざけたりせず、きちっと筋を通す芯の通ったやつだ。

(こいつがやるならいいか)

なんでかわからないが、僕は自ら手をあげた。
ここまでの会話で、ちょっと感覚が麻痺していたかもしれない。
あと、好きなサッカー選手が左耳にピアスをしていたというのもあったかもしれない。

周りから
「おおおぉぉぉぉ」
「T-Pen、男見せるね!!」
っと、謎の称賛をいただく。

そして僕は、この日の授業中、左耳たぶに穴を開けた。

まぁ痛かったが、思った程ではなかった。

嫌いなあいつの驚いた顔も覚えている。

僕は帰りに自分の好みのピアスを探しにいこうと楽しくなっていた。


21歳くらいまで

ここから21歳くらいまで、僕の左耳にはピアスがぶら下がっていた。

たしかこんなイメージのやつをよく付けていたと思う。

若気の至り系で考えると、まぁかわいい話かな。

あとは、みんなから無理やりやらされたわけでも無いので、今振り返ってもピアスの穴を開けたこと自体に後悔はしていない。その後もそれなりに楽しめたし。

あー。

唯一、ピアスの件で申し訳ないと思うことがある。母親の顔だ。ピアスを開けたことを知ったとき、ちょっと悲しそうだった。その顔だけは、今でも思い出せる。

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